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無限の愛

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第二章

「修理中でしょ」
「ええ、けれどね」
 紫の娘は鋭い目で私に言った。
「もう八割は修理出来てるわよ」
「八割の状況なら何とかなるわよ」
「宇宙航行出来るわよね」
「ワープだって」
「出来るわ」
 修理スタッフから話は聞いている、それでそうしたことが出来ることはわかっているのだ。
 けれどそれでもだった、八割でしかないのだ。
「不完全よ」
「万全じゃないっていうのね」
「まだ」
「そうよ、不完全なのよ」
 それに過ぎないのだ、本当に。
「ここからオメガはかなり遠いわよ、あそこまで行くとなると」
「行けない?」
「駄目なの?」
「行けるかも知れないけれど」
 私は苦い顔でメンバーに言った。
「ちょっとしたことでね」
「クローバー壊れるのね」
「そうなっちゃうのね」
「そうよ」
 その通りだとだ、私は答えるしかなかった。
「ほんの少しのことでね」
「じゃあどうするのよ」
 青の娘はどうしていいかわからないという顔だった、まさに。
「今は」
「それは」
「行かないと今以上に多くの人が死ぬのよ」
 青の娘は私にさらに言って来た。
「それでもいいの?」
「いい訳ないわ」
 このことは私もわかっている、誰かが死ぬことは見たくはなかった。
 それでだった、今は。
「けれどクローバーが」
「八割よね」
 黄の娘、私達の中で最も元気のいい娘が私にこのことを尋ねて来た。
「クローバーの修理の状況は」
「そうよ」
「八割だったら何とか行けるわ」
 この娘が操縦を担当している、その娘が言って来たのだ。
「何とかね」
「出来るのね」
「ええ、任せて」
 明るい顔をあえて作って私に言って来る。
「それ位ならね」
「エンジンは任せて」
 エンジン担当のピンクの娘も言って来た。
「私が何とかするから」
「そうよ、若し敵が来てもね」
 射撃は青の娘だ、敵が来てもだというのだ。
「私が寄せつけないから」
「後はね」
 今度は無皿期の娘だ、通信やレーダーを担当している。
「外からの障害は全部見極めるから」
「途中までの航路はちゃんと出すから」
 桃の娘は航宙を担当している、そして船長は私だ。
「任せてね」
「皆いいのね」
 私は皆の立ち上がる言葉を聞いてそのうえで尋ねた。
「そうしてくれるのね」
「ええ、そうよ」
「勿論じゃない」
「絶対にオメガに行きましょう」
「皆の為に」
「例え何があっても」
 皆は私に笑顔で答えてくれた、そしてだった。 
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