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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その十四

「そしてだ」
「そのうえで、でしたね」
「足掛かりと定めた場所に多くの物資を運ばせた」
「輸送艦隊に護衛をつけてオムダーマン本土からの航路を常に護り」
「そしてだった」
「基地を築き」
「それから進軍をするつもりだったしな」
 アッディーンはさらに話した。
「実際にだ」
「その様にでしたね」
「進んでだ」
 そしてというのだ。
「何もなかったその場所を拠点とし」
「そこに物資と設備を集中させた」
「そうすれば」
「例え焦土にされていてもだ」
 即ち何もない様な状況にされていてもというのだ。
「基地となる」
「なければ築くということですね」
「そうだ」
 その通りだというのだ。
「最初は何もないのだ」
「何でもですね」
「それは基地も同じだ、既存の基地をそのまま使うのが一番だが」
「それが無理なら」
「基地を築く」
「そうしてそこを拠点として戦っていく」
「そうする、だからだ」
 それでというのだ。
「今の私達もだ」
「拠点を築きましたね」
「そうだ、そのうえでだ」
「サラーフとの戦いにも勝利しましたね」
「あの時私達がさらに進んでいるとな」
 その時はともだ、アッディーンは話した。
「恐ろしいことになっていた」
「補給に限界が出て」
「そこを攻撃されていた」
「ハラス提督、今は我が軍におられますが」
「元帥としてな」
 オムダーマン軍は軍の規模に比例して元帥の数が多い、尚比較対象は連合軍でありエウロパ軍と比較しても割かし多めだ。
「我が軍にいるな」
「はい、しかしあの頃は」
「サラーフ軍にいた」
「そのハラス提督の作戦では」
「我々にあえて進撃させてな」
「それに対して焦土戦術を行い」
「そしてだ」
 まさにというのだ。
「我が軍の進撃が限界に達すると」
「そこで総攻撃に出るつもりでした」
「如何なる精強な軍隊もまず糧食が必要でだ」
「そしてエネルギーに武器、弾薬です」
「そうしたものがないとな」
「戦えないです」
「餓え死にしては戦う以前だ」
 それこそというのだ。
「古来はそうして敗れた軍隊も多かった」
「そうでしたね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「我々にしてもだ」
「あの時に基地を築かれましたね」
「あえて進撃を停止してな」
「拠点の建設を急がせた」
「物資の集積とな」
「その補給路の確保も行ない」
「一個艦隊全体をパトロールに向かわせてな」
 アッディーンはサラーフとの戦いのことを今もはっきりと覚えている、彼自身が率いて戦った戦いだからだ。 
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