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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その一

               防衛ライン到達
 ティムール軍の先頭は第二次防衛ラインとして築くべきラインに到達していた。そして到達してすぐにだった。
 その防衛ラインの施設をはじめていた、その動きはというと。
 かなり速かった、だがそれでもだった。
「遅れているな」
「そうですね」
 ある艦隊において司令と副司令が強張った顔で話していた。
「今の状況では」
「どうもな」
「遅れています」
 副司令は司令に話した。
「まだ」
「そうだな、ではだ」
「ここはですね」
「急がせる」
 そうすると言うのだった、司令も。
「無理とかいう言葉はだ」
「今はですね」
「利かない」
 全く、と言うのだった。
「そうした状況だからな」
「それで、ですね」
「不眠不休という言葉もな」
「嘘ではないまでに」
「作業を急がせることだ」
 そうせよと言うのだった。
「三交代だ、八時間ずつの」
「そうしていきますか」
「しかも只の三交代ではない」
「十六時間働いてですか」
「八時間働きまた八時間働き」
 そしてというのだ。
「八時間寝る、酸素タンクに入りな」
「休む」
「そして食事もだ」
 司令はこちらの話もした。
「レーションを現場でだ」
「摂りますか」
「そうしてもらう、とにかくだ」
「今は、ですね」
「急ぎますね」
「何があろうともな」
 こう話してだった、司令は自身が率いる百万の者達に作業を行わせた、それは確かに急なものであった。
 その状況はフラームも知っている、だが。
 その状況を聞いても彼はこう言った。
「今はだ」
「十六時間労働もですね」
「仕方ないですね」
「急な作業でも」
「それでもですね」
「仕方ない、休むことは」 
 それはというのだ。
「暫くは酸素タンクで我慢してもらい」
「そして、ですね」
「作業が終わり」
「戦闘開始まで、ですね」
「その時まで、ですね」
「休んでもらう」
 その様にしてもらうというのだ。
「とにかく今はだ」
「急ぐしかないですね」
「不眠不休で作業を行い」
「そして、ですね」
「防衛ラインを敷きますね」
「そうしますね」
「オムダーマン軍の動きは速い」
 自分達を追撃してきている彼等はというのだ。
「悠長なことを言っている余裕もな」
「ない」
「確かにそうした状況ですね」
「オムダーマン軍は速いです」
「我々も動きを速めていますが」
「それでもですね」
「そうだ、彼等に追いつかれてだ」 
 そしてというのだ。 
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