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八条学園騒動記

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第六百七十九話 調理に入りその三

「十分はね」
「かかっていたね」
「アルデンテになるまではね」
「そうだったね」
「やっぱり二十世紀の終わり頃は」
 その頃はというのだ。
「それだけかかっていたのよ」
「それが三分だね」
「今はね」
 それだけで茹で上がる様になったというのだ。
「凄いでしょ」
「うん、本当に」
 トムもこう言った。
「時代の進歩だよ」
「そうよね、お料理もね」
「時代と共にだね」
「進歩していってるのよ」
 そうだというのだ。
「これがね」
「そうなんだね」
「そうよ、時代の進歩と共にね」
 生クリームをかき混ぜ続けつつ話した。
「お料理もね」
「進歩していってるんだね」
「そうよ、調理器具もキッチンもね」
「進歩していってるから」
「昔は竈だったでしょ」
 料理に使うものはというのだ。
「ご飯炊いたりするのも」
「今はキッチンだね」
 シッドも言ってきた。
「もう竈はね」
「完全にそれに代わったでしょ」
「そうだね」
 従姉の言葉にその通りだと答えた。
「本当に」
「火をそのまま使ってたのがガスになって」
「それが電気になって」
「それがさらに発展してね」
「今じゃ三分よ」
「それだけの量のお水も沸騰するね」
「文明の進歩はね」
 それこそというのだ。
「それだけ凄くて」
「それと共にお料理もだね」
「進歩していってるのよ」
「そういうことだね」
「同じお料理を作っても」
「カルボナーラも」
「そうよ、時代の進歩と共にね」
 まさにというのだ。
「進歩していってるのよ」
「今の方がずっと美味しいかな」
「そう思うわ、より進歩したキッチンで作れば」
 その様にすればというのだ。
「それだけね」
「美味しくなるんだ」
「そうよ、食材もね」
 こちらもというのだ。
「進歩してるし」
「昔と比べたら」
「数十年前と比べても違うし」
 食材の質はというのだ。 
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