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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第九十二話 一対の獅子

               第九十二話 一対の獅子
戦いと合流を終えたロンド=ベル。今はウラジオストクにおいてテッサから話を聞いていた。
「そもそろ別働隊がここに戻って来ます」
「別働隊?ああ、あの」
「はい、そうです」
ロンド=ベルの面々に対して答えた。
「昨日お話していたその」
「彼等も戻って来ますか」
「彼等もまた貴重な戦力になります」
こう一同に話す。
「ですから御期待下さい」
「わかりました。それでは」
「期待させて頂きます」
艦長やアムロ、ミサト、フォッカーといった面々が彼女の言葉に頷く。そうして暫く待っていると。ウラジオストクに通信が入って来たのだった。
「大佐、無事なのか!?」
「撤退せずに済んだのね」
まずは青い髪の精悍な顔の少年と同じ髪の長髪の少女がモニターに出て来た。見ればそのマシンは。
「あれはグルンガスト参式か?」
「それと赤いゲシュペンストマークスリーか」
その二機であった。
「こっちでも同じものが開発されていたのか」
「思えば面白いな」
「あれっ、見慣れない顔が多いな」
「あんた達誰なの?」
「お話すると長くなりますので」
こう二人に言うテッサだった。
「まずは合流して下さい。宜しいですか?」
「ああ、わかった」
「それじゃあ」
二人はテッサの言葉に素直に従った。こうして彼等はまずはウラジオストクに入った。そこに色々なマシンが続く。見ればロンド=ベルの世界にはないマシンもあった。
「宜しく」
基地の滑走路において。青い髪の少女が一同を代表してロンド=ベルの面々に声をかけてきた。彼等の後ろにはそれぞれが乗っているマシンがあった。
「パトリシア=ハックマンよ。ゲシュペンストマークスリーのパイロットよ」
自分で名乗って来た。
「パットって呼んで」
「レナンジェス=スターロード、ジェスでいい」
青い髪の少年も名乗った。
「このグルンガスト参式に乗っている」
「グレース=ウリジン。グリースですう」
ピンクの髪の少女だった。
「ランドグリースに乗っています。ウィン君の恋人なんですよ」
「誰がだ。俺はアーウィン=ドースティン」
眼鏡が知的な少年だった。
「ヒュッケバイン009に乗っている」
「ヘクトール=エディソン、青のゲシュペンストマークスリーが俺の愛機で仇名はヘクトール」
随分おしゃべりな若者だった。
「趣味は落語な」
「で、このメンバーでのトリは私ね。ミーナ=ライジング、ミーナ。グルンガスト弐式のパイロット」
この緑の髪の少女も随分とおしゃべりだった。
「趣味は推理よ。宜しくね」
「何かあんた達とどっかで逢ってないか?」
彼等の挨拶を受けて不意にイルムが言った。
「何かそんな気がするんだけれどよ」
「確かにな」
その感触はリンも同じだった。
「何処かはわからないが」
「あれっ、そういえば」
「確かに」
見れば彼等も彼等で同じ感触を受けていた。
「あんた達だけじゃなくてさ」
「このロンド=ベル自体が?」
ヘクトールとミーナが言う。
「どっかで会ったみたいな」
「特にあんた」
ミーナはここでハーリーを指差した。
「とりわけ他人って気がしないけれど」
「うっ、そういえば」
ハーリーもまた同じ感触を受けていた。
「何故なんだろう、これって」
「あたしも。グリースさん?」
「はい」
アスカはアスカでグリースと会っていた。
「あたし達本当に他人なの!?」
「何かそうじゃない気がしますよね」
「何なのかしら、これって」
「不思議ですよね」
彼等はそれぞれ何かシンパシーを覚える存在を見つけていた。だがここにいるのはこの六人だけではなく他の者達もまた挨拶をするのだった。
「それでです」
またテッサが言う。
「続きまして」
「こっちの連中だな」
「今度は」
テッサは今度は八人紹介した。そこにいるのは。
「俺か」
「はい」
まず出て来たのは金髪の少年だった。彼は。
「エルリッヒ=フォン=シュターデンだ」
「おっ、ドイツ系か」
「しかも貴族だな」
「その通りだ」
彼もそれを認めて頷く。12
「乗っているのはノウルーズだ」
「このマシンだな」
「そうだ、宜しく頼む」
後ろのマシンを振り返りつつまたロンド=ベルの面々に応えるのだった。
「及ばずながらな」
「ああ、こちらこそな宜しくな」
「アークライト=ブルー」
今度は青い髪の少年だった。
「乗っているのはこのアシュクリーフだ」
「了解」
「それじゃああんたものだな」
「そういうことだな」
「私はセレイン=メネス」
紫の髪の美少女である。
「愛機はラーズグリースよ」
「その赤い奴だな」
「ええ。宜しくね」
微笑んでロンド=ベルの面々に応えていた。
「俺はリッシュ」
銀髪の若者だった。
「リッシュ=グリスウェル。シグルーンのパイロットだ」
