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真剣恋にチート転生者あらわる!?

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第15話

 
前書き
久しぶりに投稿。一応二話連続投稿です。 

 
悠斗side



四人で周囲を警戒しながら建物の沿いに進行する。先頭はカニスで2番手がロイ。3番手が俺で殿はエイだ。壁を曲がろうとカニスが壁際から顔を出して周囲を確認する。

「ストップ。敵兵だ」

「何人いる?」

「4人だ。ロイ曹長。確認してみてくれ」

カニスがしゃがみ、その上からロイが顔を出して確認する。俺とエイはアサルトライフルの残弾を確認する。

「突破出来そうだ。ユウト隊長どうする?」

ロイ曹長が俺に訪ねる。俺は左腕に着けた腕時計で現在時刻を確認する。
「(後日の出まで1時間30分。味方の増援は期待できない。だが、ぐずぐずしていたら敵の増援がやって来るかもな。強行突破するしかないな)時間がない。強行突破だ。さっさと管制塔と敵の司令部を制圧しよう」

「了解だ。カニス逝くぞ!」

「ロイ曹長、字が違いますよ!」

「気にするな。3、2、1でいくぞ。3、2、1」

カニス伍長とロイ曹長が飛び出した。俺とメイも続けて飛び出す。カニスとロイがHK50を即座に発砲する。2名の敵兵が倒れる。それに気が付いた敵兵が慌てて武器を構えるが、彼等が発砲するより先に俺とエイがHK50を構えて発射する。残った2名も反撃する間も無く銃弾を浴びて後ろに倒れた。
俺とロイが敵兵の死体に近づき生死を確認する。カニスとエイは進行予定の道を確認しつつ周囲を警戒する。

「死んでる。大丈夫だな」

「ああ。そうだな。だが、無線機は生きているな」


無線機からはアラビア語が飛び交っていた。
アラビア語が分からないのか、ロイが不思議そうな顔をした。

「なんて言ってるんだ?」

「どうやら、基地内に侵入した俺達を全滅させるつもりらしいな。急ごう、敵の司令部を押さえなければ俺達も各個撃破される」

「了解だ。もう少し先が敵の司令部施設がある建物だ。気を抜くなよ」

「はぁ~。やれやれ」

そう軽い口調でいい放つロイ。カニスはため息をつきながら、HK50を構え直し、ロイ曹長と共に前進を開始した。俺とエイも二人の後をついて行く。そのまま、俺達は建物沿いを素早く移動する。途中で数回敵兵と遭遇するが素早く無力化させ、基地司令部のある建物の入口付近まで接近に成功した。入口の左右に別れて壁越しに待機する。

「ユウト。扉を蹴破って突入するぞ」

「了解した。俺が蹴破るから、カニス、ロイ、エイは援護してくれ」

「「「了解」」」

俺は扉の正面に立って右足でおもいっきり蹴りを扉に叩き込んだ。鉄製の扉がくの時にへこみながら真っ直ぐ飛んでいった。ゴンと鈍い音が室内に響く。ロイ、カニス、エイが室内に突入する。

「ヤバイ!左右に飛べ!」

ロイがそう叫ぶ。全員が直ぐに左右に飛ぶ。入口付近が爆発した。

「ゴホッ!ゴホッ!なんだいきなり?」

俺は室内に侵入していなかったのでなんとか無事だ。俺は服についた埃を払い落としながら、扉を確認すると入口が完全に崩れ去り、侵入出来なくなっていた。

「(チッ!仲間と分断されただと!?皆は無事なのか!?)ロイ、カニス、エイ!無事か!?」

大声で叫ぶと中から凄まじい銃声が聞こえてきた。恐らく、敵とロイ達が交戦状態に入った様だ。

(くそ!?壁をぶち抜くか?いや、ロイ達が居たら下敷きになっちまう!どっか入れそうな場所は無いか!)

辺りを見渡すと入口から少し離れた場所に片腕程度なら入りそうな穴を発見した。慌てて俺はそこに向かい、中に向かって声をかける。

「誰か!誰か無事なのか!?」

「その声は・・・ユウトか!?無事だったか!」

「その声はカニスだな!俺は無事だ!そっちはどうした!?」

穴を覗くと反対側のカニスの顔が見えた。カニスは埃で顔が汚れているが怪我は無さそうだ。

「ユウト!此方は大変だ!敵の待ち伏せだ!エイが負傷して動けない!オマケに、俺は銃を失っちまった!奴等、廊下にガトリング砲を配置してやがった!此方はおかげで、身動きが取れなくなった!」

