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転生者とマテ娘と日常?

作者:マテ茶
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謎と疑惑と入学式と

 
前書き
「」…通常会話
『』…デバイスの発言
[]…念話 

 
「いてぇ…」


あれから俺を殴り飛ばした犯人に説教をし、皆で朝食を食べ家を出た。


「確かにそれはレヴィが悪いですね。今日はおやつを抜きにしましょう。」


俺の隣で歩きながら罰を口にしたのは三崎シュテル。どこぞの白い悪魔さんにそっくりだが、彼女と違いシュテルはとても落ち着いている。因みに頑固な所はそっくりだと言ったとき、物凄い勢いでオハナシをさせられた。何でだ?


「我もシュテルと同じだ。勝手に部屋に入って殴り飛ばすとは何事だ。」


憮然とした態度で腕を胸の前で組むこの独特なしゃべり方の少女は三崎ディアーチェ。
最初に出会った時は、我を崇めよ!讃えよ!等と言っていたが、今はそんな事はない。
俺と一緒に台所を支える、良きパートナーだ。



「ひ、酷いよシュテるん!王様!だいたい王様がアキラを起こしに行けって言ったんじゃないかー!」



自分が責められ納得がいかないと言わんばかりに抗議をするのは三崎レヴィ。
俺達家族の元気っ子担当であり、やんちゃ盛りな子である。
因みに一番発育が良い。ここ、重要だからな?



「あーもー!折角の新学年なんだから喧嘩すんなよ!俺はもう気にしてねぇから!な?」
「ん…アキラがそう言うなら、気にせぬことにする。」
「はい、わかりました。」


素直に頷いてくれるシュテルとディアーチェ。


「アキラー!アキラなら助けてくれるって思ってたよ!ありがとー!」


ぎゅむっと後ろから強く抱き付くレヴィ。
勿論二つのお山が背中に当たるわけで…。するとディアーチェは此方を睨んできた


「あのー、ディアーチェさん?どうしてそのような怖い顔してるんでしょうか?」
「アキラ。お前もおやつ抜きだ。」
「ちょ!?何故俺まで!?ってかレヴィも離れろ!」


抗議をしながらレヴィをひっぺがす。
むくれるレヴィを尻目に、俺はさっきから黙って思案しているシュテルに話しかけた。


「シュテル、考え事か?」
「はい。確かナノハ達も聖祥大附属でしたよね?」
「ああ、小学生の時から一緒だからな。それがどうした?」
「いえ、エスカレーター式の学校なら、ナノハ達も居ますよね?良く良く考えれば、私達と会うのは不味いのでは…」


「……あ。」


忘れてたー!そうじゃん!あいつらと同じ学校ってマジ不味いじゃん!


「い、今からでも別の学校に編入を…」
「落ち着くのだアキラ。今から出来るものでもあるまい。」


慌てる俺に見かねたディアーチェが突っ込む。


「ナノハ達に聞かれたら、私達はアキラの遠い親戚と言うことにしましょう。」
「まあ、それが一番であろうな。」
「幸い僕たちにはリミッター着いてるから、魔力が漏れること無いしね?」
「お前ら…」


そう、俺達は管理局に見付からないように、リミッターをかけて生活している。
下手にバレて管理局入りを強制されたくないからだ。
特にディアーチェ達は、プログラムから神様の奇跡というトンデモパワーで人間になったのだから、研究材料にされる可能性が高い。

