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神々の塔

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第三話 準備を整えその七

「そうしてです」
「焦らんで」
「最後はです」
「ことを成したんやね」
「借金は完済し」
 ローマ中が仰天するまでの額になっていたそれをだ。
「そしてローマの頂点にです」
「終身執政官やったね」
「それにまで至りました」
「事実上最初のローマ皇帝やね」
「はい」 
 まさにとだ、太宰は答えた。
「その地位にまで至り」
「ローマを改革して」
「共和制が行き詰まっていましたが」
 当時のローマはだ、広大になり国家状況も一変してしまっていてだ。
「しかしです」
「そのローマを改革して」
「以後のローマ帝国につなげました」
「そうしたのは凄いけど」
「彼のその焦らないです」
「資質も大きかったんやね」
「そうでした、焦るのはです」
 太宰はさらに話した。
「所詮小者ともです」
「言えることなんやね」
「はい」
 まさにというのだ。
「最早」
「器の小さい人は焦る」
「そうです、何も事情を見ずに」 
 そうしてというのだ。
「逸る気持ちを抑えられず」
「焦ってそれで失敗して」
「下手をすれば取り返しのつかない事態もです」
「引き起こすんやね」
「そしてそうした人に限ってです」
 焦って失敗する様な輩程というのだ。
「反省せず責任もです」
「取らへんねんやね」
「一度や二度ならです」 
 失敗をしてもというのだ。
「いいのですが」
「それでもやね」
「はい、ですが」
 それでもと言うのだった。
「それが何度もで何度注意されてもです」
「焦る様なら」
「それも同じ仕事等でそうなら」
「どうしようもないんやね」
「そしてそうした人こそです」
 太宰はまた言った。
「反省もせず」
「責任も取らへんのやね」
「だから小者とです」
「太宰君も言うんやね」
「急がねばならない事態はあります」
 ことを為すにあたってというのだ。
「どうしても」
「今のお仕事かてそやね」
「危急のもので」
 そうした仕事でというのだ。
「どうしてもなので」
「今日はやね」
「皆さんに留まって頂いていますが」
 都にというのだ。
「冒険を明日にしてもらい」
「ほんま急の大事な仕事で」
 綾乃は棟梁の印を押しつつ話した。
「せんとね」
「左様です、では」
「今日はやね」
「お仕事をお願いします」
「わかったわ」
 ここでも印を押しつつ話した。 
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