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可愛いマスコットは貴重

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第三章

 二人も働きながらそのうえで自分達もマスコットのことを考えていった、それで選ばれたものはというと。
 旅行に行く女の子のものだった、眼鏡をかけて可愛い顔立ちの所謂萌えキャラというものだった。そのキャラが会社の公認マスコットになり。
 早速宣伝された、カーチャはそのマスコットを見て杏美に話した。
「いいマスコットね」
「うちは観光会社だからね」
「丁度いいわね」
「そうよね、これならね」
 まさにとだ、杏美も話した。
「人気も出るわ」
「いいマスコットだからね」
「奈良県でもね」
「人気出るわね」
「ええ、マスコットが可愛いと」
 杏美はさらに言った、見ればそのマスコットは短いスカートでカラフルな可愛いファッションでアクセサリーもある。その全ては可愛くデザインされている。
 そのマスコットを社内で見つつだ、カーチャに言うのだった。
「その分いいわよね」
「本当にね、間違ってもよ」
「マスコットが可愛くなかったら」
「もうね」
 カーチャはここでもこう言ったのだった。
「それはね」
「それだけでよね」
「駄目よ」
「そうよね」
 杏美もそれはと頷いた。
「奈良県にいると余計にわかるわね」
「あんなのが公認だからね」
「可愛いんじゃなくて」
「トラウマ持つ位に気持ち悪いから」
 だからだというのだ。
「そんなマスコットだから」
「ここはね」
「そんなマスコットを見ていたら」
「余計に思うわよね」
「どんな会社もお役所も」
「マスコットは可愛くないとね」
 そうでなければというのだ。
「駄目よ」
「そうよね」
「間違ってもあんな気持ち悪いのだと」
「可愛くないので済まないで」
「見ていて嫌になるわよ」
「本当にね」
 カーチャも心から言った。
「そのことをわかっているかいないか」
「それって大事よ」
「例え注目されることになっても」
「気持ち悪くてかえってね」
「それでもマスコットはね」
「まずは可愛い」
「それに尽きるわ」
 何といってもという口調での言葉だった。
「本当にそう思うわ」
「やっぱりね」 
 二人でこうした話をした、そして。
 このマスコットは正式な名前も決められたうえでそのうえで企業全体で紹介され宣伝もされて人気が出た、それは奈良県もであったが。
 カーチャは奈良の街でまた例のマスコットを見て共にいる杏美に言った。
「何度見ても気持ち悪いわね」
「こんなのマスコットにしたセンス疑うわよね」
「国によって可愛いの基準は違っても」
「これはないわ」
「このマスコット世界の何処でも不人気よ」
「絶対にそうよね」 
「誰が見ても可愛くないマスコットってあるのよ」
 こう言って二人で昼食を食べに行った、この日の二人の昼食はスパゲティだったが二人共こちらには満足した。そして今度は誰が食べても美味しいものがあると笑顔で話した。


可愛いマスコットは貴重   完


                  2023・3・14 
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