「何かリアル系のマシンっぽいな」
「否定しないさ。機動戦が得意さ」
自分で笑って話す。これで残るは二機、そして四人だった。
「ブラッド=スカイウィンド」
「カーツ=フォルネウス」
好対照な赤髪と青髪の二人の青年だった。
「俺達二人でスーパーアースゲインを操っている」
「言うならタッグってわけだ」
「竜虎王と同じなのね」
「そういえばそうだよな」
ブリットがクスハの言葉に頷く。
「俺達と同じ二人でか」
「宜しく御願いしますね」
「ああ、こちらこそな」
「宜しく頼む」
二人もクスハに言葉を返す。そして残る一機だった。
「マナミ=ハミルよ」
「アイシャ=リッジモンドよ」
赤い髪の少女と金髪の少女だった。
「あたし達もね。二人で一機なのよ」
「このローレンス=ジェファーソンにね」
「そうか。これで十四人で」
「機体は十二機」
計算は丁度だった。
「戦力としては結構なものだよな」
「けれどよ」
だがここで言ったのは豹馬だった。いぶかしむ顔でテッサを見て言うのだった。
「なあテッサさん」
「はい」
「これだけかい?別働隊は」
こう彼女に問うてきた。
「まだ他にいるんじゃねえのか?」
「あれ?これだけやあらへんのか?」
「そうよ、豹馬」
十三とちずるがその彼に言う。
「別働隊やから」
「本隊より多くないのが普通だし」
「その通りでごわすな」
大作も二人の考えに賛同してきた。
「この方々だけではないでごわすか?」
「いえ、もっとおられた筈ですよ」
しかしここで言ったのは小介だった。
「見たところこのウラジオストクの格納庫にはまだ開いている部分がありますし」
「開いている部分!?」
「それじゃあ」
「はい、そうです」
そして小介の言葉を認めるように応えてきたテッサだった。
「後五機あります」
「五機!?」
「一個小隊規模の数がまだいるのか」
「その通りです。ですがそのチームは今は別方面で戦闘中でして」
「ここにはいないと」
「その通りです」
こう答えるテッサであった。
「ですから今は」
「そうか」
「だからいないのか」
「そういうことです。申し訳ありませんが」
「いや、別にさ」
「謝らなくても」
別にそんなつもりはないのでバツの悪い顔になるロンド=ベルの面々だった。
「俺達別に問い詰めたわけじゃねえしさ」
「そういうのは」
「ないから」
「左様ですか」
「ああ、そうさ」
そのことは確かに言うのだった。
「けれどあと五機か」
「楽しみにしておく?」
「そうね」
今度はこう彼等の中で言い合うのだった。
「今はね」
「そういうことで」
「さて」
一通り話したうえでまた誰かが言った。
「とりあえず話は終わったし」
「新たなメンバーも加入したし」
この二つの前提が話される。
「また派手に」
「親睦を深めて」
昨日と同じ展開になろうとしていた。
「飲みますか」
「今日は何食べる?」
「バーベキューがいいんじゃねえか?」
トッドが不意にバーベキューを出してきた。
「丁度いい天気だしな」
「そうね。それなら皆美味しく食べられるし」
「食材だけれど」
「ウラジオストクの基地は今物資が集積しています」
テッサはこう一同に告げた。
「無論そこには食料も」
「それじゃあやっぱり派手に」
「やりますか」
そういうことになりそうだった。今まさに連日の宴がはじまろうとしていた。しかしその時だった。
不意に警報が鳴った。それは。
「敵襲!?」
「まさか」
「いえ、違います」
だがそれはシホミが否定した。
「通信が入っています」
「通信!?」
「一体何の」
「はい、それは」
まず通信を開く。そうしてwかあったことは。
「あらたなマシンが出たそうです」
「マシン!?」
「あれっ!?」
マシンと聞いてアレンビーが素っ頓狂な声をあげた。
「ガルラ帝国のやつじゃないのよね」
「はい」
アレンビーのこの問いにははっきりと答えるシホミだった。
「識別信号は全く違います」
「じゃあ何なの?」
「ロンド=ベルは全員いるわね」
レインがこのことをチェックした。
「それにマシンも」
「皆いるぞ」
ドモンがそれを保障する。
「間違いなくな」
「そうよね。じゃあ一体」
「シュウの野郎か!?」
マサキは彼の存在を疑った。
「あいつがこの世界に」
「ああ、それは」
「考えられるニャ」
クロとシロも彼のその言葉に賛同して頷く。
「いつも突然やって来るから」
「それも」
「ただな」
だがここでマサキは思いなおすのだった。
「あいつにしちゃな」
「おかしい?」
「そうかニャ?」
「あいつならすぐここにやって来る」
彼は流石にシュウのことをよくわかっていた。
「それこそすぐにな。けれどそのマシンは」
「そういえば」
「何処だニャ?」
「日本だそうです」
シホミはこう一同に答えた。
「出て来たのは」
「日本!?」
「はい、北海道です」
そしてまた答える。
「そこに」
「北海道・・・・・・」
「近いわね」
ウラジオストクからはまさに目と鼻の先である。
「じゃあそこに」
