| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

可愛いマスコットは貴重

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「お話してるらしいから」
「そうなの」
「本社の企画部や広報部の人がね」
「それで可愛いのになのね」
「してくれると思うわ、何しろね」 
 杏美は笑って話した。
「協力してくれるのは八条アニメだから」
「ああ、うちのグループのアニメ制作会社ね」
 カーチャはうどんを食べつつ応えた。
「八条グループの中の」
「そうよ、そこにね」
「マスコットのことお願いしてるのね」
「ちゃんとしたデザイナーか漫画家さんかイラストレーターさんか」
「そうした人達がなのね」
「働いてくれるから」
 だからだというのだ。
「安心してね」
「いいマスコットにしてくれるのね」
「まあ気に入らないって人は出ると思うけれど」
 杏美は笑って話した。
「どうしてもね」
「百人いて百人が気に入る様なものもね」
「ちょっとないわよね」
「だからね、例えば日本人とイタリア人で感性違ったりするでしょ」
「正直日本の幽霊何が怖いかってね」
 カーチャはこのことを真顔で話した。
「思ってるわよ」
「自分に来ないし」
「それでゆっくりと迫ったりするから走って逃げたらね」
「終わりね」
「教会にでも逃げ込んだら」
 キリスト教のというのだ。
「いいでしょ」
「そう思うからよね」
「何が怖いのかよ。大きな烏賊や蛸が暴れ回る方が」
 カーチャはそうした映画の話をした。
「怖いわ」
「どっちも全然怖くないわよ」
 今度は杏美が真顔で答えた。
「どれだけ食べられるかって」
「日本人は思うわよね」
「まあ烏賊も蛸も大き過ぎたら身体が固くなって」
「美味しくないっていうのね」
「けれどどっちも食べものよ」
 日本人の感覚ではというのだ。
「極論すれば鮫だって食べるし」
「アメリカって鮫映画多いけれどね」
「その鮫だってね」
「日本じゃ食べるし」
「ミズダコが人を襲うなんて殆どの日本人知らないし」 
 この蛸は大型で時としてそうしてくることもあるという。
「図鑑でもどうお料理したら美味しいか」
「そう書いてるだけね」
「だから大きな烏賊や蛸が出ても」 
 そうしたホラー作品でもというのだ。
「日本人は全然ね」
「怖がらないのね」
「そうよ」 
 こうカーチャに答えた。
「本当にね、それで怖いと思うのも」
「その国の文化次第ね」
「そうよ、だからマスコットも」
「どう可愛いかって思うのは国によって違うわね」
「それはあるわね」
「そうね、けれどここは日本だし」
「日本人の感覚で」
 まさにそれに基づいてというのだ。
「考えてね」
「決めて」
「宣伝していくことになるわ」
「それじゃあね」
 こうしたことを話してだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