「(ヤバイな。ガトリング砲の銃座があるなら確実に不利だ!)カニス。俺の銃をくれてやる。受けとれ」

俺は穴からHK50をカニス側に入れる。辛うじてHK50は穴を通り、カニスがそれを受けとる。

「ユウト!お前丸腰でどうするつもりだ!」

「なに、俺にはこの拳がある。大丈夫だ!直ぐに助けに行くから待ってろ!」
俺はその場から壁沿いに走り反対側の入口を目指す。急いで3人の救援に向かう。

「止せ!止めるんだ!此処は敵陣なんだ!戻れユウト!」

カニスの引き留める声が空しく辺りに響くのだった。




悠斗sideout



フランク・フリードリヒside

海軍基地を強襲した我々、NATO軍は1時間余りで海軍基地を制圧した。我が方の部隊に怪我人や死者が一切いなかったが、同胞たるイギリス、フランスの将兵に死者と怪我人が出てしまったのは残念だ。我々は今、制圧した敵海軍基地の司令部にいる。基地司令以下司令部要員達を拘束したので、簡単な尋問を行うためだ。私のもとにマルギッテ少尉がやって来る。

「フランク中将。基地内の完全制圧完了致しました!」

「うむ。兵士達はすみかに武装解除に応じたかね?」

「は!一部反抗的な態度をとりましたが、直ぐに制圧しました」

どうやら、概ね平和的に武装解除出来たようだ。まあ、一部反抗的な行動は想定の範囲内だ。マルギッテ少尉の実力ならば問題なく対応出来るしな。私は彼女に下がって良いと言おうとしたが、マルギッテ少尉が何やら私に耳打ちしてきた。

「閣下。敵兵の数が事前調査の段階よりも、大幅に少ない気がします。敵の抵抗も散発的でした事を考慮しますと、大部分の兵力が何処かに移動した可能性があります」

「なに!分かった。ならば、早速聞き出してみるとしよう。少尉は急いで調査を続けてくれたまえ」


「は!了解しました」

一礼してマルギッテ少尉が司令部から退室して行く。私は敵司令官と向かい合う。敵司令官は椅子に座り、静かに私を見上げる。

「司令官殿。我々は当基地を制圧した。だが、我々の想定よりも兵員が少ない様だが、その兵士達は何処に行ったのかね?」

「ふ。私が簡単に話すと思うかね?まあ、最も政府軍内では切り捨てられた立場だ。今更、私が話した内容が戦局に影響しようと構わないさ。中将殿の質問の答えだが、この基地には基地に所属していた兵員の1割しか残っていない。残り9割は全員配置転換されたよ」

基地司令官は力無さそうにそう言って、肩を落とす。私は続けて質問する。

「配置転換?何故かね?海軍の兵士達では陸戦は然程得意ではないはずだが?」

「反政府グループを攻撃するために有効な場所にある、破棄された飛行場の再建にまわされたんだ」

「(いかん!?もしかしたら、飛行場制圧に向かった部隊が窮地に陥る可能性が出てきた!)なに!?何時、移動したのかね?」

私は嫌な予感がしたが、努めて冷静に司令官に訪ねる。彼から返ってきた一言は最悪の事態を告げるものだった。

「昨日の夜だ。この基地が強襲される数時間前のはなしだ。今頃破棄された飛行場に到着する頃だろう。元々、再建の為に駐屯した部隊と合わせれば1万に近くになるはずだ」

「そうかね。分かった。貴重な情報をありがとう。君!彼等を捕虜収容施設に案内したまえ。くれぐれも丁重にな」

「は!司令官殿。此方に付いてきてください」

基地司令以下司令部要員達が部下達に護送されて、司令部から出ていく。私は手の空いている部下にマルギッテ少尉を呼んでくるように伝えてから、地図を見ながら思案を巡らせる。

(さてどうするか。基地の制圧は完了している。今、直ぐに動かせる部隊は我が部隊のみ。だが、飛行場に駐屯している敵との兵力差は5倍か。友軍の増援を待って飛行場の制圧を行えば味方の被害は最小限に押さえられるが、傭兵部隊を見捨てることになる。逆に、手勢で救援に向かえば傭兵部隊を救出できるが、此方の被害も拡大する)

どちらも一長一短だ。傭兵部隊が壊滅的損害を受ければ、傭兵部隊を用いた特殊作戦は一切出来なくなる上に、優秀な人材の多くを失うことになる。逆に救出に向かえば、我が部隊に甚大な被害をもたらし、作戦行動そのものに悪影響を与えかねない。

(うむ~。せめて、悠斗君が本気で戦ってくれていれば、直ぐに救出に向かうのだがな)

悠斗君が本気を出せば戦略を戦術でひっくり返してしまう。彼ほど最強の兵士と呼ぶに相応しい漢はいないだろう。私が悩んでいると、無線機を背負った通信兵が私の傍にやって来た。

「フランク中将!司令本部より通信が入っております!」

「ん?なに、司令本部から通信だと?直ぐに繋いでくれ」

私は受話器を手に持って耳に当てる。私が本部から受けた通信内容は私の想像以上の内容だった事と、私の決心を固めるに相応しい通信だった。




フランク・フリードリヒsideout



カニスside



敵の基地司令部の建物に突入した俺達だったが、敵の待ち伏せを受けて戦力を分断されちまった。 銃を敵の攻撃によって紛失してしまった俺だが、分断された悠斗が僅かな壁の隙間から、自らの武器を俺に渡してくれたおかげで何とかなってるが、状況は最悪だ。

