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ドリトル先生と桜島

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第一幕その四

「人を平気で殺すなんてね」
「絶対にしなかったよね」
「後藤さんもそうで」
「むしろ板垣さんって竹を割ったみたいな人で」
「身分が低い人にも寛容だったんだね」
「そうだよ、それで当時脱藩は罪だったけれど」
 龍馬さんがしたことはです。
「それが赦される様に動いていたしね」
「龍馬さんの為にね」
「何か頼まれてそうしたらしけれど」
「悪い人で郷士の人達を平気で殺す様な人なら」
「絶対にしないね」
「そうだよ、ある創作では人を後ろから刺し殺す様なこともしているけれど」
 ある龍馬さんを主人公にした漫画のお話もしました。
「こうしたこともね」
「絶対にしなかったね」
「そんな武士としてどうかと言われることも」
「そして堂々としていて」
「刺客に来た中岡慎太郎さんを説得して」
「後で盟友同士になったんだよね」
「この中岡さんも土佐藩の郷士だったよ」
 龍馬さんと同じくというのです。
「陸援隊を立ち上げたね」
「刺客に来た人を説得して盟友同士になるとか」
「板垣さん凄いわ」
「相当肝が据わってて」
「しかも器もあったのね」
「間違いなくね、そんな人で龍馬さんもね」
 この人もというのです。
「お会いしたことはなくても」
「それでもだよね」
「何かこうした人がいて」
「頼れるってね」
「同志の志士の人達に紹介してたんだよね」
「龍馬さんも」
「お互いお会いしたことはなかったことは事実で」
 それでというのです。
「聞いているだけだったけれど」
「何か凄い人がいるってね」
「お互い聞いていて」
「それで助け合う」
「そうした間柄だったんだね」
「確かに龍馬さんは上士の人達が嫌いでね」
 そうしてというのです。
「身分制度がなくなることを望んでいたけれど」
「それでもよね」
「板垣さんのことを聞いていて」
「ちゃんと評価していたのよね」
「お会いしたことはなくても」
「この通り幕末でもね」
 この時代のこともというのです。
「色々創作の題材になってるけれど」
「事実とは違う」
「そうしたことが多いのね」
「歴史を題材にしていても」
「脚色されているんだね」
「シェークスピアでもそうだね」
 先生は祖国のあまりにも有名な作家さんのお名前も出しました。
「かなり創作が入ってるね」
「そうそう」
「あの人の作品もそうなのよね」
「その実は」
「あくまで戯曲で」
「お芝居の為に書かれていて」
「マクベスもリチャード三世もね」
 書かれている歴史上の人達もというのです。
「実際は違うというのがね」
「歴史だね」
「事実なんだよね」
「シェークスピアの作品とは違って」
「実際の人となりは違うわね」
「果たして本当にリチャード三世は狡猾な極悪人だったか」
 先生は考えるお顔で述べました。 
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