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八条学園騒動記

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第七百三十五話 コアラとカモノハシその十

「そしてロキはだ」
「トリックスターである」
「謀略と火をだ」
「それに技術ですね」
「そうしたものを司っている、人はこの世の何かを司ることはだ」
 そうしたことはというのだ。
「絶対にだ」
「出来ないですね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「そんなことはだ」
「人間では出来ないですね」
「如何に進歩し発展してもだ」
 それでもというのだ。
「やがて人工の恒星や惑星、衛星もだ」
「造れますね」
「そうなるだろうが」
「それでもですね」
「何かを司ることなぞな」 
 神々の様にというのだ。
「出来る筈がない」
「左様ですね」
「それこそ死んでだ」
 そうしてというのだ。
「祀られないとだ」
「人間は神になれないですね」
「絶対にな」
 それこそというのだ。
「なれる筈がない」
「左様ですね」
「もし自分がこの世で最も偉いというなら」
 そう考えるならというのだ。
「何かを司ってみんとすることだ」
「神々の様に」
「この世で一番偉いならな」
「全知全能ですね」
「そうした神、アッラーだな」
「イスラム教の神ですね」
「その神の様にだ」
 それこそというのだ。
「全知全能でだ」
「何でも出来ますね」
「そう考えている輩はな」
 自分がこの世で一番偉いとだ。
「信仰なぞだ」
「ある筈がないですね」
「神を感じ信じていれば」
「その偉大さ素晴らしさを認識し」
「自分ひいては人間は矮小な存在とわかる」
「それでそうは考えないですね」
「だが神を信じず信仰なぞないからだ」
 それ故にというのだ。
「そうした考えをな」
「持ちますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「これもまただ」
「無神論者ですね」
「無神論者の中でも特にだ」
「愚かな部類ですか」
「無神論者には愚か者が多いが」
 大尉が思うにだ。
「とりわけだ」
「愚かですね」
「そこまで愚かになるとな」
 それこそというのだ。 
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