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魔法少女リリカルなのは 在り来りな転生記

作者:秋陽
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第五話 初戦闘――その後

 
前書き
なにか忘れているなーと自分で思っていたことを思い出しましたのでまえがきで説明させてもらいます。
もう、気づいている方もいるでしょうが、
「」 人物のセリフ
『』 デバイスのセリフ
【】 手紙などその場にいない人からの情報
() 念話、考え

というように分けさせてもらいます。 

 
 さて、とりあえずやってきたのはどこかの公園。
 何故こんな場所にやってきたのかというと、

『そういえばマスター。彼女の住んでる場所は知っているんですか?』
「そういや知らないな……」
『だったら何で拾ってきたんですか!?』
「いや、そんな猫みたいな扱いをするなよ……」

 そんなやり取りをしながらテスタロッサの住んでいる場所をよく覚えていないという事実が判明したため、テスタロッサが目覚めるまで待っているという状態だ。

「暇だー」
『暇ですねー』

 そんな状態なのだが、何より暇なのだ。
 傍から見てさっきまで戦闘をしていたなどといっても信じられはしないぐらいにだらけきっている俺。
 だらけながらも今日の晩御飯はどうしようかな……。などと主婦のような事を真面目に考えていると、テスタロッサが起きだす。

「よぉ」
「……? 貴方は……!」

 そんなふうに話しかけるとテスタロッサは一人で悩んだり、驚いたりしている。
 自己完結をしてくれるのは有難いがその反応では何を解決したのかさえ解からん。テスタロッサに会ったのはこれが初めてのはずだが……などと一人で考えこむ。

「なぁ?」
「……」

 さすがに前世でも無言で睨みつけられることはなかったなぁ。「やい、兄ちゃん」とか言いながら睨みつけられたことは多々あったが……。

「セレネ。俺なんか恨まれるようなことしてたか?」
『さぁ? 私には心当たりはありませんが?』
「やっぱり魔導師……」
「ん? セレネお前が原因みたいだな」
『いや!? これは私ではなくマスターに問題があるでしょう!?」

 なこたぁ、分かってるっての。ギャグっぽいことでも言ってないと俺の心が持たないんだよ!!
 普通に会話が成立すれば問題はないのだが、さっきからテスタロッサがほぼ無言で俺とセレネのテンションが明らかに空回りしている。
 誰か、俺に会話術を伝授してくれ。
 などと心のなかで叫んで誰も助けてくれるはずがない。

「貴方が……さっき私を助けてくれた魔導師?」

 そんなよく解らないパニック状態に一人で陥っていた俺を助けてくれたのは他でもないテスタロッサだ。
 さすが。うちのデバイスの何倍も力になってくれる。

「まぁ、そうだな」
「でも、何で?」
「さぁねぇ? 俺にも解からん」

 実際の助けた理由を話したところで、原作がどうのこうのなんて話を理解してくれるとも思えないしな……。

「……」
「ま、実際人間の行動理念なんて結構簡単なものだって、どっかの学者も言ってた気がするしな」

 結構適当な理由でその場を締めくくるが、テスタロッサはなんだか納得していない様子だ。
 基本的に嘘しか話していないためその顔も妥当だが……。

「助けてくれたことは、ありがとうでも……」
「でも、こいつは手に入らなかったてことか?」

 そう言いながら俺はさっき逃げてくるついでに拝借してきたジュエルシードをデバイスから出す。

「何で……貴方がそれを?」
「さっき逃げてくるときにちょっと、ね。これはやるよ」
「でも……」
「口止め料とでも思っといてくれ。そもそも俺がこれを持ってても困るだけだしな」

 そう言いながら半ば強引にテスタロッサにジュエルシードを渡す。

「んじゃ、また機会があったら」

 公園の出口に向かって歩きながらそんな一言をかける。まぁ会わないことなんて無いと思うけどな。 




 テスタロッサと公園で別れて数時間後。スーパーで近所に潜む怪物、主婦たちと格闘しながら食料を確保した俺はマンションへ戻ってくる途中である。
 するとマンションの手前には地面に倒れ込んでいる美少女。というかさっき公園で別れたはずのフェイト・テスタロッサが倒れこんでいた。
 何か見た覚えがあると思ったら、このマンションは一期にテスタロッサ達が拠点として使っていたマンションだったのか……。
 ほかっておいてもアルフ辺が回収して行きそうだが、無視していくのも寝覚めが悪いと思いとりあえずはテスタロッサを俺の部屋へ運んでおこうとする。

「って、すごい熱じゃねぇか」

 こんな時期に風邪をひくのかは知らないが、魔法を使いすぎたせいでこうなったとかもあるためなんとも言えない。そもそも原作にこんなことがなかったとしても転生者(おれたち)がいるこの物語(じんせい)ではどんなイレギュラーがあるかなんて分かるもんじゃない。
 とりあえずテスタロッサを担ぎ上げ、部屋へ運んでいく。
 風邪かは分かんねーけどお粥でいいかな……。
 病人といえばお粥という等式が出来上がっているためお粥を作ることに。何よりコストが掛からないのはいいよね。
 そんなこんなでチャチャッとお粥を作り終え。

「お粥は作り終えた。鍵もオーケー。紙にも必要なことは書いたし、寝ますか」
『マスター!? 普通に寝ようとしてますけど、お客さんまだいますからね!? 病人っぽいし、勝手に寝ないでくださいよ?』

 そんなセレネの言葉もお構いなしに寝始める俺。そもそも起きた瞬間に殆ど知らない奴の部屋にいてずっとそいつが見てるってホラーだろ?
 だから寝てたほうがいいんだよ。

『色々考えているようですけど、結論としては寝たいだけでしょ!?』

 いい具合にセレネに核心を突かれたところで俺の意識は睡魔によってブラックアウトさせられた……。
 
 

 
後書き
第五話の投稿、無事完了しました。
大地は結構、小心者なところもあります。それは前世で人との関わりを極端に嫌った結果、人として未熟なまま人生をやり直すことになったからと考えてください。
なので大地の精神年齢はそれ相応の時(転生前の歳)とちょっと幼いななどと思う時があります。

初戦闘を終えた大地。マンションに戻るとそこに倒れているのは先程会った少女、フェイト・テスタロッサだった。
病気らしき彼女を部屋で看病する大地は……。

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