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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その十二

「何も出来ません」
「左様ですね」
「何も出来ないですね」
「忌々しいですが」
「そこは仕方ないですね」
「諦めてです」
 そうするしかなく、というのだ。
「中継基地化は放置しましょう」
「ですがやがてはです」
「あの場所を奪還しましょう」
「勢いを盛り返し」
「そのうえで」
「そして我々も」
 自分達もというのだ。
「このサマルカンド星系を中心とし戦線に物資を送りましょう」
「幸い物資はあります」
「食料もエネルギーも弾薬も」
「艦艇は不足していますが」
「工場はフル稼働していますので」
 その為にというのだ。
「建造は進んでいます」
「後は完成した艦艇を戦線に送るだけです」
「その不足を何とか補いましょう」
「何なら旧式の艦も引っ張り出し」
 もう予備役とし戦線には出していない艦艇もというのだ。
「戦線に送りましょう」
「旧式でもないよりましです」
「まずは艦艇があることです」
「それが必須ですから」
「いざとなれば旧式艦も戦線に送りましょう」
「民間に払い下げた艦も買い戻し」
「そして戦線に送り」
 そうしてというのだ。
「戦いましょう」
「このままでは旧式も何も言っていられなくなります」
「まず数です」
 艦艇の不足を補うことを念頭にしての言葉だった。
「それを用意しなければ」
「将兵がいても艦がなくては話にもなりません」
「それには工場をフル稼働し」
「それでも足りないなら旧式艦も送り出し」
「何とか数を整えましょう」
「まさにないないよりはましですから」
 旧式であろうと何でもというのだ。
「全ての工場をフル稼働している現状ですが」
「本当にそれでも足りないならですね」
「その危惧もありますね」
「今の状況では」
「そう考えますと」
「今のうちから考えておきましょう」
 真剣にというのだ。
「そうしましょう」
「そうですね、さもないとです」
「いざという時に手遅れになります」
「全ては手遅れになる前に手を打っていく」
「これは基本ですから」
 軍のことだけに限らずというのだ。
「そうしていきましょう」
「ですね、ではです」
「艦艇は完成し次第前線に送る」
「何なら補充戦力に乗ってもらいそうして戦場に行ってもらう」
「そうもしましょう」
「今は我が軍は苦しい状況です」
「それならば」
 彼等はこう話して実際に艦艇が完成すると即座に戦場に遅らせた、これは全ての工場でそうであり。
 ある工場の工場長は塗装をしたばかり戦艦が戦場に向かうのを見て言った。 
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