「そのマシンが」
「敵か!?」
勇がそれを予測した。
「まさか」
「その可能性は否定できないわね」
カナンも言う。
「正直なところね」
「そうだな。じゃあここは」
「よし、俺達が行こう」
「ここはな」
名乗り出てきたのはダルタニアスの二人だった。
「それでいいか?」
「まずは俺達が行く」
「ダルタニアスでですね」
「そうだ。その間に皆は」
「出撃準備を整えておいてくれ」
二人はこうテッサに応えると共に述べた。
「スクランブルでな」
「それでいいな」
「はい」
そしてテッサも二人のその言葉に頷くのだった。
「わかりました。それでは」
「よし、それじゃあな」
「行ってくる」
決まれば動きは実に早かった。
二人がまず出撃する。そしてその間に。
「よしっ、じゃあよ」
「私達もね」
「その通りだ」
ブライトが総員に告げる。
「総員スタンバっておけ」
「了解」
「それじゃあ」
こうして他のメンバーも出撃準備にかかる。その間にダルタニアスは北海道に出撃した。そしてそこにいたのは。見たこともないマシンだった。
「おい弾児」
「何だ」
剣人が弾児に対して声をかけた。そのマシンを見て。
「あのマシンは何だ?」
「俺も聞きたいと思っていたところだ」
これが彼の返答だった。
「あのマシンが何かな」
「何だと思う?」
剣人は首を傾げながらまた弾児に対して尋ねた。
「あのマシンは」
「見たところライオンに近いか?」
全体的なシルエットを見ての言葉である。
「あれは」
「そうみたいだな。だが敵じゃないみたいだな」
「ああ」
二人がこう判断するだけの根拠もあった。それは。
「ベラリオスが吠えないな」
「全くな。それを見る限りはな」
「あいつ等は敵じゃない」
こう判断するのだった。
「どうやらな」
「そうだな。だが」
それでもであった。
「油断はできないぞ。わかってるな、剣人」
「勿論だ。おい」
彼は今度は通信を入れた。入れる先はもう一つしかなかった。
「あんた達、誰かいるか?」
「んっ!?地球の言葉か」
「間違いない」
するとここでそのマシンから声が返って来た。
「この声は」
「日本語だ」
「日本語!?あんた達何者だ?」
「俺は黄金旭」
名乗りと共に一人の少年がダルタニアスのモニターに出て来た。
「このゴライオンのパイロットだ」
「ゴライオン!?」
「何だそれは」
ゴライオンと聞いて顔を顰めさせる剣人と弾児だった。
「また何処からかのマシンか?」
「まさかとは思うが」
「そうさ、そのまさかだ」
「実はそうなんですよ」
「俺達は何とかガルラ帝国からここまで」
「このゴライオンで戦いながら辿り着いたってわけだ」
黄金と名乗った少年に続いて四人の少年がモニターに出て来た。見れば皆地球人、それもアジア系の顔をしていた。しかも話しているのは日本語である。
「俺は銀貴」
「錫石宏です」
「青銅強」
「黒銅勇」
「それがあんた達の名前なんだな」
「ああ、そうだ」
彼等を代表して黄金が名乗った。
「ガルラ帝国に捕まって奴隷にされていたんだ。だがさっき話した通り」
「やっとここまで来たってわけか」
「そうだ。だがダメージが大き過ぎた・・・・・・くっ」
「黄金さん!」
彼に咄嗟に声をかける美少女もモニターに出て来た。
「大丈夫ですか!?」
「んっ、あんたは」
「ファーラです」
その美少女も名乗るのだった。
「アルテアから来ました」
「アルテア!?」
「宇宙にある国の一つさ」
こう剣人に答える黄金だった。
「このゴライオンにあった」
「この人はその星のお姫様なんですよ」
錫石が剣人達に述べた。
「それで僕達にゴライオンを託してくれて」
「そうだったのか」
「はい、それでです」
「俺達はアルテアからここまで」
また銀が言う。
「逃れてこれたのもアルテアの姫様のおかげってわけなんだよ」
「随分と過酷だったんだな」
「今生きているのが不思議な位さ」
黒銅が苦々しげな声で述べた。
「奴隷だった頃だってな。それこそ」
「何でも食べたさ」
青銅も言う。
「生きているものも死んでいるものもな」
「・・・・・・そうか」
弾児は静かに、だが沈痛な顔でそれを聞いていた。
「ガルラ帝国、やはりとんでもない奴等らしいな」
「貴方達もやはり彼等のことを」
「ああ、知っている」
「それもよくな」
二人は忌々しげな声でファーラに答えた。
「今も戦っている」
「生きるか死ぬかでな」
「そうですか。やはり」
「あんた達の事情もわかったさ」
応えたのは黄金だった。
「じゃあ俺達も」
「戦わせてもらう」
「それでいいですね」
「地球の為に」
「今ここで」
「ああ、頼む」
剣人が五人の少年の言葉を受けた。
「是非な。俺達と共にガルラ帝国と戦ってくれ」
「よし、それじゃあ」
「今から宜しいでしょうか」
彼の言葉に対して黄金とファーラが言ってきた。
「合流して」
「貴方達の指示に従わせて頂きます」
「ああ。それじゃあ今から」
「ウラジオストクに戻るか」
「ウラジオストク?」