「カニス!メイの状態はどうだ!」

「気絶してる!オマケに銃も使い物にならない!」

敵のRPGの爆発を回避するために左右に飛んだ俺達だが、メイは爆風で飛ばされた衝撃で気絶している上に、メイの使っていた重機関銃も壊れて使用できなくなっていた。俺は壁に背中を預けて、物陰からHK50を発射して弾幕を張る。敵も、ガトリング砲とその付近を固めている兵士がアサルトライフルで反撃をしてくる。俺は廊下を挟んで反対側のロイ曹長に話しかける。

「ロイ曹長どうする?悠斗とは分断された上に、メイは気絶してる。このままじゃ、ジリ貧で死ぬか降伏するしかなくなる!」

「踏ん張るんだカニス!必ず悠斗が助けに来るはずだ!暫く耐え凌ぐんだ!」
「悠斗が救援に来ると言っても、悠斗は拳銃しか持ってないから無理なんじゃ!」

俺に自分の使っていたHK50を渡してる為、悠斗が装備してるのは拳銃位なもんだ。俺がそう言うとロイ曹長は静かにに笑った。

「なに。悠斗が拳に切り替えたなら間違いなく勝つさ。なんせ」

ドゴーーンと大きな爆発音と共に室内が揺れる。爆発音が数回に渡り辺りに響く。敵も物陰に隠れて待機する。俺達も透かさず物陰に隠れてマガジンを交換して即座に動けるように待機する。 大きな衝撃音と共にパラパラと天井から埃が落ちてくる。敵も俺達も何が起きてるのか分からずに膠着状態に陥った。

「(なんだ!?まさか、味方の爆撃だとか言うなよ!?俺達が巻き添えになる!)ロイ曹長。何事なんだ!?まさか、味方の爆撃か!?」

「いや、違う。爆撃なら絶え間なく振動が来る筈だ。何か、大きな爆発が起きている様だな。くそ!外の状況が分からんから判断がつかない。カニス、メイから離れるな!状況によっては背負って脱出する」

ロイが此方にやって来た。敵の弾幕が途切れていたため、容易に此方にやって来れた。ロイがメイの状態を確認しようとした次の瞬間、とてつもない大きな爆発音と共に室内が埃と煙に包まれた。
俺達は壁を背にしていたが、埃と煙が辺りを包み込んだせいで視界が一気に悪化したため、辺りを視認できない上に埃と土煙のせいで呼吸がしにくい状況に陥った。

「ゴホ、コボ!な、何が有った!?直撃弾か!?」

ロイが噎せつつ叫ぶ。土煙で視界不良の中何とか辺りを確認しようとすると、突然煙が晴れてゆく。顔を上げると俺達が入ってきて、敵に崩落させられた入口の瓦礫が吹き飛んでいた。

「ロイ曹長!よく分からないが入口の瓦礫が無くなってるぞ!」

「なに!……よし!脱出するぞ!メイは俺が担ぐからカニス、援護してくれ!」

「了解だ!」

煙が瓦礫の無くなった入口から勢い良く抜けてく。少しずつ視界が開けてきた。俺は壁越しに廊下を覗き敵の方を確認する。出来れば敵が攻撃して来る前に脱出したいところだ。煙が晴れてゆくと俺の目に飛び込んできたのは、敵のガトリング砲が完全にくの字になり使い物にならなくなっているのと、そこに居た敵兵の死体が無数に床に転がり、その先に生き残りと思われる敵兵が蒼い髪の男に片手で持ち上げられている姿だった。

「カニス?どうした?敵はどうなっているんだ?」

「し、しし、死んでる!蒼い死神に殺されてる!」

「なにを言って……悠斗!?無事だったのか!?」

ロイ曹長がメイを背負って廊下に出る。その姿を見た悠斗が敵兵の死体を放り投げ、俺達の元に走ってきた。

「ロイ、カニス、メイ!3人とも生きてるな!」

「ああ!メイは気絶してるが、俺とカニスは無事だ!悠斗、外の爆発音はなんだ!?友軍の空爆か?」

「いや、俺が少々気を使って吹き飛ばしただけだ。敵の増援部隊は壊滅させた。基地司令部も制圧したから、もう大丈夫だ。後は友軍部隊の到着を待つだけだ」



その言葉に安堵した俺は、壁を背に地面に座り込んだ。先程まで興奮していたせいで気がつかなかったが、身体中に汗をかいていたらしく服がベットリと肌にくっついていた。服には埃も付いていたためかなり汚くなっていた。ロイ曹長と話をしていた悠斗が外に向かって敬礼していた。その姿を眺めていたが、体が鉛の様に重くなり眼を開けているのが辛くなってきた俺はそのまま襲ってきた睡魔に身を任せて意識を失うのだった。




カニスsideout



その後、この基地の制圧と海軍基地を制圧したことを足掛かりに、政府軍と反政府軍及びNATO軍は本格的な進撃を開始した。この国が春を向かえるのにはもう少し時間を要するのだった。 
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