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ドリトル先生の落語

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第十幕その六

「イギリスの首相になった人も」
「人相悪いね」
「よく見たら」
「いやらしそうだったり卑しそうだったり」
「そんなお顔の人達ばかりだね」
「人相は生き方が出ているからね」
 それでというのです。
「人相を見るとね」
「どんな人達かわかるからね」
「その生き方や性格が」
「ヤクザ屋さんだってそうだし」
「日本の学校の先生達だってね」
「もう人相見てもわかるのがね」
 それがというのです。
「実際だからね」
「テレビに出ている」
「それで人気がある」
「それだけでその人の言うことを鵜呑みにする」
「そうしたら駄目よね」
「そう思うよ、道化師のお笑いを楽しむのはいいことだよ」
 このこと自体はというのです。
「けれどね」
「その素顔を見る」
「それが笑っているならいいけれど」
「笑っていないとね」
「気を付けるべきだね」
「とぼけてもふりなら」
 それならというのです。
「何かあるとね」
「思った方がいいね」
「全くだね」
「素顔は見られるしね」
「メイクをしても」
「そう、メイクをしていても」
 先生もその通りと答えました。
「その実はね」
「素顔って見えるね」
「笑っているメイクでもね」
「口元や目を見たら笑っていない」
「そうしたことって見えるね」
「よく見ることだよ」
 まさにというのです。
「そうしたことも」
「道化師でもね」
「いつも笑っているか」
「本当に笑っているか」
「そうしたことまでね」
「道化師はホラー映画の定番だね」
 こうもです、先生は言いました。
「そうだね」
「あっ、そうだね」
「言われてみれば」
「道化師ってホラー映画の敵の一つだよ」
「日本の漫画でもアニメでも」
「ライトノベルでもね」
「それは一見笑っていて剽軽で」
 そうした風でというのです。
「その素顔は見えにくい」
「それが怖いからね」
「だから悪役の定番だね」
「そのうちの一つなのね」
「そういうことだね」
「これが仮面でもね」
 メイクでなくてもというのです。
「同じだよ」
「そうだよね」
「まさにね」
「仮面でもね」
「一見おどけていても」
「素顔は何を考えているかわからない」
「そういうのが出てね」
「怖いからね」
「そして道化師の悪役はね」
 今お話している彼等はというのです。 
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