それを聞いても要領を得ない顔のファーラだった。
「何処ですか、そこは」
「ああ、地球の都市の一つさ」
「俺達の部隊は今そこにいる」
剣人と弾児がその彼女に説明した。
「だからな。今から」
「そちらに戻る。それでいいな」
「ええ。わかりました」
こう言われて納得した顔で頷くファーラだった。
「それでは今からそちらへ」
「ああ。こっちだ」
「ついてきてくれ」
「はい」
こうしてまずはこともなく話が進もうとした。だがそうはいかなかった。
突如として彼等の周りにそのガルラ帝国のマシンが姿を現わしたのである。十機いた。
「何っ!?まさか」
「こんな所で」
「くっ、やはりつけられていたか」
驚く剣人、弾児に対して黄金が忌々しげに告げた。
「ガルラ帝国、ここまで」
「くっ、それなら!」
「よし、行くぞ剣人!」
「ガオオオオオオオン!」
剣人と弾児だけでなくベラリオスも咆哮する。ダルタニアスはすぐに剣を抜くのだった。
ダルタニアスはすぐに戦闘態勢に入る。それはゴライオンも同じだった。だがその動きはあまり速いものではなかった。お世辞にも。
「!?そういえばあんた」
「怪我をしてるじゃないか」
「いや、大丈夫だ」
二人にこう返す黄金だった。
「まだ。この程度じゃな」
「戦うつもりか」
「足手纏いにはならない」
強がりだがこう言うのである。
「だから。安心してくれ」
「わかった」
「それじゃあな」
「では行くぞ!」
ここでゴライオンも剣を抜くのだった。そして向かって来るガルラ帝国のマシンに対して向かう。戦いが今北海道でもはじまるのだった。
ゴライオンはガルラ帝国のマシンを一機両断した。その動きはパイロットが怪我をしていたとしてもその時は見事なものになっていた。
「おい、あんた」
「無理はするなよ」
剣人と弾児がその動きを見て黄金に声をかける。彼等もまたガルラ帝国のマシンを一撃で撃破していた。
「その傷じゃ」
「俺達もいるからな」
「この程度の数だったら大丈夫だ」
だが黄金はこう言ってまた一機撃破するのだった。爆発がゴライオンの前で起こる。
「まだな」
「強がりじゃねえよな」
「勿論だ」
毅然とした声で剣人に返す。
「だから。安心してくれ」
「よし、わかった!」
「それなら剣人!」
「ああ、俺達もな!」
彼等もまた果敢に向かう。そうして敵を次々と倒していくのだった。二機の獅子のマシンは瞬く間にガルラ帝国の追っ手を倒してしまっていた。
だがここでまた敵が出て来た。今度は百機はいた。
「おい、また出て来たのかよ」
「お約束だな」
黒銅と銀はそれぞれ口を開いて言った。
「いつも通りだが」
「忌々しい話だ」
「ですが今の戦いでエネルギーが」
「ああ、そうだな」
青銅は錫石の言葉に頷いていた。
「もう残り少ないです」
「ゴライオンはこれ以上の戦闘は」
「あんた達は先に逃げろ」
ここで剣人はこう彼等に告げた。
「ここはな」
「何っ!?だがあんた達は」
「俺達なら大丈夫だ」
「そういうことだ。エネルギーもある」
剣人と弾児は黄金に対してこう返すのだった。
「だからだ。今は」
「先にウラジオストクへ向かってくれ」
「おい、そんなことできるかよ!」
だが黄金はこう言って戦場に残ろうとする。
「俺達だってな!まだ!」
「そのエネルギーで戦うっていうのかよ」
「そうだ!」
熱い声で剣人に返してきた。
「まだやれる。馬鹿にするな!」
「ふん、勝手にしろ!」
「おい、剣人」
「あのまま逃がしたらそれこそ末代まで言われるぜ。それならな!」
「そうか。共に戦うのか」
「そうさ、何、この程度の敵」
目の前の百機程のマシンを不敵な笑みで見ての言葉だ。
「兵器さ。やってやるぜ」
「そうだな。では俺もだ」
「行くんだな。死ぬぜ」
「それはお互い様だ」
弾児もまた不敵な笑みを浮かべていた。
「そうじゃなきゃ今まで戦うものか」
「それもそうだな。それじゃあよ」
「そうだ。行くぞ!」
「よし、ダルタニアスフルパワーだ!」
今ここで全てのパワーを出すのだった。
「ここで!こいつ等を!」
「倒す!」
今まさに全ての力を出して敵に向かおうとする。しかしその時だった。
「何っ!?」
「こいつ等、まさか!」
「ガルラの!」
「いや、待ってくれ」
「この連中は違う」
だがここで剣人と弾児がゴライオンの面々に対して言うのだった。
「この五人は俺達の仲間だ」
「仲間!?」
「ああ、そうだ」
「だからだ。安心してくれ」
また彼等に告げる。
「いいな」
「あ、ああ」
「それはわかった」
まずは彼等もそれは受け入れたしかしであった。
「けれどよ。それでも」
「何なんだ?この連中」
「地球にはこんなマシンがあるのかよ」
「しかも五機も」
「おかしいか?」
ここでマシンの中の一機に乗り込んでいる若い男が軽い声を出してきた。
「このマシン。おかしいか?」
「いいえ」
「全くそうは思わないが」
「そうだよな」
それに他の三人も頷く。声を聞く限り四人の声は男のものだった。
「ああ、俺はアレックス=スミス」
「ジュゼよ」
