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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その十一

「持ち堪えてです」
「また盛り返せます」
「まずは主席が戻られるまで耐えることです」
「ここはそうしましょう」
「速いうちに戦線を再構築し」
「崩壊を防ぎましょう」
「今の撤退から」
 かろうじて潰走には至っていない、彼等はこのことをよしとしていた。
「幸い戦死者は少ないです」
「戦える将兵は多いです」
「後は艦艇の補充です」
「建造した艦艇は即座に戦線に送りましょう」
「建造したそこから艦隊に配備しましょう」
「今は調整も言っていられません」
「そうした余裕はありません」
「艦艇は一隻でも多く必要です」 
 艦艇の不足、このことが深刻だというのだ。
「ですから」
「全工場がフル回転しています」
「二十四時間体制で建造を進めています」
 労働者達は交代制でそうしている、オムダーマンもそうだがティムールも総動員令を出してそれで以て動いているのだ。
「それならばです」
「各艦艇の建造を進め」
「完成した艦から即座に送りましょう」
「そして乗員を乗せ」
「そうして戦ってもらいましょう」
「再構築した戦線において」
「しかし、アッディーン大統領は」
 敵である彼のことも話された。
「進撃の時に一旦停止する傾向がありますね」
「そうですね、相手国の領内に進攻し」
「それがある程度に達すると然るべき場所に中継基地を築きますね」
「そうしてそこを足掛かりとして進撃してきますね」
「一時的な停止の後で」
「今回もまた」 
 自分達との戦争でもというのだ。
「左様ですね」
「一旦停止しました」
「そして中継基地の建築にかかっています」
「進撃を停止してまで」
「それまではかなりの速さで進んできましたが」
 それがというのだ。
「首都のバグダート星系から物資は矢次早に届けられていましたが」
「ここで我々の第二次防衛ラインを使い」
「そうして中継基地を築いて」
「バグダート星系からそこに拠点を移し」
「さらに攻め込んできますか」
「アッディーン大統領は補給を重視しています」 
 進撃の迅速さ、思わぬ奇襲と共にこのことも知られているのだ。
「だからですね」
「今はその補給を考え」
「そしてですね」
「中継基地の建築にかかっている」
「そこから腰を据えて我々と戦う為に」
「そうしてきていますね」
「何とかです」
 ある将官がここで言った、見れば准将の階級の称号を付けている。
「バグダート星系から中継地までの補給路を攻撃したいですが」
「最早無理ですね」
「我が軍はそこから遠く離れました」
「撤退してしましました」
「攻撃ルートも全て敵に落ちました」
「それではです」
 そうしたいのは山々であるがというのだ。 
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