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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その二十一

「サハラでは多かったですね」
「中には戦争に勝利してもその国の国家予算の十年分の軍事費を使った国もありました」
「敗戦の際も同じです」
「かなりの予算を使った国もありました」
 そのうえで敗北しそして戦勝国に賠償金を支払う財政が破綻したケースもある、それでもこうしたケースも多かった。
「そう思いますと」
「実にですね」
「我々としましては」
「勝利の為には」
「これだけの予算も当然です」
「むしろこれから増加します」
「それも遥かに」
 そうなることを確実視しての言葉だった。
「それではです」
「財務省が何を言っても」
「それでもです」
「我々としては聞けません」
「戦争に勝つ為には」
「閣下もです」
 シャイターン、彼もというのだ。
「納得されることです」
「あの方が戦争を指揮されていますから」
「それならですね」
「財務省も嫌な顔はしても」
「頷くしかないです」
「そうですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「認めてもらいましょう」
「財務省には」
「主席もおられますし」
「虎の威を借るではないですが」
 それでもというのだ。
「こちらは勝たねばなりません」
「さもなければティムールが滅んでしまいます」
「そう考えますと」
「予算は必要です」
「国債を幾ら発行しても」
「まずは戦争に勝つことです」
「勝ってどうなるか」
 そうなってこそというのだ。
「予算がどうこう言えます」
「赤字だの何だのと」
「そう言いたければまず勝って生き残る」
「サハラを統一してです」
「それからのことです」
「それをしなければ」
 国債の話もというのだ。
「出来はしません」
「今我が国は統一か滅亡かです」
「どちらかという状況です」
「例え予算を幾ら使おうとも」
「それでも仕方ありません」
「ではです」
「使っていきましょう、予算を」
 こう言ってだ、彼等はとかく予算を計上しそのうえで戦争に向けていた。それはまさに青天井であった。
 しかしそれでも彼等はいいとしていた、だがやはり財務省としてはだった。
 戦争の軍事費を見て苦い顔になっていた。
「仕方ないにしても」
「それでもです」
「多いですね」
「予算が多過ぎます」
「もう国債の発行は確実です」
「国民だけではないです」
 彼等に買ってもらうだけでなくというのだ。
「他国にも発行しますか」
「ですがどの国が買ってくれるか」
「連合各国はないです」
 サハラに無関心なこの国はというのだ。 
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