「イワンだ」
「ハンスです」
他の三人も名乗ってきた。見ればやはり若い男であった。
「宜しくな」
「あんた達は一体」
「そもそも何者なんだ?」
「Gソルジャー隊」
今度は若い女の声であった。
「それが我々の隊名です」
「Gソルジャー隊!?」
「何だそりゃ」
「っていっても俺達が知らなくて当たり前か」
ここでふとこう言うゴライオンの面々だった。
「何せずっと奴隷だったからな」
「ああ」
「地球のことを知らなくてもな」
「それも当然ですね」
「奴隷!?」
奴隷と聞いた女の声が動いた。
「それは一体」
「ああ、それは話せば長くなるから後でな」
「ゆっくり話させてくれ」
「剣人さん、弾児さん」
女はここで二人の名を呼んだ。やはり彼等のことは知っているのだった。
「何が一体」
「ああ。だからあれなんだよ」
「ゴライオンだ」
「ゴライオン・・・・・・」
今度は女が戸惑う番だった。その戸惑いが声にも出ていた。
「それがこのマシンの名前ですね」
「そうさ」
「何でも他の星から来たらしいが」
「ですが乗っているのは」
「そうさ。地球人さ」
黄金が女に対して答える。
「れっきとしたな」
「そうだ。ここにいる五人はだ」
「ちゃんとした日本人ですので」
「安心してくれ」
「何なら後でチェックしてくれてもいい」
他の四人もこう言うのだった。
「それでわかるのならな」
「わかりました」
女もそれを聞いて頷いた。しかしそれでもまだ言うのだった。
「ですが」
「ですが!?」
「まだ何かあるのか」
「そこの女性の方か」
「私ですか」
ファーラはすぐにそれが自分のこととわかった。それで声で応えたのだった。
「そうですね」
「はい、貴女です」
女もそれに応えて言う。
「貴女は一体」
「ファーラと申します」
「ファーラさん!?」
「はい、そうです」
また答えるのだった。
「それが私の名前です」
「お姫様さ」
また剣人が女に対して言ってきた。
「惑星アルテアのな」
「アルテア・・・・・・」
「それも話が長くなるから後だ」
これも先送りする剣人だった。
「とにかくよ。今は」
「ああ、そうだよな」
アレックスが明るい声で剣人に返した。
「このガルラの奴等を、だよな」
「その通りだ。いいな」
「ああ、勿論さ。隊長」
「はい」
女が彼の言葉に応えた。
「やりますか」
「はい。それでは」
「あの女が隊長なのか」
黄金はそのことに少し驚いているようだった。顔にそれが出ている。
「女が隊長なのはいいとして」
「何かそういうふうには思えないな」
「そうですよね」
「声を聞くと」
「参謀みたいな感じだが」
四人もこう言うのだった。だがここで女が彼等に名乗ってきた。
「私の名前ですが」
「おっ!?」
「何だ?」
「フェイ=シンルー」
こう名乗るのだった。
「これが私の名です」
「そうか。フェイ=シンルーか」
「フェイで御願いします」
こうも言ってきた。
「それで」
「わかったぜ。じゃあフェイ」
「はい」
黄金は早速フェイをこう呼んだ。フェイもそれに返す。
「ひょっとしたらシンルーになるかも知れないけれどよ」
「どちらでもいいです」
名前に関してはリベラルなようだった。
「混同される場合には」
「そうかい。じゃあとにかくだよ」
「戦闘ですね」
「そうさ。思い切りやるぜ!」
「了解です。それではGソルジャー隊」
シンルーはあらためて部下達に声をかけた。
「戦闘開始です」
「よし!」
「それじゃあ!」
「行くぞ」
「了解!」
アレックスを筆頭としてGソルジャー隊の面々も戦闘に入る。こうして七機で戦闘に入るのだった。
そしてそれから一分経つと。また戦場にマシンが現われた。今度は二機だった。
「!?今度は」
「!?ありゃ何だ?」
「見たこともないな」
今度は剣人も弾児も知らなかった。
「あんなマシンはよ」
「一体何処のものだ?」
「連邦よ」
「それは安心してくれ」
人間の言葉での通信が入って来た。
「サリー=エーミルよ」
「ジーク=アルトリートだ」
一人は少女、もう一人は青年だった。それぞれ別のマシンに乗っている。
「日本の基地からそちらに援軍で来たのよ」
「そしてそのままマグネイト=テンに入れとのことだ」
こう剣人達に対して述べる二人だった。
「宜しくね」
「力にならせてもらう」
「そうか。連邦の新型機か」
剣人はそれを聞いてまずは納得した。見れば確かに地球のマシンだった。
「それならな。わかったぜ」
「そう。よかったわ」
「そういうことだ」
「わかったけれどよ。それでもよ」
だがここで彼は言うのだった。
「何かぶしつけだな。来るのが」
「そうかしら」
「俺は予定通りだが」
「私も」
「話は聞いていなかったか」
「!?そういえば」
「ああ、そうだな」
二人の言葉を聞いて剣人と弾児も言葉を交えさせた。
「そんな話が」
「テスタロッサ大佐からあったな」
「そういえばそうだったよな」
「ああ」
「それよ。それなのよ」
「俺達もそれで来たんだが」
サリーとジークもここで二人に言った。
