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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その三十六

「それでオムダーマン軍と戦っても」
「連合軍が勝ちますか」
「連合軍の攻撃力と防御力とな」
「索敵能力にですね」
「それこそな」
 オムダーマン軍はというのだ。
「絶対に勝てないさ」
「そういうことですね」
「ああ、CICも」
 自分達が今いるここもとだ、曹長は軍曹に話した。
「こんな立派じゃないからな」
「オムダーマン軍の艦艇だと」
「もうな、お粗末なものだよ」
「それで、ですね」
「こんな風にはな」
 とてもというのだ。
「なっていないからな」
「かなり古いものですね」
「ああ、このCICは連合の民間技術が転移されていて」
 極めて先進的なそれがだ、連合は千年の平和の中で各種産業を発展させ民間技術はその中でエウロパやサハラ等の数百年先に進んでいるのだ。
 それでだ、彼等もなのだ。
「これだけだが」
「それでもですね」
「サハラはそんなことはないからな」
「連合の最先端の技術はない」
「どんなに進んでいても」
 サハラの軍事技術、それがというのだ。
「連合の民間技術の足元にも及ばないさ」
「だからですね」
「このCICよりずっと粗末さ」
「そうしたものですか」
「俺達から見れば古い古い」
 曹長は笑ってこうも言った。
「通信とかもな」
「連合よりずっと落ちますね」
「軍事技術だけだと限界があるんだよ」
 その分野だけ進歩、突出していてもというのだ。
「戦争ばかりしていてもな」
「技術の進歩には限界がありますか」
「やっぱり産業が発展してな」
 その中で技術も進歩してというのだ。
「軍事技術もよくなるんだよ」
「そういうもので」
「サハラはまだまだだよ、そんな軍隊と戦ってもな」
「連合が勝ちますね」
「速度だけでも勝てないさ」
「他の分野もですね」
「大事なんだよ、しかしここまで速いと」
 曹長は速度だけでは駄目だと言いつつもその速度自体は認めていた、それでこうも言ったのだった。
「褒めるしかないな」
「そうですね、艦艇の速度もかなりですが」
「アッディーン大統領も凄いな」
「そういうことになりますね」
「俺達下っ端でもわかるんだ」
 曹長は自分達が士官でないことから軍曹に笑って話した。
「士官の間じゃもっと言われてるだろうな」
「ですね、そのことは」
「色々とな、それで論文もな」
 これもというのだ。
「書かされているかもな」
「論文もですか」
「これはな」
「士官の必須ですね、そういえば」
「士官、特に士官学校や大学を出ていれば」
 そうして入隊してすぐに士官になった者はというのだ、このことは二十世紀後半の軍隊の常である。 
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