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八条学園騒動記

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第六百七十九話 調理に入りその四

「百年前、千年前になると」
「さらにだね」
「同じ生クリームでもね」
 丁度生クリームをかき混ぜ終えて言った。
「今の方がね」
「ずっといいんだね」
「そうよ、そうしたキッチンでそうした食材を使って作るから」
「同じカルボナーラでも」
「数十年前と比べたらね」
「美味しいんだ」
「間違いなくね」
 こうシッドに話した。
「その筈よ」
「そこまで考えなかったよ」
「昔がよかったって言う人もいるけれど」 
 こうしたことを言う者はこの時代の連合でも存在している、昔を懐かしむこともまた人間の心理であるからだ。
「少なくともお料理はね」
「今の方がいいんだね」
「色々進歩しているから」
「よく化学調味料否定する人いるけれど」 
 この時代でも存在している。
「色々と文明なものをね」
「自然がいいとか言ってね」
「そう言う人いるよね」
 トムとシッドもそれはと答えた。
「世の中にはね」
「文明自体が嫌いでね」
「そんな人見たらいいわ」
 メアリーは言うそうした人達自体のことを指摘した。
「大抵余裕がなくて狭量で短気でしょ」
「あれだね」
 トムも言った。
「殆ど極端なヴィーガンの人とね」
「そっくりでしょ」
「うん、極端なヴィーガンの人なんて」
 トムは切ったものをボールに入れつつ話した、シッドもそうしていていよいよソースを作る準備に入っている。
「自分が絶対に正しくて」
「他の人に命奪うなとか言ってね」
「暴れるよね」
「お肉食べるなお魚食べるなって」
「そう言ってね」
 人にはだ。
「お野菜や果物にも命があるって言われると」
「植物にも命あるからね」 
 トムはソースの調理に入ったメアリーに話した。
「実は」
「そうよ、動物も植物もね」 
 両方共というのだ。
「命があるのよ」
「そうだよね」
「だから命を奪うなと言われても」
 極端なヴィーガンの者にというのだ。 
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