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神々の塔

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第五十三話 半ばを過ぎてその十

「おかしなかった」
「そやったね」
「向こうもぎりぎりやったが」
「こっちはね」
「あっちは圧倒的劣勢でや」
 その状況でというのだ。
「ぎりぎりで」
「うち等は逆に優勢やったのに」
「圧倒的にな」
 戦力を見ればというのだ。
「そやったのにな」
「ぎりぎりやったね」
「それやとな」
「負けはどっちか」
「僕等になるわ」
 芥川はウォッカを飲んでから憮然として話した。
「ほんまな」
「周りがどう言うても」
「そやから連合ではや」
 自分達の勢力ではというのだ。
「あの戦争に勝ったっていうモンおらんな」
「それこそ誰も」
「引き分けとすらや、嘘でな」 
 それでというのだ。
「強引に勝ったともな」
「言えるね」
「マスコミがよおやるわ」
 その関係者達もとだ、芥川は自分達が起きた世界での彼等のことを思いながらそのうえで綾乃に話した。
「例えばあるチームの若手が育ってへん」
「それを言い募るんやね」
「根拠があっても無視してな」
 そうしてというのだ。
「もうたがひたすらや」
「育ってへんという」
「あれも駄目これも駄目って言うてな」
「駄目出しばかりして」
「あかんと言い募ればな」
「それが真実になるね」
「嘘は一人にちょっと言えば嘘になる」
 綾乃にチーズそれもかなりの匂いがするウォッシュチーズを食べながら話した、その匂いも楽しんでだ。
「しかし大きな嘘をや」
「皆に言えば真実になるね」
「そうやが」
「今回はちゃうね」
「何を言うてもな」
 それが嘘でもというのだ。
「もう連合にとってはや」
「負けやね」
「そうした結果やさかいな」
「誰も言わへんね」
「そや」
 こう言うのだった。
「ほんまな」
「嘘も言えへん様な」
「誰もな」
「そこまでの負けやね」
「そや、まさかのや」
「それで引き分けとも言えへんで」
「それでや」
 そのうえでというのだ。 
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