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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその三十一

 それでだ、その結果としてなのだ。
「三つの人種が混じっています」
「民族間なら尚更です」
「ある民族を言っても」
「実は名前だけになっている場合が殆どです」
「どの民族も」
「日本人もそうですからね」 
 八条は自国のことからも話した。
「よく大和民族が主流と言われていますが」
「その大和民族もですね」
「混血していますね」
「それもかなり」
「人種間でも」
「最初から縄文系と弥生系の混血でした」
 そこから大和民族ははじまるという説もある。
「そしてそこからです」
「確かアイヌ民族とも混血していますね」
「蝦夷と言われていた頃から」
「そして渡来した漢民族とも混血し」
「半島系の民族とも」
「明治以降は白人や黒人ともで」
「そして今に至ります、確かに二千年前の大和民族の血は入っていますが」 
 この時代から見ると鎌倉時代になる、最初の武家政権でありその武士達はますらおぶりがかなり強かった。
「しかしです」
「他民族の血も入り」
「二千年前の大和民族とはですね」
「また違いますね」
「そうした状況ですね」
「そうです、どうしてもです」
 混血のことはというのだ。
「連合ですので」
「そしてその混血で、ですね」
「純粋なコーカロイドのサハラには入りにくくなっていますね」
「どうしても」
「そうなっていますね」
「はい、そう思いますと」
 八条はここまで話してまた工作員の話をした。
「連合からエウロパにはです」
「中々入られないですね」
「残念なことに」
「我々からは」
「彼等からはしやすいですが」
 これは連合にはまだ純粋なコーカロイドが存在しているからだ、だがエウロパではまずモンゴロイドやニグロイドがいないからだ。確かに血は残っているがそれでもその血はかなり薄くなっているのだ。
「我々からしてみますと」
「純粋なコーカロイドで軍に所属し」
「尚且つスパイの適性があるとなると」
「非常に限られます」
「ごく稀です」
「連合は混血していることが」 
 こうした言葉も出た。
「誇りです」
「そうです、人は混血してこそそれぞれの人種や民族の長所を持てます」
「それを代々行っています」
「それ故に連合市民は体格もよく」
「知能も高いです」 
 尚このことは実は民族や人種の混血から来ない、体格は食事の関係であり知能もまた同じである。だが連合ではこう言われているのだ。
「連合のどの国の平均もエウロパの平均より上です」
「知能指数のそれは」
「連合各国の平均知能指数は全て一一〇を超えています」
「しかしエウロパは百五にもいきません」
「連合市民の方が知能が高いのです」
「彼等が馬鹿にしている混血の方が」
「そうなっていますし」
「混血自体はいいのですが」
 八条も言うことだった、彼は科学的に連合市民よりエウロパ市民が劣っているとは考えていないが混血自体は自由恋愛の見地からいいと考えている。 
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