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魔王の友を持つ魔王

作者:千夜
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§44 大惨事超神様大戦~終焉の世界へ~

 
前書き
そんなこんなでキャラ増加が止まりません、マジすいません(汗

三月ですね。卒業シーズンは追いコンが多いので日程があっという間に潰れていく……(汗






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「うわーぉ……」

 吃驚することも諦めて、黎斗はただただ、呆然と呟く。なんで、こんなタイミングで、こやつは現れるのだろう。

「みんなでお祭り騒ぎとかひっどいなぁ。僕も混ぜてよ!」

「そんな理由かよ……」

 朗らかに笑う剣の王にうなだれる。仮面の青年が「賑やかじゃないか」などと言わんばかりに肩をポンポン、と叩いてきた。ジト目で返すもどこ吹く風だ。

「貴様はあの時の神殺しか。よかろう、なればこそ先の雪辱戦よ!!」

 そんな彼を放置して白馬に乗ったイケメンがドニに切りかかる。この光景をぼさっ、と眺める黎斗だが、ふと白馬に目がとまった。

「……って、あの馬羽根生えてる!? ペガサスってまさかアイツ、ペルセウス!?」

 ドニが斃した、と聞いた気がするのだけれど。まさか復活してきたのか。なんと傍迷惑な奴だ。あるいはドニがトドメを刺し損なった、か。

「……孫さま、無視?」

 悲しそうに斉天大聖が、呟いた。

「こーなったら更にド派手に参ろうか」

「え」

「……北海より出でよ、我が賢弟・猪剛鬣! 西域より出でよ、我が賢弟・深沙神!」

 その言葉と共に、現れるのは猪頭の巨漢。三面六臂で黒色の甲冑。次いで蒼黒い肌と紅い頭髪の鬼。――そして巨大な、龍。色は透き通るように白い。

「およ、白龍か? お主も来てくれたか!!」

 斉天大聖から僅かに目を離したら、敵がもっと増えていた。どこの悪夢だこれは。

「こんなのゼッタイ、おかしいよ……」

 十中八九、彼らはまつろわぬ神だろう。神獣ならば、冥府と化したこの領域で生きていられる筈が無い。敵対者全ての生を許さない、この絶対の世界で行動できるのはまつろわぬ神のみ。ならば。

亡者(みんな)に総攻撃してもらっても、無駄か」

 死者たちでは、無理だ。もう分身達を倒した時と同じ手は喰らわないだろう。ということは、神相手に死霊たちが出来ることは不滅の肉壁くらい。饕餮達神獣が軍隊規模で挑めば、深手を負わせることくらい出来るだろうか?

