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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その二十

「我慢してもらいましょう」
「国家予算何年分の軍事費になろうとも」
「戦争は勝つことです」
「勝たねばならないですから」
「戦争の後で莫大な国債を発行してでも」
「仕方ないですから」
 予算のことはというのだ。
 それでだ、彼等はその軍事費の内容もチェックした、移動の際のエネルギーにも弾薬にも糧食についても全てかなりの額がかかっている。
 それでだ、彼等はあらためて話した。
「これ位はです」
「当然ですね」
「あれだけの戦争をしていれば」
「それではですね」
「これ位は当然ですね」
「むしろ」
 一人がこんなことを言った。
「戦争で軍事費が予定通りに収まれば」
「はい、その方が不思議ですね」
「むしろですね」
「その方がですね」
「若しそんなことになれば」
「不正が行われている」 
 その事態が起こっているというのだ。
「その場合は」
「そうですね」
「軍事費は予定通りにならない」
「必ずそうはならず」
「間違いなく大きくなります」
「そうなってしまいますね」
「そうです、ですから」
 それでというのだ。
「財務省は戦争のことを詳しく知りません」
「流石にサハラの者なので知ってはいます」
 それも肌でだ、戦乱の世界にいれば戦争というものを戦場に出たことがなくても自然と身に着いてしまうのだ。
 だがそれでもだ、彼等はというのだ。
「専門としては知りません」
「文官の我々も前線のことは知らないですが」
「ですが彼等よりも知っています」
「それで言えます」
「戦争はそうしたものです」
「予算は想定です」
 それを組んでもというのだ。
「想定でしかありません」
「それは予定通りにはいきません」
「むしろ予定通りに進む筈がありません」
「左様ですね」
「予定より多くなります」
「戦場は常に動いています」
「不測の事態が起こるのは常です」
 それこそというのだ。
「その都度予算が変わります」
「損害は予定より多くなり」
「戦局も長引きます」
「そして輸送艦隊も送ります」
 当然彼等が送る物資や移動の時のエネルギーも金がかかる、とかく戦争そして軍隊は金がかかるものなのだ。
「急遽送り」
「補充戦力も送り」
「整備にも予算が必要です」
「全てに必要ですから」
「それではです」
「予定通りにならず」
 それでというのだ。
「多くかかり」
「それがかなりのものになっても」
「戦争とはそういうものです」
「想定された予算の二倍三倍も常です」
「ましてその年度の国家予算を超えることも」
 そうした事態になることもというのだ。 
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