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八条学園騒動記

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第七百三十一話 密林の生きもの達その八

「アマゾンはな」
「安全ですね」
「大型の肉食獣は木の上から地表を狙うが木の上にいる獲物は襲いにくい」
 ジャガー等のそうした猛獣達はというのだ。
「だからな」
「いいのですね」
「毒蛇もいるにしても」
 木の上にだ。
「地表よりはな」
「数が少ないですね」
「鬱蒼とビルの様な高さの木々が生い茂る中だ」
 アマゾンはというのだ。
「その仕組みは多層でもある」
「木々によって」
「そこでこうした猿達は軽快にだ」
「移動して生きているのですね」
「小型のオセロットの様な肉食獣をかわしつつな」
「あのネコ科の生きものですね」
 上等兵はクモザル達のコーナーの横にある彼等のコーナーを観て上等兵に言った、ジャガーに似た模様だがずっと小さい。
「そうですね」
「そうだ、あの生きものがオセロットだ」
「やはりそうですか」
「オセロットもまたアマゾンにいてだ」
「進化した生きものですね」
「木の上でも楽に移動出来る様にな」
「敢えて小さくなったのですね」
「その様に進化した」
 まさにというのだ。
「そこはクモザルと同じだ」
「小さく進化することも」
「その場合もな」
 こう上等兵に話した。
「あるのだ」
「そうなのですね」
「アマゾンは極めて過酷な環境だ」
 大尉はまたこのことを話した。
「生き抜く為にはその環境に適応することだ」
「そうした進化が必要ですね」
「そしてその進化は一つではなくな」
「小さくなることもですね」
「そのうちの一つだ」
「そうなのですね」
「あの生きものもだ」
 今度はブッシュドッグ一言で言うと胴長短足のどうにも動きが鈍そうな外見の生きものを観て話した。
「さして大きくなく動きもだ」
「鈍そうですね」
「だが泳ぎ上手であの身体の低さがだ」
「アマゾンの中で暮らすには適していますか」
「そうなのだ」  
 これがというのだ。
「実はな」
「左様ですか」
「ああした体型になるのもな」
「進化なのですね」
「その一つだ、キリンがアマゾンで生きていけるか」 
 この首も足も長い生きものがというのだ。
「象もな」
「大きさで目立ちしかもああした障害が多い場所では」
「生きにくいな」
「どうも」
「オオナマケモノやオオアルマジロがいてもな」
 アマゾンの中にはというのだ。
「やはり身体はだ」
「小さくなることもですね」
「進化の一つだ、だからクモザルは小さく」
「動きが軽く木の上で暮らしていて」
「ブッシュドッグは障害物が多い中を通りな」
「泳ぎも上手ですね」
「そうだ、あとアマゾンは雨が多い」
 大尉はこのことも話した。
「熱帯雨林気候だけにな」
「雨は多いですね」
「非常にな、大河の中にあり」 
 これもアマゾンの特徴だ、地球ではその名称の由来になっているアマゾン川流域を覆う様にして存在している。 
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