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連邦の朝

作者:連邦士官
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第十八話 国力

 
前書き
諸事情がありまして編集は置いて十八話を書きます 

 
ワイアットは、小型船から近くにいた竜の部隊の隊長が乗る竜に乗りフィリップ三世の棺の前まで竜、三幻獣の部隊全員で急降下した。それを予想していたが如く6000もいるトリステイン兵士たちが割れモーゼの如く道がフィリップ三世の棺の前まで出来た。
ワイアット達は一斉に地面につく前に魔法を空に打ち込み光を演出した。
民衆は、その魔法を使った時の連携の美しさに、他国の貴族達はその魔法の使った時の統率の取れ具合に恐ろしさを感じ騒いだ。
ワイアット達は地面に降りるとワイアットを守る様に四人の隊長が横に二人づつ付きワイアットの立場は王では無いことを示していた。ワイアットの立場はまだ王子であり戴冠式を済ましていないので、任命してくれた王が死ぬと王代理の立場から王子に戻った事を示しているのだ。
最も、ワイアットの後継反対派はエスターシュに意見や意思を統制されており、更に中立派もヴァリエール公爵に固められており反対に決起する者は居なくただ少しの嫌がらせ程度はやるだろうが…。
話を元に戻そうワイアット達はフィリップ三世の棺の前に着いた、ワイアットは震えながら、その震える手で王子の冠を深く被り、震えた手で儀礼剣と指揮杖を置き、置いた時に水滴が垂れた、人々には泣いている様に見えた。
ワイアットが置き終わると各部隊の隊長達が次々に棺の上に置き隊員が置き終わる頃にはワイアットは水滴を滴ながらグリフォン隊隊長のグリフォンに乗り空を滑るように飛んでいった。
グリフォンを無くした隊長は何処からか連れて来られた馬に乗りグラモンとモンモランシの最近力を付けて更に軍制改革と軍法の考案で有名になった二人と(ワイアットの地球連邦軍法の焼き増しと地球連邦軍時代の経験から来たものを二人が実行しただけ)並び列に加わった。

その時…
「これをしてくれればこれだけ…」

「それはだがしかし…」

「ではこれで…」

「わかった。」

ワイアットはトリスタニアの城前の広場に特設された演説台の上にいた。
ワイアットの後ろにはフィリップ三世の巨大な肖像画があったもし一年戦争を生き抜いた人間がいればこれをガルマの国葬と重ねたであろう。
それは間違ってはいないワイアットはガルマの国葬等を基本にしてフィリップ三世の国葬を作り上げたのだから…ともかくワイアットは本気でこの国葬でトリステイン臣民を鼓舞しさらにトリステインは他国に文化先進国として認識させるために努力を惜しまなかった。
フィリップ三世の棺の列が広場に付き大量の民衆が広場に到着したのだったのだ。
「国賓の方々、並びに他国の貴族、そして集まった民衆達よ、いきなりこの様なまだ戴冠をしていない自分が諸君らの上から話す非礼を詫びる。私、グリーン・ハンス・ワイアット個人の意見でもあり同時にトリステインとハルケギニアの未来を憂いる者の一人の言葉として諸君らに聞いて頂きたい。」
ワイアットは会場が静まるまで待ちさらに人々が答えを待ち望むまで溜めを作った。
「諸君ら我々はひとりの英雄を失った! しかし、これは我々トリステインだけの損失を意味するのか!? 否!ハルケギニア全体の損失なのだ!我々ハルケギニアの国々はエルフの国に比べ国力は10分の1である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか? 諸君!我らが英雄フィリップ三世と各国が協力した結果だとこれは諸君ら他国も我々トリステインも広く知るところである!しかし英雄フィリップ三世の死に対し多くの国が自国の権益を拡大させんとトリステインに圧力を加えてきている。かつてはエルフの国に連合として協力し、エルフの脅威を退けた英雄フィリップ三世の国に対してである諸君らも寒い時代だとは思わんか?
今度その様なかつてのエルフ進攻が行われた時にハルケギニア各国の連合がエルフ達に勝利できるだろうか?
その様な権益と対立を抱えた連合は敢えて言おう、カスであると! それら軟弱の集団が、このハルケギニア全土を守り抜くことはできないと私は断言する。
私の提言は他国のような欲望に根ざしたものではない。我々人類がハルケギニア全土に着々と生活圏を拡大したことによって増長した人類はエルフに勝てると過信したのである。ここにいたって私は、今後、絶対にハルケギニア全土に住む人類は対立繰り返さないようにすべきだと確信したのである。
この意味は、諸君達にも理解できよう……人類は、エルフに対して謙虚でなければならない。何故ならば何度も言うように英雄を失い更には団結力を失いかけているからである!我々は聖地を取り戻す為に調和ある生きかたをしなければならない。
ここに私は提案する!我々の生活圏の保護と生命権を守るためにハルケギニア各国に対し協定と条約の締結を人類の存亡とエルフ達に対する備えとして、もう一度言う提案する!」
ワイアットの演説は会場に響き渡り各国の代表や王に届いていた。

「私、ワイアットはこの新たな時代の到来と世界環境が新たになり我々人類が生き抜く事をフィリップ三世と始祖ブリミルに祈るばかりである。」
ワイアットが演説台から降りると国賓の席から拍手が起き、民衆からはワイアットとフィリップ三世を讃える声が上がった。

そのあとに開かれた各国の代表のみの追悼式で五ヶ国条約が締結された。後に言うフィリップ条約である。
その際に、ガリアの王がフィリップ三世の死に対して悲しみを持ち外交的圧力や戦意を持っていないとするためトリステインに100万エキューの寄付を行うとした。その場の代表や王達から合計360万エキューの寄付を取り付けたのだった。ワイアットは諜報網と商人を使いその噂を流すと各国の貴族や豪商もこぞって寄付を行い結果的に600万エキューが集まったのだった。ついでに演説の内容等も噂を流したワイアットの計画通りトリステインは文化先進国とハルケギニア全土を考える賢王の国と印象付ける事に成功した。 
 

 
後書き
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