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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その四十二

「それでもな」
「香水の方は」
「考えもしなかったよ」
 自分が付ける様なことはというのだ。
「本当にな、それがな」
「娘さんにですか」
「言われる様になってな」
 そうなってというのだ。
「香水も使う様になった」
「それはまた大変ですね」
「そっちの旦那さんもそうじゃないか?」
「うちのですか」
「言ったろ、父親は娘に言われるんだ」
 何かと、というのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「そっちは娘さん三人だろ」
「はい、そうですが」
「軍曹には言わなくてもな」
「旦那にはですか」
「言ってるだろ」
 自分達の父親に対してはというのだ。
「何度も言うが女の子ってのはそうしたものなんだよ」
「父親に言うものですか」
「ああ、それもきついんだよ」
 曹長は苦笑いで述べた。
「これでもマイホームパパのつもりだがな」
「軍人には多いですね」
「ああ、家庭を大事にする人間がな」
「基本的に」
「俺もそうなったと思うけれどな」
 それでもというのだ。
「一番可愛がってきたつもりでもな」
「言われますか」
「残念だよ、しかしそれもな」
「父親には絶対にあることですか」
「そうだろうな、そしてな」
「そして?」
「やっぱり家庭がないとな」
 曹長はここでこうも言った。
「俺は駄目だと思うな」
「そうですか」
「誰でもな」
 それこそというのだ。
「軍人だけじゃなくて」
「どんな職業でも」
「結婚をして」
「子供を作って育てる」
「そうしないとな」
「よくないですね」
「ああ、そりゃ独身でもな」
 これでもというのだ。
「人生だけれどな」
「曹長としては」
「家庭はな」
「持ってですね」
「家に帰ったらな」
「家族が待っていてくれている」
「これがいいな、俺の兄貴は結構独身時代が長かったが」
 身内のことからも話した。
「それで家に帰ったらな」
「寂しいですか」
「そう言ってたな」
「そうでしたか」
「もう兄貴も結婚してな」
「家庭を持たれていますか」
「結婚は俺より遅かったってのに」
 曹長は笑ってこうも言った。
「今じゃ俺より子供が多いよ」
「そうなのですか」
「俺は息子二人で一番下が娘なのにな」
「お兄さんはどうなのでしょうか」
「一番上なのは男だけれどな」
 それでもというのだ。 
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