「黒仮面のお兄さんと睡蓮、僕で一人当たり三柱位潰す必要がある、か。……しんどいな」

 大量困り果てた黎斗の隣を、何かが駆け抜けた。次いで吹き飛ばされる河童さん。

「速っ」

 神速での体当たり、か。犯人は相当神速に慣れている、などと冷静に分析する黎斗の前に、青年がふっと現れた。

「これは貸しに、しておいてやる」

 割とドヤ顔で言い放つイケメン。どうでもよいが今日はイケメンによく出会う日だ。そんなことを思いつつ、眼前の外国人に誰何する。

「……あなたは誰ですか?」

「アレクだ。その言葉遣い気色悪いな、ふつうに喋れ。」

「まさかの暴言ー!?」

 スーツ姿で、"黒王子"アレクサンドル・ガスコイン(名前に自信は無い。エルから聞いた名前は確かこんなだったと思う)が参戦する。

「今更増えても変わらんわ!!」

「なんかもう、居すぎてこれ以上増えても誤差の範囲ってカンジだよね」

 勝ち誇る斉天大聖に対し、呆れを多分に含ませて黎斗はしみじみと呟いた。――これが、フラグだった。

「あれ……?」

 くるくる、くるくると舞う視界。中に浮く浮遊感。眼下に見える、自分の身体。驚いた体の斉天大聖とアレク。

「破魔の主よ、悪いが頂くぞ」

 そう厳かに宣言するのは、甲冑に身を包んだ湖の騎士。

「らんらん!?」

 叫んだ瞬間、頭は馬に蹴り飛ばされて大地へ落ちる。ドニとペルセウスが応酬を交わす剣の極地へと。

「あ」

 間抜けな声と一緒に。ドニの剣が、迷うことなく粉砕した。

「「……」」

 黒王子も、冥王も。いきなりの脱落者に唖然として。

「痛いなヲイ」

 再生を遂げた黎斗に得心する。

「再生系の権能とは珍しいな。……しかし、まさかおまえも来るとはな、ランスロット」

 興味深そうに観察していたアレクも、ランスロットを視界に入れれば心底嫌そうな表情に変わる。

「っー…… ランランおまぇやってくれたなぁ!?」

 ランスロットが鎧さえしていなければ、葡萄酒の誘惑(マイナデス)で優位に立てるのだが。鎧による抵抗が精神攻撃を阻害する。

「そんな可愛らしい名前コイツには似合わんぞ」

「……その口を閉じろ」

 毒を吐くアレクと何故か不機嫌そうに槍を構えるランスロット。

「僕は残機無限なんてチートじゃないんですがねぇ……」

 項垂れる黎斗に対し投げかけられるのは、いつかの声。

「流石に苦戦しているようだな」

 次の瞬間、ランスロットが吹き飛ばされる。大鎌がランスロットの槍と激突したのだ。

「古き王よ。貸し一つだ。気たるべき私との再戦。その時逃亡しないことを条件に今回力を貸してやろう」

 アテナが、予想外の言葉と共に舞い降りる。

「ツンデレ発言っぽいけど……まぁありがとう?」

 銀髪の少女がランスロットに向かい合って。

「女神アテナよ。何故貴女が破魔の主に力を貸す?」

「彼の神殺しを倒すのはこの私だ。大地母神(・・・・)として、死と再生の女神として。私が決着をつけねばなるまい」

 イナザミの権能を見られたからか。そして、それが大地母神の神格と見抜いたのか。

「敵討ちっすか……」

「それもあるがやはり貴方に負けたままなのは、な。貴方が本気で逃亡すれば探し出すのは至難の業。ここで貸しを作っておくに越したことはない。貴方は約束は守る(・・・・・)だろう?」

 甘酸っぱい事情は一ミリも介在していなかった。わかっていたことだが。これが二次元だったら彼女はツンデレキャラなのだろうけれど。現実は非情だ。

「……ぐうの音も出ない。まぁいいや。とりあえずいくぞ大聖!!」

 黎斗は再び斉天大聖に挑む。先程との違いは、斉天大聖の強化のみ。度重なる増援に対抗するため、斉天大聖は魔王殲滅の莫大な呪力を行使できるようになりつつある。これ以上戦いを引き延ばすのは、不味い。これ以上呪力が増えれば、分身プラス変化の術のコンボがまた使用可能になりかねない。あれは消費する呪力が大きいから使わないのであって、使えるのならば絶対に使ってくる筈だ。





「っと!」

 打ち合って幾合目か。ロンギヌスと如意棒が衝突する。圧倒的な質量差に耐え切れず、黎斗が大地に激突する。凄まじい轟音を伴って深いクレーターが出来上がる。そんなワンパターンな流れ。だが。

「もっと本気を見せてよ!!」

 ドニの銀の腕が振るわれる。それだけで空間に亀裂が走る。亡霊ごと冥府を粉砕し、黎斗へ向けて斬撃が飛ぶ。

「ちょっと!?」

 一度や二度なら問題はない、が。これが続くと冥府を破壊され通常の世界に戻されてしまう。そうなれば再び斉天大聖が分身を無数に作り出した時にとめられない。そうなればこんどこそ無理だ。

「お義兄様!!」

「それがしを相手によそ見とは、おぬしは余程のうつけか?」

「くっ!!」

 羅濠教主が介入しようとするも三面六臂と化した猪剛鬣を前にそれが叶うことはない。スミスは大空で深沙神と対峙しており援護に向かう余裕は無い。

「神殺しがこぞって執着するその武、私にも見せてもらおうか!!」

 ドニ、羅濠教主が執着する相手を見極めようとペルセウスの放つ無数の矢が黎斗を襲う。ロンギヌスを回転させて吹き飛ばせば、周囲に弾かれ散乱する矢が地面を抉り瓦礫を砕く。

「お前ら二人でじゃれあってろ!!」

 黎斗が割と心から願いつつ叫んでみるも。

「え。ヤダ」

「だが断る」

 ドニとペルセウス、両者が同時に却下する。断るときだけ以心伝心ではない。遠距離から、複雑な軌跡を描き襲来する無数の矢。近距離から振るわれるのは世界を切り裂く白銀の刃。二人の息の合ったコンビネーションは、黎斗に攻撃させる隙を与えない。矢と斬撃の僅かな隙間に入り込み、受け止め、相手を壁にして回避する。

