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八条学園騒動記

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第七百三十一話 密林の生きもの達その七

 小柄で細く手足も尻尾も長い猿達がいた、上等兵は木々の間を尻尾まで使って行き来している彼等を観て言った。
「まるで気の上で棲息している様な」
「そうした猿達だな」
「そう思いましたが」
「クモザルという」
 大尉はその猿の名将をここで言った。
「実際蜘蛛の様にだ」
「手足が細長いですね」
「だからそう呼ばれている、地表よりもな」
「ああして木の上にですか」
「いることが多い」
「そうした猿達ですね」
「アマゾンは危険に満ちている」
 この地域はとだ、大尉は言った。
「色々な自然環境があるが」
「その中でもですね」
「地獄とさえ呼ばれている」 
 そこまでのものだというのだ。
「地球では緑の地獄と呼ばれていた」
「アマゾンは」
「色々な星にアマゾンはあるが」
 そう呼ばれる種類の密林地帯はというのだ。
「そこにある葉の色が違うからな」
「植物も星によっては緑とは限りませんね」
「青や黒、黄色や赤や白とな」
「星によってはそうした色の葉の植物がありますね」
「植物の葉や茎は緑というのはだ」
 この認識はというのだ。
「人類が地球にあった」
「その頃のことですね」
「これが地球以外の星だとな」
「確かに緑の場合が一番多いですが」
「それぞれの植物、地域、星の進化でだ」 
 それ次第によってというのだ。
「まさにな」
「変わるものですね」
「そうだ」 
 こう話すのだった。
「人類はそのことを宇宙に出て知った」
「多くの生きものが多くの星に棲息していて」
「そしてそれぞれの進化やありな」
「生きものや植物の色も様々だと」
「知ったのだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「アマゾンもな」
「緑とは限らないですね」
「そうだ、そしてその地獄の中ではだ」
 大尉はアマゾンについてあらためて話した。
「地表にいるとアナコンダやワニがいて上から様々な生きものに襲われる」
「危険に満ちていますね」
「だからまだ木の上にいた方がだ」
 その方がというのだ。
「安全でな」
「それで、ですね」
「アマゾンのk型の猿達はだ」
 クモザルにしてもというのだ、今彼等が観ている。
「木の上にいることが多くだ」
「あの様な姿なのですね」
「木の上で素早く動ける様にな」 
 その様にというのだ。
「進化したのだ」
「それもまた進化ですね」
「アマゾンだ、木の上でも危険はある」
 このことは事実だというのだ。
「当然な」
「それは避けられないですね」
「しかしだ」
「まだですね」
「地表にいるよりはだ」
 木の上にいる方がというのだ。 
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