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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその三十三

「古代の神々の信仰も分かれています」
「我々のものではありません」
「ですから宗教上の交流といいますと」
「カトリックのみと言っていいですが」
「その交流の元を絶てば」
 八条は軍事的な見解から話した。
「かなり大きいですね」
「工作員の潜入を防ぐにあたって」
「実にそうですね」
「だからですね」
「我々は」
「はい、ですから」
 それでとだ、八条はさらに話した。
「あの国はです」
「あえてバチカンを分裂させ」
「自分達のバチカンを持つのですね」
「彼等から取り戻すことでしょうか」
 八条はこうも話した。
「このことは」
「エウロパの側に立って考えますと」
「そうなりますか」
「この事態は」
「シスマですが」
 教会分裂、歴史にあるこの言葉も出て来た。
「言うなれば」
「我々が教皇を連れ去ったということになりますね」
「その視点では」
「フランス王ではなく」
「我々です」
 八条はこのことは笑って話した。
「そうなります」
「連合が、ですね」
「それは条約に基づくものですが」
「それでもですね」
「教皇を拉致した」
「そして捕囚を行ったというのですね」
「あの時のフランス王の様に」
「あのフランス王はあまりにもでした」
 八条は今度は当時のフランス王の話もした。
「フィリップ四世は」
「通称こそ美顔王と立派ですね」
「実際に残されている肖像画でも顔立ちは整っていますが」
「それでもでしたね」
「その政治の在り方は」
「あまりにも汚いものでしたね」
「フランスらしく」
 周りはフランスつまりはエウロパへの悪意を原点としてこのフランス王のことを話した。尚美顔王というのは実際にそう名付けられていた正式な通称である。
「テンプル騎士団も潰していますし」
「悪魔崇拝だのと捏造し」
「騎士団員に拷問をかけ無理に自白させて」
「そしてその財産を掠め取りました」
「あまりにもやり口が汚く」
 そしてと話されるのだった、ここで。
「騎士団員からは激しい憎しみと怨みを買い」
「その呪いで、でしたね」
「急死したという説もありますね」
「捏造により殺された騎士団員達の怨みだと」
「その様に」
「こうした話は日本で多いです」
 八条はまた自国の話をしたが今度は歴史からのものだった。
「どうにも」
「左様ですね」
「日本ではそうした話が多いですね」
「平安時代等に」
「そうしたお話が多いですね」
「例えば靖国神社も」
 日本の為に戦い戦死した英霊達が祀られている、この時代では武蔵星系に移転させられ存在している。
「英霊の方々が祀られていますが」
「護国の鬼ですね」
「そう呼ばれていますね」
「英霊となり日本を守護されていると」
「ひいては連合を」
「はい、ですが」
 日本を守護していることは事実でもというのだ。 
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