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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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五話

 
前書き
桂花と如水の会話です。
改行などを考えてみましたが意見を述べて貰うとうれしいです 

 
華琳の軍が城内に帰陣すると、すぐ将兵らに休みを与えると華琳はすぐ町に行き。父老らを話の場を設けた。まず盗賊を倒滅した事、この遠征で出た死者の亡骸を埋葬した事、その名簿と遺族への手当ての事。更に捕らえた賊を軍に置き監視させ更生させる事を父老達に語るなどして慰撫していた。
一方如水は城内の一室で、各兵士達の論功行賞の草案を作り、更に消費した糧食や負傷した騎兵馬の数の確認を行い、城内の予算と考えいくら補充するかを計算していた。
華琳が城に帰る頃に、如水もすべての作業を終えた事を華琳に報告をした。
二人はお互いを労い、談笑した。
「ご苦労。これをすべてあなた一人でやらせて申し訳ないわね」
「気にしないでほしい。剣を振るより得意なだけの事だ」
「その割には見事な部隊の指揮だったわね」
「そうやって持ち上げて、更に仕事を増やそうとしないでくれ」
「あら、残念」
如水が話を打ち切ると華琳も別の話を出した
「それにしても、人手不足なのは確かね。以前は、私一人でやっていたのだけど。今回はあなた一人に任せてしまったし。だれか人が居ればいいのだけど」
「その件にも関わるが、出陣前の事を覚えているか」
「ええ、あなたと旬彧と名乗る者が口論していたわね。なんであなたがあんなに熱くなっていたの」
「旬彧が糧食の量を半分にするように私に言ってきたのでな、私も呆れてしまったが、理由を話すように言ったが私には話したくないと言うだけで埒が無いと思い、担当から外したのだか、一度君が旬彧に話を聞いて見ればいいと思うが」
「そうね、時が時だけに話す事が出来なかったけど。一度意見を聞いて見るのもいいかもしれないわ。今から呼ぶから、あなたも立会いなさい」
「しかし、彼女は男嫌いの様だから私が居て話すとも思えんが」
「その程度で意見を述べないものに様は無いわ」
そう言って華琳は旬彧を呼ぶように近臣に命じた

