| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百三十六話 広い部屋その十一

「そうしてな」
「難を逃れますね」
「いざという時はどうするか」
「逃げるしかない時は」
「そうした時はな」
「そうしますね」
「逃げることも必要だ」
 こう言うのだった。
「我々はな」
「工作員は」
「隠れてだ」
 そうしてというのだ。
「素性を出さない様にしてだ」
「情報を集めるもので」
「勿論ばれても駄目だしだ」
 それにというのだ。
「しかもな」
「さらにですね」
「反撃などするとだ」
「抵抗したとみなされて」
「如何に連合といえどだ」
 工作員を殺さない国でもというのだ。
「攻撃してだ」
「殺してきますね」
「そうするからな」
 だからだというのだ。
「反撃は駄目だ」
「そうですね」
 上等兵もそれはと頷いた。
「やはり」
「だからな」
「そうした時はですね」
「マウリアを頼ってだ」
 同盟国であるこの国をというのだ。
「そしてだ」
「大使館や領事館に入り」
「難を逃れるのだ」
「それが工作員のやることですね」
「隠れて逃げてな」 
 そうしてというのだ。
「捕まらないことだ」
「工作員は」
「既に領事館の場所も把握している」
「この播磨星系の」
「それならだ」 
 是非にというのだった。
「いざという時はな」
「我々はですね」
「逃げ込むぞ、いいな」
「はい」
 上等兵は確かな声で頷いて応えた、そうして今は飲んで食べて過ごした。二人は連合に潜伏し働き続けるのだった。


広い部屋   完


                     2023・10・16 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