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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその三十二

「しかしです」
「そのことによってですね」
「エウロパに工作員を潜入させにくいことは」
「望ましいことではないですね」
「近頃ではバチカンルートも警戒してきていますし」
「こちらからエウロパに入る聖職者に工作員を秘かに同行させようとしても」
「あちらは断ってきています」
「聖職者の入国自体も」
 これもとだ、八条は述べた。
「そしてこのことからです」
「はい、どうもバチカンをですね」
「彼等は彼等で持つつもりですね」
「教皇庁を」
「その考えの様ですね」
「はい、あの国は」
 まさにと言うのだった。
「そう考えています」
「左様ですね」
「そしてですね」
「独自の信仰を持ち」
「また工作員の侵入も防ぐつもりですね」
「主眼は信仰です」
 あくまでとだ、八条はこのことを指摘した。
「何といっても、ですが」
「やはりそれがきますね」
「カトリックは連合にもエウロパにも多くの信者がいます」
「その為以前から双方の交流点になっていますが」
「非常に数少ない」
「それを以前はエウロパが工作に使っていましたが」
 それをというのだ。
「今度は我々が使うのではないか」
「連合からエウロパに対して」
「そのことを危惧してですね」
「工作拠点を防ごうとしてくる」
「そうも考えていますね」
「国防の観点からは」
「既にプロテスタントの交流は中断されています」
 こちらはというのだ。
「最初から多くの宗派に分かれていましたし」
「ルター派にしてもカルヴァン派にしても」
「ピューリタンにしても」
「他の諸宗派も」
 プロテスタントの宗派は実は多い、大小多くの宗派がある。このことは連合でもエウロパでも同じだ。
「もう連合とエウロパで完全に分かれています」
「ですからこちらは関係ないです」
「正教にしましても」
 こちらの信仰もというのだ。
「ロシアと東欧各国で」
「それぞれ分かれていますし」
「問題なしですから」
「そして神話の信仰も」
 こちらの話もされた、エウロパも古代の神々の信仰が復活していて古代の神々も信仰されているのだ。
「我々はエジプトやメソポタミア、中南米にスラブそしてケルトですが」
「ケルトはアメリカに移住したケルト系の影響ですね」
 アイルランド系やスコットランド系がこれにあたる、二次大戦中の将軍マッカーサーもスコットランド系でありケルト人であった。
「他には北米のネイティブの信仰もあり」
「シベリアやイヌイットの信仰もですね」
「そしてエウロパはといいますと」
「彼等はギリシアと北欧です」
「大きくこの二つの信仰です」
「この信仰は連合にはありません」
「彼等のものです」
 そうした信仰があることは連合にも伝わってはいるがだ、信仰はされていないのだ。 
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