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ドリトル先生とタキタロウ

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第三幕その五

「別にライバル同士じゃなかったよ」
「そうだよね」
「あれはあくまでゲームのことだね」
「そうだったね」
「実際は」
 どうかといいますと。
「今お話した通りであまり接点はね」
「なかったんだね」
「幸村さんと政宗さんは」
「その実は」
「そうだよ、ただ幸村さんのご家族が大阪の陣の時に伊達家に保護されてね」
 そうなってというのです。
「次男さんの家系が伊達家の家臣になっているよ」
「あっ、そうなの」
「そんなこともあったんだ」
「それは意外な縁だね」
「そうしたこともあったの」
「あと天下人への野心があったか」
 このこともよく言われているけれど、というのです。
「これも疑問みたいだね」
「へえ、そうなんだ」
「政宗さんって野心家ってイメージがあって」
「それで東北で戦っていたと思ったら」
「実はそうなの」
「天下取りの野心はなかったんだ」
「そうかも知れないね、当時天下人になろうとはっきり思っていた人は」 
 その人はといいますと。
「織田信長さん、そしてね」
「その後の豊臣秀吉さん」
「その人達位だったんだ」
「そうだったんだ」
「武田信玄さんもそう考えていたか」
 この人にしてもというのです。
「どうかな、今川義元さんもね」
「天下人を目指して上洛を考えて」
「大軍を率いて進んで」
「そこを信長さんに攻められて敗れて」
「桶狭間で命を落としたのよね」
「この時も果たして京都を目指してね」 
 都と呼ばれたこの場所をというのです。
「天下人になろうとしたと言われているけれど」
「それも本当かどうか」
「それはわからないのね」
「あの人にしても」
「そうだよ、もう本当にね」
 先生はさらにお話しました。
「はっきり天下人を目指したって言えるのは」
「当時は織田信長さんか豊臣秀吉さん位で」
「伊達政宗さんはわからないんだ」
「武田信玄さんや今川義元さんも」
「はっきり言えないのね」
「そうだよ、ただね」
 それでもと言う先生でした。
「政宗さんがかなりの勢力を築いたことは確かだよ」
「沢山の戦いに勝って」
「そうなったんだね」
「そのことは事実だね」
「天下を目指していなくても」
「そう、そして会津からこちらに移されて」
 この仙台にというのです。
「今の仙台の基礎を築いたんだ」
「仙台って東北一の街だけれど」
「東北で一番人の多い」
「その仙台を築いたのは誰か」
「もうそれはね」
「政宗さんが秀吉さんに転封させられて」
 この仙台にというのです。
「それでだよ」
「はじまったんだね」
「その時から」
「そうなのね」
「伊達家は本来代々福島の方に土地があってね」 
 そうであってというのです。 
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