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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第四話 吸血鬼の話その二

「そうしましょう」
「はい、有り難うございます」
「ではお言葉に甘えまして」
 二匹も応える。かくしてだった。
 二匹の飲み物も決まった。まさむにゃ達にはミルクを用意するとだ。吸血鬼も話した。
 全て決めてからだ。一行はあらためて城の中に入った。城の廊下は暗い一歩先すらもわからない様な状況だ。しかしだった。
 吸血鬼はその暗闇の中を何でもないといった風に進んでいく。その彼の動きを見てだ。五代と一条は彼の背を見ながら話をした。
「流石ですね」
「闇夜には何もないか」
「ですね、見えてるんですね」
「そうだな」
 二人でだ。言うのだった。
「ちゃんと」
「道が」
「はい、見えています」
 実際にそうだとだ。吸血鬼も答える。前を向いて進みながら。
「私の目はそういう目ですから」
「吸血鬼は夜でも見える」
「だからか」
「そうです。私は吸血鬼です」
 そのことを話し。さらにだった。
「仕事は手品師です」
「手品師!?」
「仕事もあるのか」
「人の世で生きるのなら」
 それならばだとだ。吸血鬼も話してくる。
「仕事は必要ですから」
「だからですか」
「仕事も持っているのか」
「はい、猫達の餌代もそれで得ています」
 そのだ。仕事からだというのだ。
「そうしています」
「成程、つまり貴方は」
「自分を人間だと考えているのか」
「はい、そうです」
 まさにそうだとだ。二人に答える吸血鬼だった。
 そうした話をしながらだ。彼等は応接間に着いた。そこはごく有り触れた品のいい部屋だった。二人はそのソファーに座った。
 向かい側のソファーには吸血鬼が座る。にゃんぱいあ達はソファーの周りにそれぞれたむろしてだ。話し合いがはじまるのだった。
 二人にコーヒーを出しトマトジュースを飲みながらだ。吸血鬼が話す。
「それで御二人は」
「はい、別の世界から来ました」
「そこで戦っている」
「ああ。じゃあ噂は本当だったんですね」
 ふとだ。こんなことを言う吸血鬼だった。
「それぞれの世界が入り組んでいるんですね」
「えっ、まさか」
「知っていたのか」
「はい、聞いています」
 そうだとだ。吸血鬼は少し驚く二人に話す。
 トマトジュースを飲みながらだ。述べていくのだった。
「吸血鬼の集まりの中で」
「その中で聞いたのですか」
「我々のことを」
「仮面ライダーですね」 
 吸血鬼の言葉だった。
「貴方達は」
「ええ、俺がです」
 五代がだ。内心驚きながらも吸血鬼の問いに答えた。
「仮面ライダー、仮面ライダークウガです」
「やっぱり仮面ライダーの方でしたか」
「それでこちらにお邪魔したのは」
「何故僕が困っている猫達を助けるかですね」
「吸血鬼としてにしても」
「好きだからですよ」
 吸血鬼はあっさりとした笑みでだ。それが為だと答えた。
 そのうえでだ。こうも話したのだった。
「昔から動物は好きなんですよ」
「何かそれは」
「人間の会話ですよね」
「はい、そう聞こえます」
「僕は元々人間です」
 今度は屈託のない笑み、気品のある顔にそれを浮かべてだ。
 
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