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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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5-8

 璃々香先輩と衣笠響の決勝が始まって、お互い同じようにポイントを取り合っていたけど、1セットマッチなのでゲーム数が4-2になって璃々香先輩がリードしていたのだが、その後・・・急に、璃々香先輩が相手の左サイドライン際ばかりを狙うようになって、結果、左右に振られ続けて、ゲームカウントも連続で取られ続けて、敗退してしまっていた。

「どうしたんですか? 最後おかしかったですよね」

「へぇー そうかなー 相手のほうが上手かったんじゃあないのー 京都の女王だから」

「ウソです 先輩 何か おかしいぃー」

「ウフツ その女王のペァを倒すのは 山葵でしょ」

「先輩 もしかして ウチのことを・・ リベンジしたいでしょって言ってましたよね? バカです! 先輩は ウチなんかのことを・・」

「ウフフッ そのバカ者と組んでいる後輩は大バカ者よね だけど、頂点に立つのよ! 私は個人で京都の頂点なんか目指してないわ」

 そして、私達は先輩のお兄さんが撮ったという前回の学館ペァのビデオを見て、対策を打ち立てていったのだ。そして、練習。あの[参の型]というのをサーブでやれ というのだ。

「先輩 無理です あれは走って踏み込まなければ高くジャンプ出来ないです 腕だって曲がっちゃいそうで・・」と、訴える私に

「大丈夫 弱音吐くんじゃあない 山葵は身体が柔らかいし ジャンプ力もあるのよ ほらっ [参の型]! 響は山葵の外に流れる[壱の型]しか頭に入ってないわ だから、[参の型]だと、はずんで胸元に食い込んでくるから、戸惑って、まともなリターンは出来ないはずよ 真っ向からやっても、近畿大会予選の時みたいにすんなりいかないわよ!」

「先輩 また ウチで遊んでないですか? 漫画みたいに簡単に・・」

「そう 漫画みたいに ヒロインなのは 山葵よ はやぁーくぅ もう一つあるんだからネ 秘技がー」

「えぇー もう、ええ加減にして下さいー ウチ オモチャじゃあないんですからー」

「オモチャねえー コーチから言われたワ 山葵はお前のオモチャじゃぁないんだから、大切にしろよっ もちろん 大切に育ててるヨ 山葵にやらせてることは、昔のチャンピオン沢井智子さんが若い頃 実際に挑戦していたことよ」

「挑戦でしょっ ウチに出来るわけないじゃぁないですかーぁ」

「山葵なら 出来る だって [参の型]もすぐに出来たじゃぁない あのねー 今のままで響に通用しないことわかったでしょ! 相手を憎まなきゃーだめよ!」

 私は、その日も次の日も遅くまで、しごきに耐えて続けていたのだ。


 
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