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展覧会の絵

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第十七話 死の島その四

 それが極限まで大きくなると四人の全身、顔だけではなく身体全体が紫色になり顔が苦悶に歪む。十字はそこで水を止めた。だがそれは慈悲ではなかった。
 四人の腹をそれぞれ上から思いきり踏みつける。何度も何度も。
 四人は口から水を吐き出す。まるでポンプの様だった。
 そこには水だけでなく胃液もあった。彼等は胃液まで吐き出され水を飲まされていた時以上に苦しみで顔を歪ませていた。だが。
 その彼等にだ。十字は再びだった。
 口に水を注ぎ込んでいく。四人はまたしても腹を膨らませ全身を苦痛で紫色にさせる。
 その腹をまただ。十字は踏みつけ吐き出させる。それを数回繰り返した後でだ。
 息も絶え絶えになっている四人にこんなことを言ったのだった。
「さて。真水だけじゃ飽きるね」
「・・・・・・・・・」
「水は真水だけとは限らないね」
 言うのはこうしたことだった。
「お湯もあるよ。しかも」
 只の湯ではなかった。その湯は。
「熱湯。沸騰させたお湯を注ぎ込んであげるよ」
「・・・・・・・・・」
 煮え湯を飲まされる。その苦痛を死にそうな中で想像してだった。
 四人はさらに恐怖を感じた。そしてだった。
 十字は実際にだ。今度はその沸騰した熱湯を大量に注ぎ込んだ。そうすると。
 四人はこれまでより遥かに。真水のそれとは比べものにならない苦痛、いや恐ろしい激痛を感じた。口の中はおろか内臓、無論気管にまで煮え湯が注ぎ込まれる。
 四人はその激しい激痛の中でも最早体力がなかった。これまでの睾丸や肛門による攻撃に真水の責めを受けてだ。体力をなくしていたのだ。
 動きは弱くなっていた。だがそれでも煮え湯は真水のそれと同じく腹を極限まで膨らまさせられ。
 またその腹を踏まれて吐き出される。熱湯は口や顔、喉にもかかる。
 内臓までが熱湯により火傷していた。これは致命傷だった。だが、だった。
 十字は今度は四人にこんなことを言ったのだった。
「熱い後は冷やさないとね」
「・・・・・・・・・」
「今度は氷水を入れてあげるよ」
 煮え湯の後はだ。それだというのだ。
 そして実際にそれを入れてだ。彼等を攻める。熱湯の後の氷水は普通に入れるよりも苦痛を与えるものだった。
 それで終わりではなく。塩水まで入れた。傷口に塩だった。
 四人はこの執拗な、何度も何度も行われる十字の水責めに致命傷を負った。その彼等にだった。
 十字は冷徹にこう宣告したのだった。その宣告は。
「こうして。死ぬまで裁きの代行を与えてね」
 そしてだというのだ。
「後は晒してあげるよ。その骸をね」
 こう言ってだ。また氷水を注ぎ込み再び熱湯をだった。死ぬまで塩水や、挙句には石鹸水も入れていき四人が完全に死ぬまでそれを続けたのだった。四人が息絶えたのは明け方だった。
 その日は朝になっていたので何もしなかった。だが。
 翌朝だ。八条学園の校門のところに肛門から口まで立てて置かれている木の杭で串刺しにされ晒されている無残な四つの屍があった。その屍を見て。
 生徒達も教師達も蒼白になっていた。その死体を見てだ。
 生徒の一人がだ。こう言った。
「おい、こいつ等ってな」
「ああ、あいつ等だよな」
「一川達じゃねえか」
「昨日姿見えないと思ったらな」
「殺されたんだな」 
 しかもだ。ただ殺されているのではなかった。全裸で串刺しにされ晒されていた。
 しかも手足は所々切り刻まれ腹まで割かれていた。しかも。
「おい、金玉のところ焼かれてるぞ」
「だよな。完全になくなってるよな」
「しかもあちこち火傷してないな?」
「ああ、してるな」
 だがまだ水責めのことはわかっていなかった。それは。
 しかしそれでも串刺しと割かれた腹に焼かれた急所、断末魔の恐ろしい顔を見てだ。生徒達だけでなく教師達も顔を歪めさせて言うのだった。
「これ、普通にえぐいな」
「っていうか誰がやったんだよ」
「無茶苦茶な殺し方じゃねえか」
「ドラキュラ公かよ」
 ブラド四世のことだ。串刺しを好んだ残虐な君主として知られている。
 そのドラキュラ公の様だとだ。串刺しを見て言う者もいた。
 そして次にだ。彼等はあることに気付いた。それは。
「あれっ、何か書いてあるぞ」
「ああ、そういえばそうだな」
「ここだな」
 四人が晒されている傍の壁のところに貼り紙があった。そこには。 
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