「しっかりしてよ。助っ人なんだから」
「これからもな」
「ああ、済まない」
「とにかく来てくれたか」
「そういうこと。だからね」
「思う存分やらせてもらう」
こうして二人も戦いに加わった。それぞれ遠距離攻撃と剣で倒していく。
「いけーーーーーーーーーーーーーっ!」
「そこだ!」
サリーもジークもそれぞれ攻撃を放ち敵を倒す。そしてGソルジャー隊はフォーメーションを組んで目の前の敵を各個撃破していっていた。
「右です!」
「了解!」
「そこか!」
シンルーの指示に従い右の敵に攻撃を仕掛ける。その攻撃は五機で一気に敵を取り囲み攻撃を浴びせるというものだった。そうして敵を的確に倒していく。
また一機一機でもかなりの強さを見せ格闘でもそれぞれ敵を倒していた。その強さはゴライオンの面々も素直に認めるところだった。
「強いですね」
「ああ」
黄金がファーラの言葉に頷く。
「確かにな。これは」
「百機が相手でもそれでも」
「いや」
だがここで銀が言う。
「それは少し早計だな」
「早計!?」
「いけると思うのはな」
こう答えるのだった。
「まだな。早いぜ」
「ですが勢いは」
「いえ、銀さんの言う通りです」
今度は錫石が言うのだった。
「ガルラ帝国は何しろ銀河系規模の相手ですからね」
「となるとだ」
青銅も言う。
「やはり地球にも」
「そうだろうな。もう相当数来ているようだしな」
黒銅がその青銅の言葉に答える。
「充分に考えられるぜ」
「その通りです」
そして五人にシンルーが言った。
「我々も既に」
「そうかよ、やっぱりな」
黄金はそれを聞いて納得した顔で頷くのだった。
「だったらよ。容赦はしねえぜ!」
「ああ。そうしてくれ!」
「こいつ等は数で来る」
「わかってるさ!」
黄金は剣人と弾児の言葉にも応え剣を振るう。
「これでも!まだな!」
「少ない位だ!」
叫びながら二対の獅子が咆哮する。その咆哮の中で敵を次々と倒していく。だがその敵達を完全に倒し終えたその時であった。
「敵です!」
「やっぱりな!」
「どれ位だ!」
シンルーに大して剣人と黄金が問う。
「三千です!」
「三千・・・・・・」
その数を聞いて絶句する一同だった。
「どうする?撤退するか?」
「そうですね」
弾児の言葉にファーラが頷く。
「ここは」
「そうだな。流石にこれだけの相手は無理だ」
「はい」
「ウラジオストクだ」
弾児はまたこの都市を言った。
「そこに向かう。いいな」
「わかりました」
こうして彼等は撤退しようとする。しかし。
戦艦達が姿を現わした。そして無数のマシン達も。
「あれは!?」
「来たか!」
「来ました!」
剣人とシンルーがそれぞれ声をあげる。
「ロンド=ベル!」
「貴方達がそうなのですか」
「あれっ、見慣れないマシンも一杯いるだわさ」
「ええ、そうでやんすね」
「あれは一体?」
「Gソルジャー隊です」
テッサがボス、ヌケ、ムチャに対して答える。
「マグネイト=テンの部隊の一つでした」
「ああ、あの別任務に派遣されていたっていう」
「あの部隊だな」
「はい、そうです」
今度は甲児と鉄也の言葉に応えるテッサだった。
「どうやら。こちらに向かっていてくれたようです」
「よお大佐」
アレックスがここでテッサに声をかける。
「お久し振り。相変わらず美人なようで」
「少尉、貴方も御無事だったのですね」
「そうさ。Gソルジャー隊全員な」
彼等を代表して笑顔で述べるのだった。
「こうしてここにいるぜ」
「わかりました。それでは只今より合流します」
「宜しく。それにしても」
ここでアレックスはロンド=ベルを見る。
「あんた達、皆はじめて見るが何て部隊なんだ?数もやたら多いしよ」
「僕達はロンド=ベルというんだ」
「ロンド=ベル?」
「そして僕はデューク=フリード」
大介は自分の名も名乗った。
「宇門大介ともいう」
「大介さんってわけか」
それで覚えることにしたアレックスだった。
「それであんた達味方かい?」
「それ以外に何に見えるのよ」
今のアレックスの言葉に突っ込みを入れたのはマリアだった。
「その通りよ。味方よ」
「けれどあんた達みたいな連中ははじめて見るけれどよ」
「それは後でお話します」
テッサが言うのだった。
「ですから今は」
「そうだな」
剣人はテッサのその言葉に頷いた。
「早いところこの連中をな」
「その通りです」
「全軍攻撃開始」
グローバルがロンド=ベル全体に指示を出す。
「攻撃目標敵軍だ。いいな!」
「了解!」
こうしてロンド=ベルは剣人達と合流し敵を倒すのだった。彼等にとって三千という数は最早大した数ではなくものの数分で終わった。その後でお互いの身の上について語られるのであった。
「そうか、そんなマシンまでいるのかよ」
「はい、そうです」
シンルーが真面目な様子でロンド=ベルに答えていた。
「我々Gソルジャーはそのグラヴィオンを参考にして開発されました」
「それが俺達五人ってわけだ」
アレックスも言う。
「Gソルジャー隊のな」
