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魔法少女リリカルなのは 月光の軌跡

作者:ブレイア
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第4話 別れのトキ

雪が溶けるころ、アルフの身長はリニスを追い越すほどになった

ガツガツガツ
ご飯を撒き散らしながら食べるアルフを見てリニスと月斗の2人はため息をついた

「全く、格好ばっかり大きくなって」

「魔法戦は順調なのに…」

はあ、と家庭教師とお世話役の2人はため息をつくのだった

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それから少しの日がたち、デバイスルーム

「これがフェイトの杖、まだ製作中ですけどね。フェイトの要望どうり待機状態とデバイスフォームは月斗のアルテミスをモデルにしています」

「ありがとう、リニス」

《ゲット セット》

「喋った?!」

フェイトがびっくりしたように言う

「そりゃあ喋りますよ。インテリジェントデバイスなんですから。それに月斗のアルテミスも喋りますよ?」

「そうなんだ」

その時、フェイト達の後ろで扉が開く音がした

「この後俺が見せる魔法を習得する頃には完成するだろ」

「月斗!」

フェイトに名前を呼ばれ「よっ」と軽く手を上げて返事をする

「実はこのデバイスの製作には月斗も関わってるんですよ」

「そうなの?」

「まあな、さて、フェイト、このデバイスの簡単な説明なんだがこのデバイスの魔力運用方式はダイレクトブースト方式って言って術者の魔力出力をデバイス側で強化・加速することをメインとした方式なんだ」

フェイトとアルフは分からなかったのか小首をかしげる

「つまり元々の力を強くする方式と言うことです」

リニスが助け舟を出す
フェイトとアルフは理解できたのか納得したような表情になる

「じゃ、外の準備は出来てるから用意が出来たら念話でも飛ばしてくれ」

「分かった」

そう言って月斗は部屋から出て行った

「結局何がしたかったんだい? 月斗は」

「デバイスの魔力運用方式の説明と外の準備が出来たことを伝えにきたのですよ」

「そっかあ」

「さ、準備をして、早く月斗のところに行きますよ」

「「はーい」」

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「よし、2人とも着いたな」

月斗はフェイトとアルフを見ながら言う

「今から見せる魔法は雷撃系の高位魔法だ。危ないから離れていろよ」

「とりあえず私のそばまで来てください」

月斗とリニスに言われ、月斗から距離をとる2人

「行くぞ」

月斗は右手を前に出す
足元と右手の前に銀色の魔方陣が出現する
月斗の周りにバチバチと銀色の電気が走る

「アルカス・クルタス・エイギラス。黒金の閃光よ、振り来たりて眼下の敵を討て…」

月斗から放出される電気がフェイト達の下にまで伝わる

「凄い…」

フェイトは無意識の内につぶやいた

「2人とも、耳をふさいで、轟音がきますよ……!」

3人は耳をふさぐ

「バルエル・ザルエル・ブラウゼル、突き立て、雷光の剣…! サンダーレイジ!!」

刹那、轟音と閃光が辺りを包む
轟音が鳴り止み、閃光が収まるとフェイトとアルフが目にしたものは2人の想像を絶するものだった
そこには月斗が突き出した右手の先は抉れた地面、焼け焦げた草木、未だに体から電気が走っている月斗の姿だった
月斗は「ほう」と一息つき、フェイトの方を向く

「フェイトには今見せた雷撃系の高位魔法、【サンダーレイジ】を習得してもらう。指導はいつもどうりリニスにしてもらうからな」

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時は過ぎ、夏が終わる頃
月斗とアルフはいつもどうりの訓練をしていた。いつもなら一度も攻撃が通ることなく終わってしまうのだがこの日は違った

「はああああああ!!」

「っく」

一撃目、月斗のバリアにひびが入る

「でえやああああああ!!!」

二撃目、月斗のバリアを砕く

「てえりゃああああああ!!!!」

三撃目、アルフの右手の拳が月斗の顔面をとらえる

月斗の体は吹っ飛び、近くにあった木に背中を叩きつけられる

「だっ大丈夫かい!?」

月斗はケホと咳込みながら立ち上がり、アルフの方を見る

「お見事、絶対命中の三連続打撃魔法【バリア・ブレイク・アングリフ】の完成だ」

「なっなんだい? そのバリアなんとかって」

「古代ベルカから現代に伝わる神話上の打撃魔法だ」

その時、フェイトとリニスのいるほうから轟音が響いた

「おっと、向こうも最終課題の完成だな」

「フェイト…!」

「行ってやれ」

「うん!」

そう言ってアルフはフェイトの方へと走り出した
1人残った月斗は空を見上げてつぶやく

「もう…お別れか……」

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フェイトは自室のベッドで横になっていた

「大丈夫かい? フェイト」

「うん、凄く疲れてるけど、なんだかいい気分」

「ん、アタシもうれしい、さすがは私のご主人様だ」

「…でも、こうしてみると、月斗ってすごいね」

「確かに…ね」

フェイトはサンダーレイジを一回撃っただけでかなりの疲労感に見舞われているのに同い年のはずの月斗は1回撃ってもなんの変化も無かった
思い返せば月斗は年齢不相応なほどに魔法戦に長けていた
AAランクのリニスを相手にしても一歩も引けをとらず
リニスのバリアを砕くほどのアルフの一撃を軽々と受け止めるほどの強固な防御魔法
2人は見たことは無いが探査魔法も行使した
フェイトとアルフが月斗はいったい何者だろうか? と頭を抱えているとコンコンとドアをノックする音がした

