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X ーthe another storyー

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第四十五話 属性その十六

「どうも」
「氷豆腐ですね」
 征一狼が答えた。
「それは」
「そうですね」
「武田信玄さんや伊達政宗さんが有名ですね」
「はい、それが関西やとです」
 高野山のある、というのだ。
「高野山で出来たんで」
「高野豆腐ですね」
「そういうんです」
「そうですね」
「それが名物でして」 
 高野山のというのだ。
「戦いが終わったら」
「その時にですね」
「食べますわ、それに」
 空汰はさらに言った。
「わいを預けた実の両親にも」
「会いに行くのね」
「そうしたいですわ、住むとこはそのままですけど」
 火煉にも話した。
「高野山で」
「それでもなのね」
「親ともです」
「会うのね」
「そうしたいです」
「なら生きないとね」
「ほんまそうですね、生きたら」 
 そうであるならとだ、空汰はあらためて思った。その目には自分が生きた場合の運命が次々と浮かんでいた。
「その時は」
「やることが沢山あるわね」
「ほんまに」
「それならね」
「わいも生きます、ほな次戦になっても」 
 それでもというのだ。
「頑張っていきます」
「そうだな、では戦っていこう」
 神威も応えた。
「最後までな」
「そやな、それでな」
「それで。何だ」
「また美味いたこ焼き屋見付けてん」
 神威にこちらの話もした。
「そやからな」
「一緒にか」
「行かへんか?」
「いいな、たこ焼きもな」
 神威も微笑んで応えた。
「美味な」
「そやろ」
「手軽に食えてな」
「それでいて奥が深いやろ」
「ああ、いい食いものだ」
「東京も探したらな」
 そうすればというのだ。
「美味いたこ焼き屋がな」
「あるか」
「それでまた一見見付けたさかい」
 だからだというのだ。
「一緒にな」
「そうだな、行こう」
「お見舞いに持って行きます」
 空汰は火煉にも言った。
「そうしますんで」
「楽しみにしてるわね」
 火煉も笑顔で応えた。
「たこ焼きも」
「ほなそういうことで」
「昴流さんにもですよね」
 護刃は彼のことも話した。
「そうですよね」
「勿論や」
 これが空汰の返事だった。 
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