「何かここそういうの多いですよね」
「確かに」
シーブックがジュドーの言葉に頷いている。
「a小隊といい」
「精鋭部隊ばかり集めたからよ」
エルフィがこう彼等に説明する。
「だからね。こういうふうになったのよ」
「そうだったんですか」
「とにかく。これで全部わかったわ」
既にお互いの話はわかっているのだった。
「宜しくね。あんた達」
「ああ」
黄金は彼女の言葉に頷いて応える。
「わかったぜ。こちらこそな」
「頼むよ、これから」
こうしてゴライオンとジーク達が加わった。ロンド=ベルは新たな世界でも新たな仲間を得ることとなったのだった。
そして戦いの後は。やはりいつもと同じであった。
「おら、酒だ酒!」
「もっと持って来い!」
フェイとアレックスが騒いでいた。
「アメリカ人、飲んでるか!?」
「おうよ、中国人」
既に二人は顔を真っ赤にしている。
「どんどん飲めよ。ロンド=ベルじゃまだまだこれ位は序の口だ」
「酒なら幾らでもだぜ」
言いながらさらに飲んでいく。
「まだまだなこの程度じゃ」
「よし、今日は飲み明かすぞ!」
アレンや他のGソルジャーの面々も交えて盛大に飲む彼等だった。だがその中でシンルーは仲間達から離れて遥やエルフィと静かに飲むのだった。
その彼女に遥が問うのだった。
「相変わらずね」
「そうでしょうか」
「飲む時は女の子と一緒に静かにっているのがね」
「どうもあまり騒がしいのは苦手で」
こう答えるのだった。
「それでです」
「そうなの」
「はい。それで」
ビールを少しずつ飲みながら言葉を続けていく。
「そちらの方は」
「マリュー=ラミアスよ」
見れば場にはマリューもいる。
「アークエンジェルの艦長。宜しくね」
「そして私は葛城ミサト」
ミサトもいた。
「ロンド=ベルの作戦参謀よ」
「私が少佐で」
「私が三佐なのよ」
「では階級的には同じですね」
シンルーは二人の階級を聞いて述べた。
「それですと」
「ええ、そうよ」
「わかるのね」
「紫東一尉から」
その数字での階級の呼び方のことである。
「教わりましたので」
「これは日本の名残なのよね」
「そうそう」
遥とミサトは揃ってこう言う。
「だから数字なのよね」
「自衛隊からね」
「自衛隊のことはよく知りませんが」
それはシンルーにとってはあくまで他の国のことだった。
「何に相応しているかはわかります」
「そうなの。けれど」
「けれど?」
「あんたどうも」
ミサトは少し赤い顔でシンルーに言うのだった。
「飲むのが静かよね」
「は、はあ」
「もっと勢いよく飲みなさい」
しかも絡みさえする。
「女は度胸。ぐいっと飲まないと駄目なのよ」
「そうなんですか」
「そうよ」
強引にそういうことにしてしまってきた。
「だからよ。飲みなさい」
「わかりました」
「ミサトお酒強いのね」
「当たり前よ」
ミサトは今度は遥に顔を向けて述べた。
「そういう遥だって強いじゃない」
「確かにね。そういえば」
「何?」
「マリュー艦長やミサトとはあまり他人には思えないのだけれど」
「タータ王女じゃなくて?」
「彼女とは何か一心同体のような」
そんなふうに感じている遥なのだ。
「けれど貴女達とはね」
「そういえば何か」
「私達も」
マリューとミサトの息が一つになっていた。
「遥とは前に何処かで一緒になったような」
「何処だったかしら」
「ええと。マーキュリースターパワー?」
自然に出た言葉である。
「こうだったかしら」
「そうそう」
「それで私達は」
何故かここで私達になるマリューとミサトだった。二人は完全に酔っている。
「ムーンプリズムパワー」
「メイクアップよね」
同じ人間が言っているとしか思えない調子であった。
「そうなるわよね」
「何かね」
「不思議ね。本当に」
あらためて微笑む遥だった。
「あとエリスとプリシラとサフィーネからも感じるし」
「そうでしょ」
「五人揃った感じが」
二人はさらに言う。
「あとアムロ中佐とはね。何か」
「縁を感じるし」
「何かタキシード着て?」
「そうそう」
話は妙な方向に進んでいく。
「そういう感じじゃないかしら」
「確かにね。言われてみれば」
遥も微笑んでミサトの話に頷く。6
「あの宙君だってね」
「彼はまた凄いのよ」
ミサトは宙についても話す。
「これまたね」
「そういえばサイボーグだったわね」
「ええ、そうよ」
だからだというのである。
「もうその強さがね」
「成程。ロンド=ベルは人材豊富ね」
「人材には困っていないわね」
「そうね。それはね」
マリューも今のミサトの言葉に頷く。
「そちらはね」
「そういうこと。だからこっちの戦いも」
「戦い抜いてくれるのね」
「整備と補給さえしっかりしてくれれば」
この注文は忘れない。
「思う存分やらせてもらうわ」
「そちらは任せて」
遥もそれは快諾する。
「もう手配しておいたから」
「あら、早いわね」
「こっちだって必死なのよ。けれどこの数じゃない?」
「ええ」
「正直話は難航すると思ったわ」
