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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その十五

「バスケなんだ」
「してるスポーツはか」
「ああ、悪いな」
「謝ることはないで、ほなバスケ頑張ってや」
「また試合があるしな」
 封真はそれでと応えた。
「そうしてくるな」
「ほなな」
「ああ、しかしあんたとはまた会う気がする」
「わいもや、それやとな」
 空汰は笑って話した。
「仲良くな」
「していきたいな」
「お互いな、ほなな」
「またな」
 封真が乗って来た自転車の前でだった。
 二人は笑顔で別れた、そうしてだった。
 封真は家に帰って小鳥に神威と会えなかったことを話した、そのうえで一家で夕食を食べはじめたが。
 ここでだ、小鳥は兄に話した。
「それでその人となの」
「ああ、空汰っていうな」
「その人もなのね」
「神威に用があった様だ」
「そうなのね。神威ちゃんに用があるって」
 小鳥はカレイの煮付けを食べつつ述べた。
「一体ね」
「何かな」
「気になるわね」
「そうだな」
 封真は何種類もの茸が入った味噌汁をすすりつつ応えた。
「言われてみるとな」
「悪い人じゃなかったのよね」
「そんな気配はなかった」
 全く、とだ。封真は答えた。
「別にな」
「そうだといいけれど」
「何でも高野山から来たらしい」
「高野山ってあの」
「和歌山県だったな」
「あちらから来たの」
「そのせいか喋り方はあちらのものだった」
 空汰が関西弁を喋っていたことも話した。
「そうだった」
「そうなのね」
「高校もあちらとのことだが」
「それでもなの」
「休学中らしい」
「休学って」
 小鳥はそう聞いて顔を曇らせた。
「悪い人じゃなくても」
「謎が多いな」
「そうした人と神威ちゃんに関係があるのかしら」
「これからとも言ってたがな」
「余計にわからないわね」
 野菜の酢のものを食べつつ応えた。
「どうも」
「全くだな」
「物凄く気になるわね」
「俺自身にも言ってきたしな」
「お兄ちゃんにも」
「そうだった」
 まさにと答えた。
「力とか運動神経のことを話したが」
「それね。お兄ちゃん昔からね」
「身体は頑丈でな」
 そしてと言うのだった。
「そうしてな」
「運動神経もあるわね」
「どうしてかわからないが」
 それでもというのだ。
「子供の頃からな」
「そうだったわね」
「そして神威も」
 彼もというのだ。 
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