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魔法少女リリカルなのは 月光の軌跡

作者:ブレイア
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第3話 契約そして訓練

時は過ぎ、使い魔の本契約の日

足元に輝く魔方陣の上でフェイトとアルフは向き合っていた

「汝、使い魔アルフ。主フェイトとの契約の下、以下の制約を遵守し、履行せよ。
その四肢と心を持って自らが望む、満足できる生き方を探し、それを行え
いかな地にあっても、主と遠く離れても、命が尽きるまで、その制約を胸に」

フェイトが言の葉を紡ぐ

「我、使い魔アルフ、狼の血と誇りに懸けて、フェイトの体と心を守り、その身に訪れる災厄を、この手で振り払うことを誓う」

アルフが言の葉を紡ぐ

「使い魔アルフ」

フェイトが

「主フェイト」

アルフが

「「今、ここに契約を」」

2人の声が重なり、魔方陣の光が強くなる
そして、その光が収まったとき
リニスと月斗の拍手が2人に聞こえた

「おめでとう、契約成立ですね」

「感覚的にはあんまり変わらないかな?」

「うん」

「感覚的には変わらなくても、結構変わってるところがあるぞ。例えば精神リンクの強化とか、魔力資質の受け渡しとか」

月斗の言葉にアルフは首をかしげる

「勉強すれば。ある程度私と似たような魔法が使えるようになるんだよ」

「それかっこいい! 勉強する!」

「明日から生徒が2人ですね、ビシビシ行きましょう」

どこかうれしそうにリニスが言った

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それから少したったある日
アルフの初めての魔法戦訓練の日
フェイトとアルフは外に出ていた

鼻歌を歌うアルフにフェイトはクスッと笑って

「アルフ、なんだか楽しそうだね」

「そりゃあね、本契約をしてから初めての魔法戦訓練だし、アルフはすごいんだぞーてリニスをびっくりさせたくてさ」

「そうだね、今日は一緒にリニスをびっくりさせよう」

そう言って2人は笑いあった
ちょうどその時、リニスの声が聞こえた

「フェイト! アルフ! すみません、お待たせしました」

2人が声のほうを見るとリニスと月斗が走ってきていた

「リニスおそーい」

アルフが口を尖らせる

「だからすみませんと言ってるじゃないですか」

「リニス、なんで月斗までいるの?」

「実はですね、魔法戦訓練はさすがに1人では目が届かないと思って月斗に手伝いをお願いしたんです」

その言葉に驚いた表情をする2人
それも当然だろう。今まで家事ばかりをしていて魔法戦など出来ないと思っていたからだ

「月斗って魔法戦…できたの?」

「試してみるか?」

月斗が言う

「そうですね、まずは私と月斗の模擬戦を見てもらいましょうか

そう言ってリニスは杖を取り出す
月斗は銀色の三角形をしたプレートを取り出す

「危ないから離れていろよ」

月斗に言われ、フェイトとアルフの2人は離れた場所に行く
リニスが結界をはり外への被害が出ないようにして環境を整える

「久しぶりの戦闘だ、行くぞ! アルテミス!」

《スタンバイ レディ》

「セットアップ!」

月斗は銀色の光に包まれ、それが晴れると白い斧の形をしたデバイスを握った月斗がいた

「デバイス!」

フェイトが若干興奮した様子で言う

「月斗、準備はいいですね」

リニスは空に上がりながら言う

「もちろんだ」

月斗も空に上がりながら言う

「制限時間は3分。それでは、参ります!」

刹那、2人の間で爆発が起こった

「ジェットスマッシャー!」

「フォトンランサー!」

二つの直射型魔力弾がぶつかり、爆発する

「はあ!」

月斗はそのデバイスで切りかかるがリニスは杖で受けとめる
そして2人は互いに距離をとる

「ソードバスター!」

アルテミスの先端から銀色の砲撃が放たれる
リニスはそれを避ける

「ソードバスター!」

直射型の砲撃が再びリニスを襲う

「マルチディフェンサー!」

リニスは各シールドごとにそれぞれ防御性質が異なる複数のシールドを展開
月斗の砲撃は5層のディフェンサーのうち4層を破壊するだけに終わった

「セイバースラッシュ!」

リニスはお返しとばかりに3つの光輪を放つ
それを月斗は縦方向にUターンし高度を上げることで回避した
リニスは月斗とは逆方向の旋回をしながら切り返すように飛行する
2人は減速しつつ相手の前に出ないよう、飛行する
その光景はハサミの動きのようである
そして、再び接触、離れては接触を繰り返す

そして、3分が経過し、引き分けで終わった
2人は同時に地面に降り立った

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「あー、クソッ結局一撃も当たらなかった。持久戦になれば勝てるのによ」

