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展覧会の絵

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第十七話 死の島その五

『次は君達だよ』
 パソコンか何かで書かれた文字があった。その文字を見てだ。
 彼等は今度は首を捻った。誰がどういう意味で書いたか全くわからなかった。
「君達?誰だよ」
「この四人の関係者か?」
「この連中ツレとかいるのか?」
「そいつ等もこうするっていうのか?」
 こう口々に言ってだ。首を捻るのだった。 
 だがこの無残な屍はすぐに警察が来て回収された。その屍を検死した結果。警官達は恐ろしい事実を知ったのだった。
「睾丸や棒は最初から潰されるか引き千切られてか」
「肛門も焼かれて塞がれて」
「顎は外され口から水、熱湯や塩水を何度も何度も注がれてか」
「それで殺されたのか」
「えげつない殺し方だな、おい」
 警官達は捜査本部においてだ。こう話していた。
「昔のヨーロッパの拷問か?」
「魔女狩りとかそんなのみたいだな」
「というか今日本でこんな殺し方するか」
「誰なんだ、ホシは」
 その犯人についてもだ。警官達は言うのだった。
「確実にいかれてるな」
「ああ、死んだ後も腹割いて手足切り刻んでるしな」
「明らかに殺すの楽しんでる奴だ」
「キチガイ、いや」
 この言葉も出た。
「化け物みたいな奴だな」
「シリアルキラーか?」
 所謂猟奇的連続殺人者ではないかという意見も出た。
「これはな」
「少なくともまともな奴じゃないな」
「人殺しにしてもこれはかなり」
「相当いかれた奴だな」
「まるで」
 警官達は直感的に感じた。この殺し方は。
「藤会の事務所次々と潰した奴か」
「それに似てるな」
「このえげつない殺し方は」
「それに近いな」
 こう話すのだった。その無残な検死結果の報告と写真を見てだ。
「この水責めで殺すなんてな」
「相当残忍な奴じゃないとできないぞ」
「というか有り得ない殺し方だな」
「ここまでする奴なんてな」
 いないというのだ。普通はだ。
 しかし彼等はここで気付いたのだ。このあまりにも惨たらしい殺し方から。
「やっぱりあの藤会をつぶした奴か?」
「その可能性が高いな」
「ああ、それもかなりな」
「証拠はないがな」
 証拠はない。だが、だった。
 彼等は職業、警官としての直感から感じ取っていたのだ。これだけの殺し方をできる人間はそうはいない。そしてそれと同じ殺し方をする人間がいるということを。
 そのことを感じ取ってだ。そのうえでの言葉だった。
「あいつか。あいつだな」
「ああ、間違いないだろうな」
「これだけのことをしても手掛かり一つ残さない」
「それをできる奴なんてな」
 そのだ。彼しかいないというのだ。
 だが、だっが。証拠はなかった。しかもだ。
「本当に手掛かり一つないな」
「血液型やDNAがわかる体液もない」
「ましてや指紋一つない」
「まるで証拠ってやつが完全にわかってるみたいにな」
 そのうえで動いているのではないかとだ。彼等は察したのだ。
「それで殺しているのか」
「とんでもない奴だな」
「本当に切り裂きジャックみたいな奴だな」
 十字、彼と気付いている者は警官達はおろか神父以外は誰も気付いてはいない。だがそれでもだった。彼の通り名は決まろうとしていたのだ。 
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