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イベリス

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第百二十四話 相手の好みその七

「してるわね」
「カロリーが高いものばかり食べるとね」
「揚げものとかアイスクリームとか」
「そうしたらね」
「あんな太り方するのね」
「日本人の太り方は世界的に見てかなり細い方よ」
「肥満度かなり少ないのよね」
「太ってる人はいても」
 それは現実でもというのだ。
「極端な人少ないでしょ」
「もうビヤ樽みたいな人は」
「それは食べものの関係なのよ」
「そうよね」
「ただ中年になるとね」
「油断したら太るのね」
「若い頃痩せていても」
 そうだったとしてもというのだ。
「歳取るとね」
「太る人多いの」
「四十代になったら」
 それこそとだ、母は娘に話した。
「男の人だと髪の毛薄くなるか」
「太るか」
「女の人もよ」
「髪の毛薄くなるの」
「結構いるわよ」
 そうした人もというのだ。
「額が広くなる人とか」
「そう言われたら」
 咲はふと思い当たる人がいて言った。
「女性声優さんでも額広くなっていってる人いるわ」
「そう、女の人でもね」
「髪の毛のことあるのね」
「男の人程じゃなくてもね」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「あるのね」
「そう、それで太るかよ」
「どっちか、いや」
 咲は巷で擦れ違ったり出会ってきた人達のことを思い出した、今度は女性声優の人達だけでなくそうした人達のことを思い出したのだ。
「両方の人もいるわね」
「そうでしょ」
「逆に言えばどっちでもない人って」
「案外少ないわよ」
「そうよね」
「だから子供の頃とかね」
 母はさらに言った。
「人の体型や髪の毛を言ったら」
「中年になってなのね」
「泣き見るかも知れないのよ」
「自分もそうなって」
「そうよ、ただ太ってるとか髪の毛がないとか」
 そうしたことはというと。
「生きてるから言えるのよ」
「それシビアね」
「結構ね、四十代になるまでね」
 その頃までにというのだ。
「色々あってね」
「お亡くなりになる人もいるの」
「そうなの」
 母は残念そうに話した。
「これがね」
「人間今八十年でしょ」
「それでもね」
「人それぞれで」
「長生き出来ない人もいるのよ」
「そうなのね」
「事故とか病気でね」
 これもまた人生であり世の中だ、人間の一生程わからないものはなく実は明日のこともわからないのだ。 
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