半時ほと経ち旬彧が姿を見せたが如水がいる事に露骨に嫌悪感を見せていた
「来たわね。出陣の前は話を聞けなくて申し訳無かったわね、もう一度私の前で話を聞かせてくれる」
華琳がそういうと旬彧が喜んたが
「はい!…ですがその前にそこの男に席を外させて欲しいのですが」
と言って如水がこの場に居るのが不快だと言ったが華琳は聞き入れず
「如水は私の大事な臣の一人。それに今回の遠征の成功は如水に寄るところが大きい。それでも話せぬなら用は無い失せなさい」
華琳が旬彧の意見を一蹴すると旬彧も意見を述べる為に容儀を正した
「改めて名乗りを申し上げます、以前は南皮の袁紹の下に仕えておりましたが、身を置いても才の振るうすべが無く。また、袁紹自身に私を使う器では無いと見限りました」
「どうせあれの事だから、わからなくは無いわ。それがなぜ私の下に?」
「はい、城下で曹操さまを拝見した折に思ったのです。我が才は曹操さまの下でこそ生かされると」
「なにが望みなの」
華琳が問うと旬彧は華琳の目を見据えて
「この旬彧めを、曹操さまの軍師として幕下にお加えくだされ。必ずや曹操さまを勝利に導いてごらんにいれます!!」
「ふむ。なかなかの大言だが、根拠はあるのだろうか」
如水が質問すると旬彧は嫌悪を露にし
「天界から来たとか言う猿に語る事はないわ」
旬彧は如水の質問に、にべも無く断ったが如水は
「私が君を担当官から外した理由は、その自分の主観の知識そして、自身の考えを絶対的に信じすぎ、他者に対しての配慮を考えぬ所だ。もし我らが君の意見を聞き、それを実現したとしたら、兵達は前触れも無く食糧が少なくなる事に不安を感じそれが軍の士気に影響が無いと言えるのか。その上食糧が減ったのは君の売名の為だと思いこむ。そしてそれに答えた華琳に対して士卒はどう思うか考えたか、更に、私はその以前に君にその理由を聞いたが、君は華琳にしか自分の考えは理解出来ないと言い、話さないといった。そのように、自分の思い込みで相手を決め付ける者ににとても軍を勝利に導くとは思えないが」
そういって如水は旬彧を否定した
当然ながら旬彧は怒り如水に食って掛った
「なら、あんたと私の格の違いを見せる為に簡単に象棋で勝負をつけてあげる」
「構わないが、制限を設けさせて貰って良いかな?」
「…いいわよ、駒を取り上げなさい」
と旬彧は自分から言い出した手前その条件を飲んだ
「いや、その様な制限ではなく私達が動かす駒はこの遠征の部隊と見立て、私たちの指示で駒が動くかを華琳が判断した上で駒を動かしていく事にしよう」
「なんで、そんな面倒な事をさせるのよ」
「そこに気づかないようなら、君に軍師を務める資格は無いな。君は兵達を戦場ではただの駒だと思っているのか」
如水の言葉を聞き華琳がその意見に賛成した
そこにいたって初めて旬彧は如水の真意がわかった。自分の献策はただ自身が名を上げる為に兵の心情を考えなかった、反対に如水は味方をいたわり心置きなく戦えるように入念な気配りをしている事と。如水が自身も部隊の指揮を執り兵達と積極的に関わりを持ち信頼関係を築いていた事に。
その事に気づかされた旬彧は打ちのめされたように負けを認め、自身の無礼と非を詫びた。
「如水殿、申し訳ありません出した。その深慮遠謀とても私には及びません」
「旬彧殿、それは違う私は謀でその様に行動していたわけでは無い。この事はいかに相手の事を思いやれるかがそして皆がどう思うかとその様に考える事だ。いずれ君にも理解できるだろう」
ひたすらに詫びる旬彧に如水はそう言って励ました
それを見た華琳は
「話は終わったようね、旬彧。あなたの真名は」
「桂花にございます」
「桂花。これよりあなたを軍師として迎え入れそして私の真名を授けるわ。以後華琳と呼びなさい。我が覇業の為に大いにその才を振るいなさい」
「はっ!ありがたき幸せです華琳さま」
「しばらくは如水の下で働き文官として務めよ、戦陣においては我が帷幕に参与せよ」
「承知いたしました、如水殿の働きを間近で見知り、その上で必ずや華琳さまのお役に立って見せましょう」
桂花が下がっていくと、再び二人だけになった
「どう思う、桂花の事」
「私も見方を誤っていた。自らの非を素直に詫びれる者とは思わなかったのでな」
「そう、平時は文官として、あなたの手助けをさせるわ、これで少しはあなたの負担も減るでしょうし」
「了解したが、私に部隊指揮だけをさせてくれないのか」
如水が軽口を言うと
「有能な者を捨て置くほど私は寛容ではないのあなたは以後も軍師として帷幕に加わってもらうわ」
そういって華琳はその申し入れを断った
「あなたももう休みなさい、いずれ休む間のない戦乱が来る。その時までに万全を期さなければならない。私は決して敗者になどなる気はないの、その為にも今は力が必要。休める時に休んでおきなさい」
華琳が去って行くのを見届けた如水は、一人微かに笑った
「曹孟徳。乱世の奸雄として生き、大陸に覇を唱えたが、劉備、孫権にその覇道を妨げられついに天下を取る事が出来なかった。…いいだろう。この私が再び天下をかの者取らせてやろう」
そういって、決意を新たにした。
 
 

 
後書き
ラブラブと書いてますが。正直、如水に恋愛沙汰は似合いそうに無い… 
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