その事を考えずに、一緒に居たいからと同じ学校に入学出来るようにしてしまった。


「…もしあいつらが何かしてきたら、必ず言えよ?何とかするからな?」

「「「はい(うむ)(うん!)」」」


そんな事を話している間に、聖祥大附属中学に到着した。
俺達は直ぐに、クラス割が張り出されている掲示板へと向かい、自分達のクラスを確認する。


「えーと…俺はAか…。」
「私もAですね。」
「我もAだな。」
「僕もAみたいだね。」


まさかの三崎家全員集合だった。
後の面子を確認すると、管理局の魔導師組とその友人も同じクラスのようだ。



「さて、面倒な奴等も居るが、頑張っていきますかな。」


一人ごちるように呟くと教室に向かう。
教室に向かう途中、周囲の視線が何やら鋭かったが多分ディアーチェ達の傍に居る俺を睨んでたんだろう。三人とも可愛いからなぁ…。


「何やら視線が凄いな…女子も男子も…」
「男子からは凄いけど、女子はそうじゃないけどさ。」
「……アキラは鈍感です。」


シュテルが何やら小さく呟いていたが、俺には聞こえなかった。









「三崎アキラ。好きなものは甘いもの。嫌いなものはうざったい奴、宜しく。」


入学式も終わり、HRにての恒例自己紹介。適当に自分の事を説明し、椅子に座る。
後ろのシュテルに背中を突かれたが気にしない。実際、鬱陶しいのは嫌いだ。


他の人達も自己紹介を終えると、やはり注目が集まるのがディアーチェ達だ。何せ高町、ハラオウン、八神そっくりな人間が同じクラスに居るのだから、騒がれるのは当たり前だろう。
三崎家三人娘は、彼女達とは関係ない、家族はアキラだけだと言い関係を否定していた。





「暁くん、ちょっと良いかな…?」

今日は入学式とHRだけで授業が終わりなので、直ぐに帰宅できるように支度をしていると、不意に高町に声をかけられた。


「ん?なんだ高町?」
「シュテルちゃん達の事なんだけど…」


高町の方を向くと、八神とハラオウンも居た。
やっぱりこいつらは納得いってなかったか…。
俺はウンザリと言わんばかりに溜め息を吐くと、めんどくさそうな態度を隠さずに告げた。


「何度も同じ質問ばっかでウンザリなんだが…」
「ご、ごめんね暁くん。でも、ハッキリさせておきたいから…」
「ハッキリって、何を?」


少し語気を強めて言うと、高町はすくんでしまった。
俺の事を一般人だと思っているから、魔法関係の事件…特に、ディアーチェ達の出生に関わる闇の欠片事件を話せる訳がない。
俺が暫く軽く睨み付けていると、今度は八神が変わって話しかけてきた。


「そんなに怒らんといてや。わたしらのそっくりさんやから、ちょお気になっとったんよ。」
「ま、確かにそっくりだな。だからどうした?」
「いやいや、暁くんら全員あんまり似とらんやろ?もしかしたら、両親が預かってんかなーって…」
「ああ、俺両親居ねえから。」


何の気なしに放った言葉に空気が凍る。すると、クラスの男子勢が俺の回りに群がってきた。


「てめーこんな可愛い子達と親抜きだ同棲だと!?」
「単なる家族だ!」
「親が居ないことを良いことにあんな事やこんな事を…」
「んな事する変態じゃねーよ!」
「みんなー!こいつの処遇はどうするー!?」


「「「「「「「私刑に決まっている!!!」」」」」」」


コイツら怖ぇぇ!あれか、空気が凍ったのは両親が居ないと言う発言より、それが露見したことにより親戚の可愛い子達と同棲状態にあると発覚した事実による男子の嫉妬か!?


「落ち着けってお前ら!だいたい俺は家族相手に欲情したり、あんな事やこんな事しようとなんて一度も思った事はねぇよ!!」


「「「「「「「嘘だ!!!」」」」」」」



全員揃っての大声量&艶消しの目。もう嫌だ…。
これ以上何を言っても無駄だと感じた俺は、手早く鞄をひっ掴むと捕まらないように窓際に逃げる。その際、ディアーチェ達にアイコンタクトを送るのも忘れない。
頷いたのを確認すると、俺は窓枠に立ち振り返り野郎共を見た。全員間抜けな顔をして俺を見てる。


「みんな、また明日な?」


ニヤリと笑うと窓から外に飛び出す。因みに此処は三階だ。
俺は空中で体勢を整えると、綺麗に着地をしそのまま学校を後にした。
男子達のおかげで、高町達の話はうやむやになった。ちょっと感謝したのは秘密だ。







Side ディアーチェ


「やれやれ、無茶苦茶な事をするな。」


溜め息を吐きながらシュテル達を連れて帰る。
我等はアキラの靴を持ち、家を目指していた。


「王、アキラは無事なんでしょうか…」



あわあわと慌てるシュテル。こやつのこの様な感情を面にした姿を見るのは珍しくない。
これも、アキラと暮らすようになってからだ。良き傾向にあるな。


「アキラは大丈夫だよ、シュテるん。一度僕を抱いたまま四階くらいの高さから着地しても無事だったんだから!」


レヴィが嬉しそうに喋る。
そう、あやつは我等と初めての出会いの時危機に瀕しておったレヴィを助け出したのだ。…姫抱きで。
その時の真剣な表情はレヴィの心を射抜いたらしく、思い出しては悶えている。我だってやってもらいたいぞ!