「はははっ!! やるではないか!」

 嬉しそうなペルセウス。斉天大聖一人でも厳しいのにこの有様だ。

「詰みゲーくさいなオイ……!!」

 アテナはランスロットを抑えてくれているが、こちらへ手を回してくれる余裕はおそらくない。須佐之男命は自宅警備員に就職しているからこちらへは来ないだろう。護堂はヴォバンを抑えている。パンドラは戦力外。酒呑童子は死亡。救援の期待は出来そうにない。

「破魔の王よいつまで保つかね!?」

 光速を超える速度で得物を振るう斉天大聖。信じられないことに未だに加速を続けるその速度は、そろそろ黎斗の反応速度を超えようとして――

「調子に乗るな妖怪猿と妖怪人間!!」

 地獄の紅蓮に吹き飛ばされる。三昧真火が、大地を悉く舐めつくす。

「ガアアアアアア!!」

 もがき苦しむ斉天大聖に三尖刀が一閃。それだけで「あの」斉天大聖の首が飛ぶ。――もっとも、新たな首が生えてきたが。

「おぬしも復活したか、若造!!」

 嬉しそうな斉天大聖の声を聞いて、三つ目の美青年は苦々しそうな顔をしつつも三尖刀を優雅に回す。

「貴様に対する封印に、私を組み込んだ輩達への報復は後回しだ。まずは貴様を。そして忌々しい妖怪人間を叩いてからだ!!」

 青年の視線の先は三昧真火の中。そこに、一人の影が現れる。彼の周囲から炎が徐々に消えていく。邪眼による呪術の無効化だ。影の主、黎斗は空を見上げ絶望する。

「うっそ。おまえまで来たのかよ……」

 かつて交戦したことのある神。黎斗が破滅の呪鎖(グレイプニール)で捕えたところを葡萄酒の誘惑(マイナデス)を用いて須佐之男命が何かすることで無力化、支配し斉天大聖に対する抑止力として封印に組み込んだまつろわぬ神。

「だからまつろわぬ神を封印に直接組み込むのは危険だっつったのにあのあほんだら!! だから言わんこっちゃないんだよ!!」

「煩い黙れ」

 喚き散らす彼を視界に入れずに、左腕を振るう三つ目の武神。衝撃波が瓦礫を砕き、散弾銃となって黎斗を襲う。

「この程度、黎斗が出張るまでもねぇ」

 転移でもしたのだろうか、白衣の青年が黎斗の隣に現れる。早口で何かを紡ぐと、襲いくる石礫の悉くが発火し燃え尽きる。

「まぁ、こんなもんだろ。あ、カミサマの相手なんてやってらんないんでやつらは任せる!」

「簡単に言ってくれるよもう……」

 項垂れる黎斗に対して眼前の神の放つ殺気は尋常なものではない。封印されたのだから当然か。

「妖怪猿と一緒に始末してくれる」

 戦で使うのが勿体ない、と思えるほどの鎧。くどくない程度に、しかし戦場のだれもが見惚れるような、美しい鎧。だがその鎧はただ華美なだけではない。それを纏う者が傷一つ負わぬように、身を守るという本来の役目を十二分に果たせるであろう頑強さを保ち。得物は己の背丈をも超える長さ。如意棒に勝るとも劣らぬ立派なつくり。先端に備え付けられた刃が光を反射しきらり、と輝いた。端正な顔の額に、三つ目の眼。美青年なだけでなく、体格もがっしりとしてひきしまり、まさに偉丈夫と呼ぶのに相応しい。その姿は正に威風堂々。

「二郎真君。あなたまで相手に取るのは正直キツいんだけど」

 割と本気で呟く。なにせ相手は顕聖二郎真君。斉天大聖と互角に張り合った中華の大英雄。

「それは重畳。しからば去ね」

 ダイレクトに殺意をぶつけてくる二郎真君と。

「孫さまを無視するなー!!」

 かまってちゃんと化しつつある斉天大聖。白銀の刃と矢の嵐をかいくぐり、因縁の神々と神殺しが睨みあう。 
 

 
後書き
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わかりにくいので現時点での状況
現世で交戦中
黎斗        斉天大聖
羅濠教主  VS  猪剛鬣    VS  ドニ  VS  ペルセウス  VS二郎真君
JPS       深沙神
アレク       ランスロット
アテナ       白竜


幽世で見物なう
護堂&スサノオ&ヴォバン

こんなところ?
間違いあったらすみません(爆 
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