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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その五

「どうしてもだ」
「士気が落ちますね」
「そうだ、俺が前いた国はエウロパと戦うとな」
「負けていましたか」
「勝ったことがなくてエウロパとの戦争になるとな」
 その時はというのだ。
「もう戦う前からこうだった」
「士気が落ちていて」
「まともな」
 それこそというのだ。
「戦うなんてな」
「出来なかったですか」
「そんな風だった」
 こう中佐に話した。
「本当にな」
「そうでしたか、俺の国は勝つか負けるかで」
「いつも負けていた訳じゃないか」
「はい、エウロパにも」
「それはよかったな、サハラの国には勝つ時もあったがな」
 それでもというのだ。
「エウロパにはな」
「負けてばかりで」
「もう逃げる兵士もいたさ」
「そこまで士気が落ちていましたか」
「ああ、そんな風だった」
 実際にというのだ。
「より士気は酷かった」
「エウロパとの戦争前は」
「本当にな、しかしな」
 ここでまた言う艦長だった。
「今ティムール軍の士気が落ちていることは事実だ」
「飛行隊もですよ」
「そうだな、この艦もな」
「全体がですね」
「士気が落ちて沈んでいる」
「最下位のスポーツチームはこんなのですね」
「ああ、実際こんなのだな」
 艦長は中佐の今の言葉を否定しなかった、それで言うのだった。
「見てるとな」
「そうですね」
「負けが続くとな」
「戦争もスポーツも」
「士気が落ちてな」
 そうしてというのだ。
「沈んでな」
「空気もですね」
「悪くなるな」
「そうなりますね」
「今の俺達みたいにな」
 それこそというのだ。
「スポーツチームもなるさ」
「戦争もスポーツも本当に同じですね」
「勝ち負けの世界だしな、ただな」
「俺達はですね」
「戦争をしているからな」 
 軍人としてそうしているからだというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「命のやり取りをしているからな」
 それだけにというのだ。
「余計にな」
「厳しいな」
「負けが続くと」
「戦いによるが負けた方が多く死ぬな」
「そうですね」
「戦死者は多いものだ」
 こう中佐に話した。
「だから余計にな」
「士気が落ちますね」
「まだ脱走兵は出ていないがな」
「これ以上負けが続くと」
「本当にな」
「そうした事態にもですね」
「なるからな」
 自分の経験からだ、艦長は中佐に話した。 
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