「レヴィ…オハナシしましょうか?王、先に帰ってください。」


シュテルから発せられる黒いオーラに怯えるレヴィ。


「シュテル、程々にしておくのだぞ?それと…我を王と呼ぶのはもう止めよ。」
「王様止めないの!?」
「…やはりナノハ達に気付かれるからですか?」
「それもあるが、我はもう王ではない。ただの三崎ディアーチェだ。それに、我等は家族だ。」


我は空を見上げながら呟き、振り替えると笑顔を浮かべる。


「家族相手に王等とは言わぬであろう?」
「…臭すぎです。」


真顔で返してきおった。折角我が決めたというのに…こやつは…!


「ですが、確かにそうですね。ではもう王とは呼びませんよ?ディア。」
「じゃあ僕も!ディアー♪」


シュテルに続いてレヴィも我の事を愛称で呼んでくる。な、何だかくすぐったいな…。


「よし!では帰るか!」

「「はい!(うん!)」」


皆で一斉に走り出す。我等は笑い、じゃれあいながら家路に着いた。





Side ディアーチェ…end





Side 暁






『マスター、随分騒がしい学校ですね?割りとお坊ちゃん、お嬢様学校だった筈では?』
[んー…その筈なんだけどな…]


俺はバルディオンと念話をしながら、人通りが少ない場所を選び家を目指していた。
俺、現在上履きのまま下校。誰かに見付かれば事情を聞かれる事間違いなし。


『それにしても、やっぱり管理局組が動いてきましたね。』
[まあな…でも、何とかなるさ。俺達は管理局に従属するつもりも無いしな。]
『何処までも御供しますよ、マスター。そして何時かはマスターと……あたっ!』


こいつは本当にデバイスかと思うくらいに感情が豊かだな。
姿があれば悶えているであろう相棒に軽くでこぴんを喰らわすと、人の気配を感じて振り返る。
俺の視線の先には、高町達が居た。皆で楽しそうに話しているところを見ると、俺には気付いて居ないようだ。
幸い俺の家は近くなので、バレないように急いで家に入る。玄関で上履きを脱ぐと、洗うために風呂場に持っていった。


「サーチャー、飛ばされてるな。」
『はい、流石に家の中までは飛んでませんが…』
「やれやれ、管理局にはプライバシーってもんが無いのか?」


だから嫌いなんだよ…とバルディオンに愚痴りながら風呂場で上履きを洗い干す。
サーチャーをどうにかする方法を考えながら皆が帰って来るまでに夕飯の支度を済ませようと台所へ向かった。




 
 

 
後書き
どうも、マテ茶です。。
今回は中学の入学式、管理局組との邂逅、そして男子からの逃走劇と、イベント沢山でやってみました。
正直詰め込みすぎたかなと後悔してます…。

さて、今回は三崎暁君の簡単な容姿についての説明と、インテリジェントデバイス[バルディオン]の形態についてお話したいと思います。

先ずは暁君の容姿について。
一般的にイケメンと呼ばれる顔立ちをしています。背格好はマテリアルズ達より少し高く、鍛練のおかげで引き締まった体をしています。
そして何よりも特徴的なのが髪の毛です。先天性のアルビノで、真っ白です。銀髪に見間違えるほどの白です。
通常時の髪型は普通のセミロングですが、セットアップ時は….hack//シリーズの死の恐怖さんを思い浮かべて頂ければ良いかな…と。まあ、デバイス形態事態が彼を模倣していますので…。

次にデバイスの形態についてです。
通常のバリアジャケットはハセヲ1stと同じく軽装です。デバイスは槍になります。次々回位にお披露目になるかと…
残り三つほどフォームがありますが、今はまだ明かしません。ぶっちゃけ考えていなかっ…ゲフンゲフン、お楽しみです。

それではこの辺りで。次回お会いしましょう。
マテ茶でした。
 
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