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神々の塔

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第十一話 魔王と呼ばれる者達その四

「あの娘はな」
「そういうことやな」
「頼もしい味方は敵になるとや」
 その時はというと。
「最強の敵になる」
「見事な世の摂理やな」
「それで大谷さんはな」
 彼はというと。
「美鈴ちゃんにとってはな」
「最強の敵やったんやな」
「どうにもならんまでのな」
「それでバケモンって言うたんやな」
「そやったんや」
「あの人こっちの世界に来たらどうなるねん」
 施はかなり真剣に言った。
「一体」
「そらもう僕等なんか足元にも及ばんな」
「えげつない能力になるか」
「どんな星のモンより凄いな」
 中里は真剣な顔で言い切った。
「あの人やと」
「自分等よりもな」
「足元にも及ばん位な」
 そこまでというのだ。
「強いで」
「やっぱりそやな」
「万能の天才やない」
 如何に大谷翔平といえど、というのだ。殆どの神霊達がそうであるのなら人もまた全知全能万能ではないというのだ。
「決してな」
「野球は兎も角な」
「他はどないか」
「というかその大谷さんもキャッチャー出来るか」 
 施は考えつつ言った。
「ピッチャーとして規格外でな」
「バッターとしてああでな」
「二刀流なんていう有り得ない人でもな」
「キャッチャーはどうか」
「他のポジションでもな」
「ピッチャーは才能の塊やが」
 中里は言った、ピッチャーは野球で最も重要なポジションでありそれになる者はやはり能力が違うのだ。
「しかしな」
「キャッチャーはどないか」
「野村さんやとな」
 メルヴィルは日本のこの偉大な野球人を思い出した。
「キャッチャー、バッター、監督でな」
「実力発揮したな」
 施はメルヴィルにも応えた。
「凄かったらしいな」
「ああ、現役時代な」
「それでも他のポジションはどないか」
「どう見てもセカンドとか無理や」
 メルヴィルは言い切った。
「あの体格やとな」
「まさにキャッチャーやる人やな」
「野球やとな」
「それでスラッガーやな」
「そや、打率もよかったけどな」
 三冠王も獲得しているのだ。
「そやけどな」
「基本パワーヒッターやな」
「相手を研究して」
 これは野村の特徴である。
「それでボールを狙って打つ」
「ノムさんはそやったな」
「リードでもな」
「相手を研究してリードする」
「こっちのピッチャーの特性も考えてな」
 ここに囁き戦術で相手の集中力を削いだりもしていた。
「そうした人やが」
「得手不得手めっちゃはっきりしてるな」
「ああ、この人なんか特にな」
「やっぱりな」
「どんな人も万能やないな」
「ほんま人それぞれ適性がある」
 こう言い切った。 
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