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金木犀の許嫁

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第八話 同居をはじめてその九

「今はまだ四人での生活をはじめたばかりだし」
「まだ慣れてないわね」
「そこでね」
「どんな人が来るか」
「心配になるわ」
「慣れてないことをはじめていて」
 真昼はそれでと話した。
「そこでまた新しいことにってなると」
「重荷が増えた感じがするわね」
「どうしてもね」 
 そうなるというのだ。
「本当にね」
「そうよね、しかしね」
「しかし?」
「それでもね」
 こう妹に言うのだった。
「夜空ちゃん一人でないから」
「私一人でないっていうと」
「四人いるでしょ」
「家族四人ね」
「今ここにいるね」 
 妹にハンバーグを食べつつ話した。
「四人皆でやっていくから」
「真田家の人をお迎えするにも」
「だからね」
 その為にというのだ。
「夜空ちゃん一人でないから」
「四人でやっていくから」
「だからね」
 それでというのだ。
「安心して」
「四人だから」
「一人で抱え込むことじゃないから」
「それでよね」
「そう、四人でその人をお迎えして」
 そのえうでというのだ。
「今度は五人でね」
「やっていくのね」
「そうなるわ」
「あと少しで来られますね」
 白華が聞いてきた、言いながらハンバーグを食べているがかなりの健啖家で美味しそうに食べている。
「その人は」
「そう」
 佐京がその通りだと答えた。
「来月には」
「そうなのですね」
「夜空さんは心配してるけど」 
 それでもというのだ。
「けれど」
「それでもなの」
「俺は何度かお会いしてるから知っている」
「それで、ですか」
「真面目で穏やかで」
 そうした人間性でというのだ。
「紳士。言うなら」
「言うならっていいますと」
「幸村公」
「真田幸村さんですか」
「あの人みたい」
「そうなのですか」
「そう」
 まさにというのだ。
「伝え聞く」
「そうですか」
「白華も幸村公は知っている」
「ご先祖様の主君ですから」
 猿飛佐助のというのだ。 
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