「今回は時間制限に助けられましたね」

2人は着地しながら言った
それを呆然と見ていたフェイトとアルフに月斗がチョップをする

「いた!」

「痛いだろ! なにすんだ!」

「チョップ」

何を言っている?といった感じで返す月斗
それを見かねたリニスが割ってはいる

「はいはい、そこまで。今からお2人に問題を2つほど出します。しっかり答えてくださいよ」

「「はーい」」

2人は声をそろえて返事をする

「じゃあ、第一問は月斗、お願いします」

「了解。じゃあ第一問。俺がリニスのセイバースラッシュを避けたときの機動、あれの事をなんと呼ぶか」

「はい!」

そう言って手を上げたのはフェイトだ
アルフは分からないのか頭を抱えている

「インメルマンターンです」

「正解です。では、次の問題、月斗がインメルマンターンをした後に私と月斗が行った軌道、あれの事をなんと呼ぶか」

「はいはい、はーい!」

そう言って元気良く手を上げたのはアルフだ
フェイトは自信満々のアルフに回答権をわたすように上げていた手を下げた

「はい、アルフ」

「ハサミ軌道!」

えっへんと胸を張るアルフだが

「おしい、フェイトどうぞ」

「えっと…シザース軌道…かな?」

「正解です。通常空戦では、相手の後方をとった方が有利になるのが常識ですね、 このため、二者がお互いに逆方向の旋回をしながら切り返す機動を行い、両者とも減速し相手の前に出ない機動を行う事をシザース軌道と言います。2問とも正解、さすがはフェイトです」

リニスにほめられ頬を少しだけ赤く染めるフェイト
おそらく照れてるのだろう
それに比べてアルフは
2問目はおしかったとはいえ全問不正解のアルフはどんよりとした空気をまとって落ち込んでいる
そこに月斗が歩み寄り、アルフの耳元でささやく

「アルフ、こんな言葉を知ってるか? “使い魔の失態は主の失態”」

ビクンとアルフの体がはねる

「このままじゃあ“フェイトの体と心を守り、その身に訪れる災厄を、この手で振り払う”ことも出来ないぞ」

アルフは顔を上げて月斗の顔を見る
その目には涙をあふれていた

「そんなのはいやだろ?」

こくんとアルフは首を縦に振る

「よし、なら話は早い。これからの魔法戦訓練、俺に一撃を入れてみろ。それが出来ればきっとフェイトの役に立つ」

「ほんと?」

「もちろんだ。お前たちのお世話係を舐めるなよ?」

そう言って月斗はリニスとフェイトの元へと歩いていった

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その後、フェイトはリニスに魔法戦の訓練を、アルフは月斗に一撃を入れるために離れた場所で戦闘訓練をしていた

「やあああ!」

アルフの拳が月斗のバリアに阻まれる
それにもお構いなしに魔力付加をした拳で月斗のバリアを叩く

「ただ単に叩くだけじゃダメだ! 拳に意思をこめろ! その程度じゃこのバリアを破るのは無理だぞ!」

「こん...のお!」

アルフの右手の拳がバチバチッと帯電する
そしてそれを力任せに叩きつけるが月斗のバリアはびくともしなかった

「まだ甘い! 魔力が無駄に分散してるぞ! それじゃあただの魔力の無駄遣いだ!」

「はあ、はあ、はあ、っうりゃああああ!」

開始から30分、アルフは肩で息をしながらも負けじと魔力をこめた打撃を月斗のバリアに叩き込む
この訓練は40分で終了となった

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初の戦闘訓練から数ヶ月、冬も深まるころにはアルフの手足も伸びて

「うりゃあああああああああ!」

バチバチ!

「っく」

「てりゃあああああ!」

バリイイン

「すごっ」

「あははは。見たか! 必殺パンチ!」

「こっこのバカ力…!パンチでバリアを砕くとは」

リニスが驚いたように言う

「えへへ、鉄拳無敵!」

胸を張って言うアルフの頭にチョップがとんだ

「いったぁ~」

あまりに痛かったのでアルフはうずくまる

「そういうことは俺に一撃を与えてから言え」

AAランクのリニスのバリアを拳1つで破壊したアルフでもいまだに月斗のバリアを破ることは出来ないでいた

「ま、この数ヶ月でアルフは魔力を固めたり圧縮するのがうまいってのが分かったし、身体能力も高いし、結界系の魔法を身につけていけばフェイトのサポートとしてはまずまずだな」

「まずまずじゃダメ! 超スゴにならなくちゃフェイトを守れない」

「まずは俺のバリアを破ることからだな」

「月斗のバリアは硬すぎるんだよー!」 
 

 
後書き
使い魔契約の話をする二次って他にあったっけ 
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