言いながら顔を少し曇らせもする。
「けれどね」
「けれど?」
「どういうわけか知らないけれどあっさり話が済んだのよ」
こう言うのである。
「快諾に近い形でね」
「快諾なの」
「幾ら何でもおかしいでしょ」
このことをミサトに話す。
「これって」
「そうよね。違う世界からいきなり来て参加する」
「まずないわよ」
こう言う遥だった。
「少なくともはいそうですか、って信じられるかというと」
「誰も信じないわよねえ」
ミサトもそれはわかる。
「私達の世界だって最初バイストンウェルだの言われた時にははぁ!?だったし」
「信じられなかったのね」
「もう何が何だか」
こうまで言うのである。
「っていうか何って感じだったわよ」
「そんなふうだったの」
「けれど。そういうことが何度もあって」
本当に何度もあったのである。
「そのバイストンウェルの軍だけじゃなくて他の世界の軍も一杯出て来て」
「その修羅界の?」
「これ話したわよね」
「ええ」
「あとセフィーロも」
これもであった。
「あんたの分身みたいなあのタータ王女のいた」
「あそこね」
「あそこにしろ。シャドウミラーの軍にしろ」
彼等についても既に話しているのであった。
「何でもね。そうだったから」
「本当に色々な世界から来たんですね」
シンルーがそこまで聞いて言った。
「何か。時空がおかしくなっているんでしょうか」
「それは私達も考えているわ」
考えない筈がなかった。
「けれど今のところはね」
「答えは出ていませんか」
「多分。答えが出るのはまだ先ね」
語るミサトの目が鋭くなる。
「それはね」
「先ですか」
「けれど。考えてみればおかしいわ」
「そうなのよね」
同席していたリツコも言う。
「どの世界も」
「危機に瀕しているから」
二人はそれを言うのだった。
「それがどうにもおかしいのよ」
「普通ないわよね」
リツコは遥達に対して問うてきた。
「複数の世界が同時に危機に瀕している」
「そういうことってある?」
ミサトも問う。
「同時にって」
「そんな可能性が」
「言われてみれば」
遥はそれを聞いて顔を少し伏せる。そのうえでその流麗な眉を顰めさせている。
「まずないわね」
「しかもそれぞれの世界でこんなに行き来しているなんて」
「まず可能性としては皆無よ」
リツコの言う通りであった。
「可能性としてはね」
「そね。確かに」
リツコの今の言葉にエルフィが頷く。
「まず。有り得ないわ」
「その有り得ないことが起こっている」
リツコはさらに言う。
「それなのよ」
「何かが狂ってきているのかしら」
遥はふとこう考えた。
「ひょっとして」
「わからないわね。そこまでは」
リツコはこのことに関しては答えられなかった。
「それでも」
「それでも?」
「偶然にしては重なり過ぎているし」
「特にこっちの世界ではそうなのよ」
ミサトも言う。
「それにね」
「それに?」
「これは私の気のせいかしら」
ミサトはここで首を傾げさせた。
「ひょっとしたらだけれど」
「何かあるの?」
「グランゾン」
この名前を出して来た。
「グランゾンのことは話したわよね」
「ええ」
遥もミサトの今の言葉に対して頷く。
「シュウ=シラカワ博士が作り上げたマシンよね。重力を操る」
「ラングランの錬金術とかも入れて今はネオ=グランゾンになっているけれど」
簡単に言えばパワーアップしている。
「それだけれどね」
「そのネオ=グランゾンがどうかしたの?」
「どうも深く関わっているようなのよ」
「何に?」
「その偶然が頻発することによ」
こう言うのである。
「というかグランゾンができてからなのよ」
「その偶然が頻発するようになったのは」
「ええ。一年戦争があって」
かつての大戦争である。
「それから後。こちらの世界では変な事件ばかり起こったけれど」
「それはグランゾンができてからなの」
「そうなのよ。どうにもね」
「そういえばそうね」
マリューもここで気付いた。
「どうも。おかしな事件が続くのは」
「そうでしょ?バルマーや宇宙怪獣はわかるとして」
「ええ」
「色々な地底勢力や他の世界からの勢力が来て」
「ガイゾックも来たし」
彼等もまたその偶然の中の一つだったのだ。
「偶然バーム星人が来たり偶然他の次元から敵が来たり偶然他の世界に飛ばされる」
「可能性としては有り得ないわ」
「そうよね。あまりにもね」
こうマリューにも言うミサトだった。
「だから。どう考えてもおかしいのよ」
「そういえば」
リツコがここでまた言う。
「この世界に飛ばされた時も」
「ネオ=グランゾンと一緒だったわよね」
「ええ。やっぱり何か関係が」
「確証はないけれどひょっとして」
彼女達は考えるのだった。何かの謎がネオ=グランゾンにある可能性を。新たに加わった別の世界の仲間達と共に。考えていくのであった。

第九十二話完

2008・11・19
 
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