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ドリトル先生と桜島

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第一幕その五

「よく調べる必要があってね」
「日本でもそれは同じで」
「幕末もそうで」
「後藤さんや板垣さんは本当に悪人だったか」
「龍馬さんをいじめていたか」
「実は違うんだ、龍馬さんが子供の頃いじめられっ子だったことは事実でも」
 それでもというのです。
「後藤さんや板垣さんは無関係だよ」
「そこを敢えて登場させて」
「後藤さんや板垣さんを敵役にすると」
「当時の身分を書いて」
「龍馬さんが身分制度を嫌って変えようとした」
「そう思うはじまりになるね」
「確かに土佐藩は身分制度が厳しくてね」
 先生はまた事実をお話しました。
「龍馬さんは否定してね」
「変えようとした」
「そのことは事実だよね」
「けれど上士の人達にいじめられていた」
「そのことはどうかというと」
「違っていてね」
 その実はです。
「創作は創作でね」
「事実は事実」
「そこはわからないとね」
「やっぱりね」
「よくないね」
「そうだよ」
 こう皆にお話します。
「これは何時のどの国の歴史も同じだけれど」
「幕末もそうで」
「じゃあ西郷さんと大久保さんもだね」
「鹿児島の人達のことも」
「そこはわかって」 
 そうしてというのです。
「しっかりと学んでいかないとね」
「そういうことだね」
「じゃあ僕達もそうするね」
「先生と一緒に鹿児島に行ったら」
「その時はね」
「勿論皆は一緒だよ」
 動物の皆はというのです。
「だって皆はいつも僕と一緒だね」
「その通りだよ」
「私達は何があっても一緒よ」
「先生とは離れないよ」
「先生がいないと僕達駄目だしね」
「だからね」
「僕だってだよ」
 先生にしてもというのです。
「皆がいてくれないとね」
「先生家事出来ないしね」
「世間のことは全く駄目だから」
「僕達がいないとね」
「何も出来ないよね」
「いや、本当に世間のことはね」 
 先生ご自身も言うことでした。
「駄目なんだよね」
「だからだよ」
「勿論鹿児島でも一緒だよ」
「先生何かと任せてね」
「周りのことは皆僕達がするから」
「そうさせてもらうからね」
「宜しくね、しかし僕は一人では生きられないね」
 ここでこうも思った先生でした。
「何も出来ないからね」
「一人で生きられる人はいないじゃないですか」
 トミーが先生に微笑んで言ってきました。 
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