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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その十三

「ここまですぐに戦場に送るのはな」
「そうはないですね」
「それだけ戦局が辛いということでしょうか」
「事前の確認の為の試操縦もせずにとは」
「そのまま戦場に送るとは」
「そうだな、そう思うとな」
 工場長は周りのスタッフ達に言った。
「ティムールもまずいな」
「進水式をしてです」
「もうそのままですから」
「こんなことはこれまでなかったです」
「試操縦はしていました」
「そうして艦の状況を確認していましたが」
 戦争中でもというのだ。
「それをしないとは」
「即座に戦場に送るとは」
「こんなことははじめてです」
「全くですね」
「本当にティムールは大丈夫か」
「そうも思ってしまいますね」
「どうもな、だが艦艇がないとな」
 工場長はスタッフ達にこうも言った。
「戦争にならないからな」
「宇宙での戦いはそうですね」
「艦艇があってこそです」
「それで戦争になります」
「艦艇がなくて」
「一体どうして戦えるのか」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「俺達がやることはな」
「艦艇を建造してですね」
「それを前線に送ることですね」
「今の様に」
「それを怠るとだ」
 若しそうすればというと。
「戦争に負けるぞ」
「全くですね」
「そうなってしまいますね」
「ではこれからも」
「艦艇を建造していきますか」
「今工場の稼働時間は二十四時間だ」
 一日を二十四時間としてだ。
「それだけある、朝も昼も夜も建造している」
「まさに四六時中ですね」
「動いていない時間はありません」
「作業員は交代していますが」
 流石に彼等は休んでいる。
「ですが」
「工場自体はです」
「二十四時間体制です」
「常に動いています」
「そうなっています」
「だからですね」
「艦艇が建造されますと」
 その時点でというのだ。
「塗装を済ませ進水式を行い」
「そして戦場に行ってもらう」
「これからも」
「そうしてもらいますね」
「そうだ、しかし作業員もな」
 工場長は彼等の話もした。
「最近疲れが溜まっているな」
「休日も減っていますし」
「また作業時間も長いです」
「そうなっていますから」
「だからですね」
「皆疲れていますね」
「疲労が蓄積していますね」
 スタッフ達も言う、見れば彼等にしても疲労が感じられる顔だ。過労のせいであるのは明かである。 
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