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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その十五

「そうしたが」
「それは、ですね」
「正解だった、だからだ」
「サラーフに勝てましたね」
「あの時はサラーフもまことに愚かだったがな」
「戦争中に誕生したナベツーラ政権が」
「マスコミが贔屓する政権程愚かな政権はない」
 アッディーンはこの言葉も出した。
「そうした言葉もあるな」
「左様ですね」
「あの時のサラーフがそうだった」
「マスコミに有権者が踊らされ」
「マスコミと結託しているナベツーラ達が政権に就いた」
「そしてあの有様でしたね」
「無謀な攻勢に出て来た」
「あの時は酷いものでした」
 シンダントもこう述べた。
「実に」
「無能な司令官や幕僚達に全権を預けてな」
「そしてでした」
「数だけの軍を向けてきた」
「しかしでしたね」
「数だけの軍なぞだ」
 その布陣なぞ何でもない様なものでというのだ。
「戦えるものか」
「左様ですね」
「戦争は確かに数が大事だが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「その将帥が無能ばかりではだ」
「敗れます」
「あの時の様にな、ミツヤーンとか言ったな」
「あの時の司令官ですね」
「無能を絵に描いた様な、な」
「参謀も酷かったですが」 
 ホリーナムのことも話された。
「提督達も」
「そしてあの愚か者達がだ」
「サラーフを滅ぼしましたね」
「ナベツーラと取り巻き達がな」
「そうでしたね」
「そう思うとな」
 まさにというのだ。
「サラーフは自滅したが」
「それでもですね」
「足掛かりを置くことはな」
「戦略の基本ですね」
「長距離の遠征ならばだ」
 まさにというのだ。
「それが必要だ、だからこの度もな」
「バスラ星系にですね」
「物資と設備を集結させることも忘れるな」
「決して」
「そうして進む、しかしティムール軍の艦艇だが」
 アッディーンはこれの話をした。
「落伍した艦艇を捕獲してもな」
「その中にはですね」
 ラシークが応えた。
「一人も将兵がいませんね」
「艦艇は落伍してもな」
「将兵は落伍させずですね」
「連れて行っているな」
「左様ですね」
「艦艇は替えが利く」
 アッディーンもこの事実を話した、軍人であるからにはハードウェアとソフトウェアのことは完全に頭に入れているのだ。
「しかしだ」
「将兵はそうはいかないですね」
「だからだ」
「ティムール軍もですね」
「将兵は連れて行っている」
「そちらの落語は許さないですね」
「将兵より兵器を大事にするとな」 
 その場合はというと。 
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