「フェイト、アルフ。晩御飯が出来たぞ」

「噂をすれば影」とはこの事か
2人が話していた話題の月斗が来た

「「はーい」」

2人は返事をして部屋ドアを開ける

「今日はリニスの計らいでビックリするような趣向がある。リニスからの伝言で“フェイトは服装をかわいい服を着て髪とリボンをしっかり整えてから食堂に来てください”だそうだ」

フェイトは疑問符を浮かべながらも頷いた

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月斗に連れられ、フェイトとアルフは食堂へと向かった
そこにはリニスと紅茶を飲むプレシアの姿があった

「…! 母さん…!」

「リニスから聞いたわ、課題を全てクリアしたって」

「はっはい」

フェイトは緊張しながら答える

「今日はそのお祝い。一緒に食事をしましょう」

プレシアのその言葉にフェイトは顔を輝かせる

「はい!」

そう言ってフェイトはいすに座った
それを見ていたアルフがリニスのそばで言う

「あの人も母親らしいとこあるんだ」

「親子ですからね」

「それでも、あのときみたいな食事にはならなさそうだな」

月斗がポツリと呟く

「あの時?」

リニスが聞くが月斗は「なんでもない」と返すのだった

「そんなことよりリニス、あのこと、言わなくていいのか」

「あ、すみません」

「あのこと?」

アルフが疑問符を浮かべる

「ええ、実は今夜から少し遠出をしなければなりません」

「あれ、そうなの?」

「フェイトにもあなたにも、教えられることは何も無いですしね。何か聞きたいことがあったら、そのときは月斗に聞いてください」

「んーー」

「あなたがいれば、フェイトはもう大丈夫だから」

「そうかな?」

「そうです、自信を持って」

「そうだ、それに【バリア・ブレイク・アングリフ】を完成させた使い魔なんて次元世界中を探してもお前くらいのもんだ、自身を持て」

リニスと月斗に言われ、アルフは力強く頷く

「それと、後でフェイトに私の部屋に来るように言っといて。私からの贈り物があるからと」

「うん」

「それじゃあ、行きますね」

「リニス、俺も一緒に行ってもいいか?」

「部屋までならいいですよ」

アルフは食堂から立ち去るリニスと月斗の後姿を見送るのだった

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リニスと月斗の2人はリニスの部屋に来ていた

「さて、私は、私の成すべき事は全て終えました。気がかりや心残りは山ほどありますが。役目は終わってしまったのですから、素直に舞台を降りましょう」

リニスは机の上に置いているフェイトのデバイスをなでる

「フェイトの杖、私は消えてしまうけど、想いと意思は、この子に残して」

デバイスのコアが点滅する

「バルディッシュ、闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧、私の願いを……こめた杖」

リニスは涙を浮かべた瞳で窓の外に映る三日月を見上げる

「ねえ、プレシア、私、あなたに嫉妬してたんですよ。フェイトが…私の子供だったらいいのになって。そしたらこの手で抱きしめて、うんと可愛がれたんです。……だけど、プレシアの使い魔だったから、フェイトに、アルフに出会えていなかった。……だから…嫉妬より、感謝のほうがちょっぴり多いいんです」

すでに、足元が光の粒子となって消え始めていた

「おやすみなさい、優しい月斗、可愛いアルフ、愛しいフェイト。さよなら、私の意地悪で偏屈で、ちっとも優しくないご主人様。バルディッシュ、あの子達を…よろしくね」

それだけを言い残してリニスは光の粒子となって消えた

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「リニス、渡したいものって何…ってあれ? リニスは?」

「フェイト…リニスは…もう行ったよ、急ぎの用だったらしい。贈り物は預かっている」

そう言って月斗はフェイトのデバイスをフェイトに手渡す

「これが……?」

「それがリニスと俺の最高傑作、闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧【バルディッシュ】だ」

「重い……でも…温かい…」

バルディッシュのコアが輝く

「よろしくね…バルディッシュ」

《イェス サー》

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月斗はその日にすることを全てやり終え、自室に戻った
自室の机の上には手紙と、リニスの杖が置いてあった

月斗は真っ直ぐ机へと向かった
手紙を手に取り、文面に目を通す


月斗へ

月斗、今まで、フェイト達のお世話役、本当にお疲れ様でした
あなたがこの手紙を読むころには私は消えていることでしょう
私が消えてもあなた達の記憶にはきちんと私は存在しています
……あなたに贈り物をしましょう
机の上にあると思うのですが、私の杖を、あなたにあげます


最後に1つ、みんなを、アルフを、フェイトを、プレシアを、よろしくお願いしますね


月斗は手紙を置き、リニスの杖を手に取る

「全く、こんなん残すなよ……泣いちまうだろ」

月斗はその場にうずくまって泣いた

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それから時がたち、庭園は移動を開始し、フェイトとアルフと月斗の3人はさまざまな世界へと行った

アルフは日に日にプレシアのフェイトに対する行為に苛立ちを覚え、イライラしているのが多くなった
フェイトは手足が伸び、体に傷が増えていった
月斗はフェイト達を中心とした行動が多くなった

「フェイト! 急ぎの用事があるの。探し物よ」

「はい」

「ロストロギア、形態は青い宝石、一般呼称は【ジュエルシード】」

「ジュエル…シード」

「全部で21個少しでも早く、1つでも多く。手に入れてきてちょうだい」

「はい、分かりました」

そしてフェイト、アルフ、月斗の3人はロストロギア探索のため
【第97管理外世界 極東地区 現地惑星名称「地球」陸上国家「日本」関東地区海鳴市】
へと降り立ったのだ 
 

 
後書き
何度聞いてもリニスが消えるシーン、リニスの最後の言葉は泣ける

次回から違う目線からスタートです。
しばらくフェイト、アルフ、月斗の3人は登場しません 
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