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ドリトル先生とタキタロウ

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第七幕その五

 先生はその皆と一緒にわんこそばを食べました、するとです。
「はいどんどん」
「はいもう一杯」
 お店の人がこう言ってです。
 お蕎麦を食べる度にお碗にお蕎麦を入れてくれます、お蕎麦はもう味付けされてあって薬味も置かれていてです。
 お箸がどんどん進みます、それでなのでした。
 皆気付けばです。
「いやあ、食べたね」
「食べた食べた」
「お碗が山積みだよ」
「塔みたいになっているわ」
「そうだね、けれどまだだよ」
 先生は皆と一緒に食べつつ言います、お蕎麦は本当にどんどん入れてもらっています。
「食べられるよ」
「そうだね」
「お蕎麦美味しいしね」
「しかも食べやすいから」
「どんどん進むね」
「これは限界までだよ」
 そこまでというのです。
「食べようね」
「こうなったら百杯目指そう」
「お碗それぞれの大きさに合わせてもらってるし」
「お蕎麦の量もね」
「お店の人がそうしてくれたし」
「それならね」
「皆それぞれね」
 各自でというのです。
「食べていこうね」
「うん、そうしよう」
「どんどん食べてね」
「百杯目指そう」
「そうしましょう」
 皆も笑顔で応えてでした。
 お蕎麦をどんどん食べていきました、そしてでした。
 皆百杯を達成しました、そこででした。
 皆遂にお箸を止めました、それで先生は言いました。
「やったね」
「そうだね」
「皆百杯達成したよ」
「大台到達したわ」
「目指していたけれど」
「わんこそばは百杯が一つの区切りだね」
 先生は皆でそれぞれ百杯食べたので言いました。
「まさに」
「そうだよね」
「百杯がまさにそうだね」
「一杯二杯じゃなくて」
「どんどん食べてね」
「それで百杯に達したら」
 そこまでいくと、というのです。
「この通りだよ」
「嬉しいよね」
「やり遂げたって思えて」
「もうその実感が湧いて」
「何よりも美味しかったしね」
「嬉しいよ、じゃあ食べ終えたし」
 それでと言う先生でした。
「皆手形に食べた数書いてもらおうね」
「わんこそばはこれが絶対だよね」
「手形に食べた数書いてもらうのが」
「食べた後これがないと」
「本当に駄目だね」
「そうだよ、だから書いてもらおうね」 
 こう言ってでした。
 皆笑顔でお店の人に食べた数を手形で書いてもらいました、そのうえでお勘定を払ってお店から出ましたが。
 ここで、です。皆お店を出てからこんなことを言いました。
「いや、しかしね」
「手形に書くのが風情があるわね」
「如何にも日本って感じで」
「それも昔ながらの」
「全くだよ。手形に書いてもらうのがね」
 先生も皆ににこりとして応えます。 
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