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ドリトル先生の落語

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第五幕その五

「どうもね」
「僕達苦手ですしね」
 それでとです、トミーは白いご飯を食べながら先生に応えました。
「正座は」
「うん、どうしてもあれはね」
「苦労しますよね」
「慣れないとね」
「どうしても」
「イギリス人は絶対に苦労するよ」
 正座にはというのです。
「あの座り方は実は中国にはじまるけれど」
「今中国でもないですよね」
「普通に椅子に座っているね」
「そうですよね」
「そうなっているから」
 だからだというのです。
「正座をしている国は今では」
「日本だけでしょうか」
「他の国では見られないと思うよ」
 今ではというのです。
「よくあんな足が痺れる座り方があるものだってね」
「思いますよね」
「本当に体罰にもなる筈だよ」
「足が痺れるので」
「いじめや虐待にもね」
 こうした酷い行いにもというのです。
「使えるしね」
「そう言うと危険な座り方でもありますね」
「そうだね、しかしそれをよしとする先生がいることも」
 このこともというのです。
「日本の学校の問題点だよ」
「全く以てその通りですね」
「いい鉄は釘にはならなくて」
「いい人は先生にならない」
「それが日本の現状だからね」
「学校の」
「特に公立はね」
 こちらの学校はというのです。
「よくないことだよ」
「全くですね」
「こんな状況は一刻も早く改善すべきだよ」
「体罰を行う先生は」
「正座についても悪い印象を持たれるしね」
 この座り方についてもというのです。
「本来は日本のマナーのね」
「礼儀正しい座り方ですね」
「そうなんだよ」 
 本来はというのです。
「僕達が苦手でもね」
「そうした座り方で」
「いいものなんだ」
「それを体罰に用いることは」
「前にも言ったけれどね」
「よくないですね」
「ましてや生徒にさせて自分はしないとなると」
 それはというのです。
「全く以て言語道断だよ」
「先生としてやってはいけないことですね」
「生徒の人達に丸坊主を強制するなら」
「自分もしないとですね」
「駄目だしね」
「自分の指導に問題があったということですしね」
「丸坊主にするだけのね」
 そこまでのというのです。
「仮にも先生ならね」
「クラスの担任でも部活の顧問でも」
「どちらでもね」
「先生ならそうですね」
「それを無視していてもわかっていなくても」 
 どちらでもというのです。
「そこで自分も丸坊主にしない先生はね」
「言語道断で」
「こんな先生のところにいていいことは何一つないよ」
「人にものを教える資格もないですか」
「ある筈がないよ」
 絶対にという言葉でした。 
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