| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーカブト 明日のその先へ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九章

「バトルファイトと同じですね。俺達ライダーと首領の」
「そうかもな。バトルファイトにはその意味もあったのかも知れない」
 相川はジョーカーだった頃と今も何か同じ戦いをしているようにも感じていた。彼等が因果の中にいるという現実を感じてのことだった。
「しかし俺達が負ければ」
「ええ」
 皆橘のここでの言葉に頷く。
「バトルファイトでのあの結末と同じになる」
「世界の破滅が」
 皆口々に述べる。今ライダーの宿命を悟ったのだ。彼等は何があっても死ぬわけにはいかない。死なずに首領に勝たなければならないのだ。何があろうとも。
「因果ですよね、それって」
 上城は完全に俯いてしまっていた。戦いを好まない彼として素直な心境であった。
「仮面ライダーになった者の宿命って」
「だが逃げるわけにはいかないんだ」
 剣崎の言葉がまた述べられた。
「俺達仮面ライダーは。何があっても」
「俺、普通に警察官やっていたんですよ」
 志村はふとこう述べてきた。
「皆の平和を守って穏やかにって」
「あたしも平凡にOLやってたし」
「俺だって平和にウェイターやってたし。けど」
 三人はそれぞれ言う。しかし今は違う。それも確かに納得していた。全てを納得したうえでの言葉であったのだ。そうでなければ最初から仮面ライダーに選ばれはしない。運命に選ばれはしないのだ。
「仮面ライダーだから」
「やりますよ、最後まで」
「わかった」
 剣崎は三人の言葉を受けて微笑んできた。
「それなら行くぞ。いいな」
「はい」
「渋谷ですね」
「そうだ」
 橘が彼等に答える。
「ゼクトと協力してだ。いいな」
「わかりました」
「何か他のライダーと共闘っていうのははじめてですけれど」
「何、それはそれで頼りになるさ」
 七人は立ち上がる。剣崎はその中で彼等に対して述べた。
「他のライダー達もな」
「渋谷でゼクトと合流する、いいな」
 彼等は渋谷に向かって出撃した。同じ頃ゼクトも渋谷に向かった。こうしてライダー達とワームの戦いの幕が再び開いたのであった。
 加賀美と田所は三人の新しいライダー達と共に渋谷のすぐ側まで来ていた。そこにゼクトルーパー達と共に集結して今突入しようとしていた。
「田所さん」
 加賀美は横にいる田所に声をかけてきた。
「他のライダー達は」
「ドレイクは岬が声をかけている」
「来ますかね」
「わからん。カブトもホッパー達も行方が知れない」
「そうですか。確かなのは俺達五人と」
 加賀美はさらに言う。
「ボードのライダー達ですか」
「そうだ。今彼等が来たぞ」
 その七人のライダー達が今来た。バイクを止め加賀美達のところにやって来た。
「お待たせしました」
 橘が田所に声をかけてきた。
「ボードの橘朔也です」
「ゼクトの田所修一です」
 二人は互いに言葉を交あわせた。
「宜しくお願いします」
「はい。それでは早速ですが」
 田所は渋谷の方を見て言葉を告げる。
「我々はこのまま正面から攻撃を仕掛けます」
「大丈夫ですか?」
「はい、その為の五人のライダーです」
 橘に顔を向けながら答える。
「フォローはお願いします」
「わかりました。剣崎」
 橘は田所のその言葉を受けて剣崎に顔を向けてきた。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